ATARU CASE ０８

CASE ０８

『チョコザイの正体と目的！！』





アパートの一室で倒れていた男性が燃え始めた。


死亡した男性・日村は自殺と判断されそうだったが、

沢が解剖に回すよう言う。


「捨て山嫌いの蛯名の影響ですかね。」


嫌味を言う野崎。



医師の診察を受けたチョコザイは、

ラリーが目に入り車に乗り込む。

舞子が慌てて降ろそうとしたら、

一緒に乗るよう言われた。



「アタルのことをずっと捜していました。」


舞子は事情を教えてもらう。

チョコザイはFBI捜査官の候補生で今はSPBの訓練中だと。

刑事事件の捜査に必要なデータを記憶し、

更新されるたびにアップデートしてきた。

チョコザイには日本へのノスタルジアがあり、

トレーニングには邪魔になると今までは排除してきたが、

もしかしたら日本でトレーニングしたら

成果が出るかもと考え日本に来たよう。


「このままアタルと捜査を続けて下さい。

必要なら我々から正式に警視庁に依頼しても」


「それなら私は適任じゃありません。

私、もうすぐ警察を辞めるんで。」



沢は渥見に死体の状況を聞きに行く。

死亡推定時刻は火事の通報時刻と重なり、

死因は火傷死。

生活反応のある火傷だらけで、

刺し傷や骨折、不審な皮下出血はなし。



舞子はラリーに捜査する仕事が嫌になったのか聞かれた。

嫌なのは事件にならないと捜査出来ないこと。

たとえ捨て山でも納得が行くまで調べたいと舞子。


「それなら、アタルと一緒にSPBに来ませんか？

あなたとアタルがいれば、

この世から捨て山はなくなるかも。」



死亡した日村は実家の母に、

今抱えてる問題が解決したら久々に実家に帰ると言っていた。

紹介したい女性が出来たとも。



現場の写真を見たチョコザイ。


「目が真っ赤っかです。」



沢は犬飼のところへ行く。

渥見が言う通り話し方が変わっていた犬飼。

拉致られて何か洗脳されてしまったよう。

そこへ舞子とチョコザイが来て、

チョコザイを見た犬飼が驚いた。


「猪口・・・在」


拉致された時に見たパスポートの記憶が・・・


「なんで知ってるんです？」


「誰だよ。」


「チョコザイくんの本名です。」


「本名？」



舞子はラリーのことを沢に話す。

沢は何かを感じ、ラリーに会いに行った。

犬飼のことを聞くが知らないと言われてしまう。


「警察で話を聞かせてもらいましょう。」


「容疑はなんです？

ここは日本の治外封建ですよ。」


「犬飼の変貌には、きっとここの人間が関係してます。」


チョコザイのパスポートを見せる沢。


「何故あなたがそれを？」


「私はチョコ・・・アタルくんの身元引受人です。」


「身元が分かった以上、その保護は解除されるはずです。」


「チョコ・・・アタルくんは今までパスポートを持ってませんでした。

つまり、これはここアメリカ大使館にあったんです。

犬飼はこれをここで見た。

ラリーさん、あなた犬飼に何をしたんだ。」


「意味が分かりません。」


「白状するまでアタルくんの保護は解除しません。」


「それは違法行為ではありませんか？」


「あなたがアタルくんを使って

何をしようとしてるのかは知りませんが、

この日本で勝手なマネはさせません。」



ラリーはチョコザイの肉親じゃないと舞子に言う沢。

チョコザイの保護は解除しない。

チョコザイの両親に確認を取ってからだと。

ラリーに聞くと言う舞子に、

ヤツは信用出来ないと沢。

パスポートの情報があれば家族はすぐ見つかると。



一方、事件は日村と宅配の人がもめていたとの証言が。

宅配業者を訪ね、川久保を参考人として連れて来た。

なんと川久保は特殊能力を持っていて、

急に電球が壊れた。

興奮するとよくこうなると言う川久保。

放電ストラップをつけていた。



川久保の家へ行ってみると、

電化製品の全てが絶縁体で覆われていた。

囲ってないと誤作動すると。

両親にはその力はないらしい。

母親は障害と言い、父親は体質だと。


「体質なら診てくれる病院があったっていいじゃない！！

なんで誰も助けてくれないんだと、お父さんだって・・・」



舞子の家で川久保の話しになった。


「病気や体質なら医者に診てもらえないのは不公平だよ。

障害なら専門家のバックアップが必要だけどそれすらない。

やっぱり不公平だ。」


「能力にはなんないのかな？

チョコくんみたいに。」


真っ赤な目が気になってるチョコザイに、

火の熱による充血かそれ以外の原因かは

鑑別不能だと舞子が教える。


「骸骨の赤いとこ」



ラリーについて調べる沢。

シンクロナイズドスイミング刑事の

警察監修をやっていることが分かった。


「ホントにそれだけなのか？」



骸骨の赤いとこを調べて欲しいと渥見に頼む舞子。

脳血管の拡張は火災の熱による可能性が高いと

解剖所見にあるが、

頭蓋骨の毛細血管だけは火災の熱ではうっ血しないらしい。


司法解剖ではそんなことは調べないから、

調べさせて欲しいと中津川に頼む舞子。


「これまでも君は勝手に捨て山に登って来ました。

そして犯人を掘り出してきた。

遺体は今日火葬して返す予定だ。

すぐ遺族を説得しろ。」



