内容(「BOOK」データベースより)
廃航せまる青函連絡船の客室係を辞め、函館で刑務所看守の職を得た私の前に、あいつは現れた。少年の日、優等生の仮面の下で、残酷に私を苦しめ続けたあいつが。傷害罪で銀行員の将来を棒にふった受刑者となって。そして今、監視する私と監視されるあいつは、船舶訓練の実習に出るところだ。光を食べて黒々とうねる、生命体のような海へ…。海峡に揺らめく人生の暗流。芥川賞受賞。
きれいな文章・・・と、ひきこまれた。
あいつ、花井・・・ちょっと前に読んだ本「他人を攻撃せずにはいられない人」が過ぎった。
たまたま元受刑者の店にはいって、その受刑者が言ったのは・・・
「俺らは暫くお務めしたらあそこから出られるけれどもさ、おやっさん達は大変すよね、一生あそこから出られないんからねぇ」
船舶訓練の実習のくだりは圧巻
そう、何かが起きるんじゃないか?って・・・
あいつ、花井が出所時・・・やっぱり、わかっていたんだ。そうだったか・・・
知り合いの息子さんが刑務官になった。
公務員になりたいと言ったら、高校の先生に公務員なら何でも良いのか?って聞かれ、何と応えたのかは知らないけれど進学せずに刑務官になったんだって。
そんなことを思い出しながら今でも刑務官なのだろうか?と読んでいた。