福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

極光

2023-12-02 00:53:27 | 研究室紹介
静岡県浜松で開催された日本微生物生態学会を終えて、帰路の電車の中でひっそりとさだまさしの「極光」を聴く。涙が止まらなくなる作品である。

さて、極地での野外調査は危険を伴う。もし事故が起きたとしても、救急車が来てはくれない。限られた人数で限られた物資で種々対応せねばならない。

2005年から2006年にかけて南境での野外調査を行ったことがあるが、野外行動に長けたフィールドアシスタントの方々には大変お世話になった。彼ら無くして、研究はなせない。

例えば、南極宗谷海岸ルンドボックスヘッタの丸湾大池。この湖は夏季でも湖表面が凍結している。しかし、融解が進み、氷厚が薄くなっている箇所も存在する。そこで、調査開始前にフィールドアシスタントが側線を確保し、湖氷状態を確認する。その安全性が確保されてから、調査が始まる。



スカルブスネスのとある湖。湖氷が完全に融解している。ボートでの湖底堆積物コアの採取にも、フィールドアシスタントは安全性を確保しながら、手際良く作業を進めてくれる。



調査を終え、テントに戻る。フィールドアシスタントは食事も作ってくれたりする。例えば、ニンニクチャーハンなどは肉体を酷使する極地での研究者にとっては活力が湧かせる逸品。その味が今でも忘れられない。



もう一度だけ南極で調査してみたいと思う今日この頃ではあるが、、、、。それは叶わぬ願い。