遺体を調べた結果、頭蓋骨の毛細血管にうっ血があり、

誰かに首を絞められた可能性が高いことが判明。

けど死因は頚部圧迫による窒息死ではなく火傷死。

でもその前に首を絞められて気絶した可能性が高いと。



被害者の携帯履歴から恋人と友人が浮かぶ。


被害者の部屋に来ていたチョコザイは、

浴室のカビを指差し呟く。


「クラドスポリウム、アルテルナリア」


両方共お風呂場でよく見る黒カビのこと。


「クラドスポリウム、アルテルナリア。 違います。」


「違います？」


「同じ黒カビでも違う種類だってことじゃないですか？」


「それがなんだ。」


「私に聞かれても・・・」



日村の恋人に話を聞くと、

日村は友達にお金を貸していたと。

友人に話を聞くと、

貸したのは自分だと反対のことを言った。



また部屋へ。


「カラカラ、カラカラです。」


エアコンのリモコンが28度設定になっていた。

しかも暖房。

節約していたのにエアコン代は節約しなかったのか・・・



犯人は日村を殺した後、28度設定の暖房を

タイマー機能を使い3時間稼動させていた。

計算すると部屋の湿度は１０％切っていた。

なんのために？


「バチバチ、バチバチ」


出火点を見て呟くチョコザイ。


「そうか・・・

ここには灯油が撒かれていたのね。 あちこちに。

湿度１０％以下だとすれば、撒かれた灯油からは

大量の気化ガスが発生して充満してたはずなのね。

カラカラだったから灯油が気化して、

それで電気がバチバチっとなれば燃えるのね。」


「でも、首を絞められたんだから事故じゃないですよね？」


「誰も事故なんて言ってないのね。

灯油のガスを発生させて人工的にスパーク出来れば、

れっきとした殺人なのね。」


川久保に疑いの目が・・・



沢が川久保の職場へ行くと、

川久保がクビと言われていた。

また職場をクビになってしまった川久保。



チョコザイが携帯の写真を手にする。

携帯のトリックに気づき、

日村の友人を再び事情聴取する。


「携帯は着信すると微量だけど

内部で電流がスパークします。

灯油が気化したガスで充満したこの中で、

電流がスパークしたら火災が起きます。

その携帯はきっとここにあったんですよ。

でも消化の水で流されたため、

その推理に至るまでに時間がかかりました。

つまり、最後に日村さんに電話した人間が犯人です。

それはあなたでしたね？ 伊藤さん。」


借金の催促だと言う伊藤に、

催促なら普通多く残ってるのは着信だと。

けど日村から伊藤にかけた電話の方が多かった。


「どっちが貸してたかなんて関係あるんですか？」


「ありますね。 動機になりますから。」


それでも食い下がる伊藤。

怪しいってだけで逮捕出来るのかと。


「勿論、逮捕は出来ませんが

家宅捜査令状を取るには充分です。

あなたの家の風呂場で黒カビを採取しました。」


伊藤の風呂場のカビと日村の風呂場にあったカビの

DNAが同じだったことが分かった。

伊藤は風呂場に灯油入りポリ容器を置いていたようで、

その容器についていた黒カビが、

日村の風呂場へついたらしい。


伊藤が白状する。

日村が突然金を全額返せと、

もう二度と貸さないと言い出したから首を絞めた。

締めた痕を隠すため火をつけようと、

家へ戻り灯油を持って来たよう。

そして暖房をセットし電話をかけて発火させた。



警察へ連れて行かれる伊藤。

チョコザイが涙を流しながら倒れた。

強く握り締めた手の平からは血が・・・



チョコザイを病院へ運んだようで、

昇が説明に来た。

チョコザイは眠ってるのではなく失神したのだと。

睡眠と失神は違うと説明。


「失神って、脳の血流が

突然遮断されて起こる意識障害だけど、

チョコザイさんの場合」


「原因は、ストレスじゃないか？」


「ストレス？」


「チョコザイくんの手の平見たろ？」


「事件を解決する・・・ストレス。」


「分からないけど可能性はあるかも。」


「終わりにした方がいいかもな。

チョコザイくんの力、捜査に使うの。」



沢は川久保にホットドッグに屋台の仕事を紹介。

炭火焼きだし電気も使ってないからと。


「ありがとうございます。」


「まあ・・・罪滅ぼしっていうか。」


「自分のために動いてくれる人がいる。

それだけで自分の世界って変わるんですね。」


川久保は早速研修することに。


「彼が持ってるものは能力なのか、

体質なのか、それとも障害なのか。

なんなんだろうな。」


チョコザイの家が分かったと舞子に言う沢。


「仲蒲田ですよね？」


「いや、八王子だ。」





川久保が犯人じゃなくて良かった。


可哀想すぎるもん。


犬飼はおかしくなっちゃったね・・・


何をしたんだか。


犬飼までシンクロ刑事見るようになっちゃった。


あのシンクロの渦巻き？が関係あるっぽい？


沢が言うようにラリーは信用出来ないね。


チョコザイを訓練してるだけならまぁ・・・って思ったけど、


犬飼に何をやったかによってはちょっと神経疑うよね。





CASE ０１　CASE ０２　CASE ０３　CASE ０４　CASE ０５

CASE ０６　CASE ０７