福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

ついに だめか?

2007-06-21 06:23:03 | 旅行記

ワタクシ、新聞の第一面に登場したことがあります。と言っても、毎日新聞の新潟版ですが。あれは、そうそう、28年前でしょうか?

1979年1月、マークシート方式による共通一次試験が全国一斉に実施されました。共通一次試験元年でしたので、新聞各紙は一面で大々的にその実施の様子を紹介したのです。

私の場合、新潟市旭町にあった新潟大学教育学部旭町校舎(当時の県庁の近く)で受験。そのため、国鉄信越線の加茂駅から、羽生田、田上、矢代田、古津、新津、荻川、亀田、越後石山、そして新潟駅まで45分かけて行き、さらに新潟駅からは新潟交通バスで10分かけてようやく試験会場へ。

雪が降る中、バス停から徒歩で会場の玄関に入ると、新大生から合格飴を貰いました。飴を受け取っている姿が大きく毎日新聞に載ったのでした。特段自慢するような話でなかったですね。すみません。

試験を終え、雪が舞う中、高校の友人Aと帰路につく。新潟駅で電車に乗り込み、向かい合わせに座りながら、「やれやれ、終わったね。やあ、疲れたね」と。電車は、越後石山に停車した。すると、友人Aが、「福井!あれ見ろよ」と駅のホームにある、今いる駅と上下方面の駅名を記した看板(←白い看板です)を指差したのです。

  にいがた←えちごいしやま→かめだ

「越後石山を中心に、上下方面の駅名を逆さに読むと、<たがいに・だめか>と読めるなあ」とA。
「なんか縁起が悪いなあ」と私。

ちょっと暗い気分に陥り、次の亀田駅、そして荻川駅に停車。今度は、私が気づいてしまった。

  かめだ←おぎかわ→にいつ

「おお、すげえー!<ついに・だめか>だってよ」と私。
「ああ、もう終わりだね」と友人A。

暗澹たる気分でAと別れ、帰宅。どっと疲弊感に襲われたことを今でも思い出します。

あの時、受験を諦めていたら、今はどうなっていたのでしょう。また別の人生が広がっていたのかもしれませんね。

つい先日、JRに移行した信越線に乗車し、新潟駅から加茂駅までの電車の旅を楽しみました。あの思い出の荻川駅に停車した時、なんと例の白い看板が変わっているのです!

  かめだ←おぎかわ→さつきの

期待していた<ついに・だめか>ではなく、<のきつさ・だめか>って意味のないフレーズに変わっているのです。荻川駅と新津駅の間に新駅「さつき野」ができてしまったので。ああ、残念!

時と立場が変われば、物事の見方が変わるもの。<ついに・だめか>を期待して、ノスタルジーに浸ろうとしたでのすが。新駅ができたおかげで、「センター試験」を受験する高校生には、無用なストレスを与えなくなったのですね。受験生は、とかく神経質になりがち。「さつき野」駅の存在は大きい!


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2 コメント

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今月、「ついに・だめか」を期待し、新潟に行った... (にわか青春18切符使い)
2013-09-22 21:51:27
今月、「ついに・だめか」を期待し、新潟に行ったのですが、新駅が出来ていて、ガッカリしました

30~35年位前にTVで「ついに・だめか」を見て、それ以来の念願だったのですが、新駅が出来るのは時代の流れ、地元の利便だからしかたないですね

私もノスタルジーに浸ろうとした者です
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にわか青春18切符使い さま (福井)
2013-09-23 16:20:18
にわか青春18切符使い さま

コメント、ありがとうございます。

今では新駅ができてしまい、「ついに だめか」が現存していなくて残念でしたね。

その時の友人AとBとは、その後同じ大学の同じサークルに入り、若き日の思い出をたくさん作りました。2年生の後期試験中、サークル仲間の女子学生が事故で他界するという悲しい出来事をも共有している仲間でした。卒業後、たがいに音信不通。数年前の高校の同窓会通信で、その友人が亡くなっていたことを知り愕然。

さてさて、今、大学1年生向けに「微生物学」の講義を担当しております。以前なら、60名余の学生ならば、すぐに全員の氏名を覚えることができたのですが、現在苦戦中です。若い頃の記憶は鮮明にかつリアルに蘇ってくるのに。
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