8月10日。北海道亀田郡椴法華村。(平成16年12月函館市に吸収合併・人口約1,300人)午後8時から花火大会が、港の先端で打ち上げられた。
合併して3年を迎えるが、人口の減少は止まない。
出生率が死亡率を下回る、いわゆる、自然滅と言う状態が続いているからだ。
村は両端に岬が突き出ていて、U字型の地形をしている。その一方の岬の先端から花火が打ち上げられるので、村中の家の前から花火を見ることが出来る。左側には広大な太平洋が広がり、沖合いには10数隻の烏賊釣り漁船が、仕事をしている。
漁火もマチの灯りも随分寂しくなった。それに比べ花火の美しさと豪華さは、それらの沈滞ムードを打ち消すようなエールにも思えた。
約40分の花火は、村人の心の中に、何らかのメッセージを残したに違いない。
終了後しばらくの間、会場から引き返す車で、騒々しかったが、やがて村は、静寂の闇の中にすっぽりと包まれた。
海岸線の外灯は道なりに一直線に並び、それに民家の灯りが疎らに点在している。闇の中から聞こえる音と言えば、静かに繰り返す波の音だけ。
小さくても自然環境に溢れ、128年間に渡り先人達が築き上げて来た村が、財政難の責任の所在すら明らかにせず、30万都市に吸収合併された。私にとって大海に放り出された、一艘の小舟のような気がした、花火大会の夜だった。
合併して3年を迎えるが、人口の減少は止まない。
出生率が死亡率を下回る、いわゆる、自然滅と言う状態が続いているからだ。
村は両端に岬が突き出ていて、U字型の地形をしている。その一方の岬の先端から花火が打ち上げられるので、村中の家の前から花火を見ることが出来る。左側には広大な太平洋が広がり、沖合いには10数隻の烏賊釣り漁船が、仕事をしている。
漁火もマチの灯りも随分寂しくなった。それに比べ花火の美しさと豪華さは、それらの沈滞ムードを打ち消すようなエールにも思えた。
約40分の花火は、村人の心の中に、何らかのメッセージを残したに違いない。
終了後しばらくの間、会場から引き返す車で、騒々しかったが、やがて村は、静寂の闇の中にすっぽりと包まれた。
海岸線の外灯は道なりに一直線に並び、それに民家の灯りが疎らに点在している。闇の中から聞こえる音と言えば、静かに繰り返す波の音だけ。
小さくても自然環境に溢れ、128年間に渡り先人達が築き上げて来た村が、財政難の責任の所在すら明らかにせず、30万都市に吸収合併された。私にとって大海に放り出された、一艘の小舟のような気がした、花火大会の夜だった。