自然由来の地球温暖化ガスの代表例は、二酸化炭素、メタンそして亜酸化窒素。これらのガスの発生源も様々。森林生態系は、温暖化ガスの発生源でもあり、同時に吸収源でもあります。
森林生態系の土壌からの温暖化ガスの発生の状況を捉えることは、地球温暖化を防止する上で基礎となります。こうした温暖化ガスの発生は、森林生態系で生産された有機物が微生物によって分解された結果です。
それでは、植生や季節によって温暖化ガスの発生状況はどのように変わるのでしょうか?このことを知るには、実際に野外で温暖化ガスの発生速度を測定することです。
と言うことで、大学院環境科学院の授業『環境分子生物学基礎論』の一コマです(昨日)。低温研の敷地内には豊かな森が広がっています。ここで、密閉型チャンバーを用いて、土壌呼吸速度(二酸化炭素の発生)とメタンの動態の測定実習を行いました。
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適当な場所にチャンバーを設置し、温度、気圧の測定。チャンバー内に増加した二酸化炭素を赤外線センサーで計時的に定量し、速度として算出いたします。メタンは、一定時間ごとに注射器を用いてチャンバー内の空気を採取し、密閉したバイアル瓶に捕集。後で、ガスクロマトグラフィーで空気中のメタン濃度を測定し、メタンのフラックスとして算出。メタンの場合、土壌中にメタンを消費する微生物(メタン酸化菌)と生成する微生物(メタン生成菌)が存在します。一般的に、森林土壌にはメタン酸化菌の方が多く存在するので、結果として土壌からはメタンが放出するのではなく、吸収されます。つまり、森林生態系は、温暖化ガスであるメタンの吸収源であり、温暖化を抑制する働きがあると言ってよいでしょう。
もし、さらに地球が温暖化した場合、森林生態系はメタンの吸収源であり続けるのでしょうか?それとも?
これが、私たちの大学院の講義ですし、研究室の院生が大活躍する場でもあります。
貴重なコメントありがとございます。私たちの生態学の野外調査でも、アナフィラキシーショックへの注意が喚起されています。にもかかわらず、対策や予防策は遅れています。
「エピペン」注射の件、研究室や周囲の方々に周知したいと思います。
話変わって、昨日松山出張から戻りました。松山ー札幌間のフライトは秋田上空を航行いたします。昨日は、鳥海山、田沢湖などが機内から見えて、結構楽しめました。