函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

白い恋人」と北海道

2007年08月17日 16時46分52秒 | えいこう語る
北海道に住んでいても、札幌に行くとお土産に買って来る。
コンパクトで10個ぐらい買っても、手提げ袋一つで済むサイズだ。
誰にプレゼントしても喜ばれ、それに美味しい。北国の清潔な雪のイメージが品名に含まれていて、それが北海道を代表する商品になっている。
その石屋製菓が賞味期限を改竄したということで、道民の驚きも大きい。
この会社はサッカーのコンサドーレの大スポンサーでもあり、社長は、歴代の知事とよくテレビに出ては、北海道応援団長的存在の人であった。
北海道は沖縄と共に、開発局があり、土地の広さゆえ、インフラの整備や、農林水産業の補助金など、国に対する依存体質が強いところだ。
1983年、北海道の真の自立をめざし、本来の開拓精神を取り戻そうと提唱した、革新道政がスタートした。その呼びかけに道民も企業も一斉に立ち上がった。Sビール会社をはじめ、石屋製菓もその中にいた。
道民が一丸となって新しい北海道づくりに目覚めた時代だった。
革新道政から始まった、この北海道活性化運動(一村一品運動)が、やがて政治路線が曖昧になるH知事に引き継がれ、現在の自民党道政に変わっていく20数年間で、運動の基本精神にも企業家精神が、徐々に頭を持ち上げて来たとしても不思議な事ではない。
当時、北海道を活性化するのに、「官民報」が一帯となって協力することが相乗効果を生むと言われた。
行政の組織力と民間の発想と行動、それを支える報道機関の役割がコミットすれば、マチの停滞ムードが払拭されるのも、私も体験している。
しかし役人と言うのは、それをシステム化し効率をはかり成果を強調する。
大分県と北海道は、一村一品運動の先駆けをした。その悪い面を見たような「白い恋人」問題を考えながら、新任の知事が就任以来、テレビを賑わしている宮崎県のことを心配する事がある。
個性的で行動力とアイディアのある知事が、県をアピールするには良いが、それに乗じて、役人や生産業者、観光業者のモラルの低下をするのを心配している。
北海道物産展は全国的にも人気であるが、参加している業者は、地元に事務所だけを置き、商品だけを扱う道外業者が多いのも最近判明した。
宮崎産マンゴウ-が、一個1万円を超え喜んでいるが、夕張メロンと偽り、よそで採れた物を販売している実態を見れば、手放しでは喜べないような気がする。
「白い恋人」問題も地元のマスコミ報道も、ありきたりの企業倫理問題としてしか扱っていないが、「政官業」の関連性に踏み込まなければならない問題だと思う。
あらゆる組織のあり方が、複雑に入り込んでいる今、「バレなければ良い」と言う精神が様々な分野で、根強くはびこっている。また組織が大きくなると、罪の意識もそれなりに拡散してしまう。
新聞記者から聞いた事があるが、購読者が減少するような記事は、上司がもみ消すと言っていた。住民も地域のことを悪く書かれると、新聞不買の声があがったりする。自分たちにとっては不都合な事でも、真摯に受け止める気持ちが無いと、報道する側も住民側にも、真実を見る目が何時までも養われないのではないだろうか。
ともあれ、この問題一企業の問題でなく、北海道全体の問題であると思う。
特に長く行政に携わり歴史を掌握している、自治労組織が検証すべき問題だと思うが、お得意の「自己批判」などと言うのも、死語であるような実態であれば、北海道は何時までも図体ばかりがでっかくて、中身がないといわれてもしょうがない。