函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

老人の死について考える

2007年08月22日 10時24分08秒 | えいこう語る
過疎化・高齢化・少子化は地域問題の最重要課題である。
地域も老夫婦や独居老人家庭が増えている。福祉関係の先生から聞いた話だが、老人の「性の問題」も、表面には語られていないが、複雑なものがあるらしい。
福祉関係は比較的若い人たちが仕事をしているが、住宅訪問などは、年配のおばさんをアルバイトで使った方が、上手にあしらえるのだと、永くその仕事に従事していた女性が話していたし、昔し話をして思い出を引き出してやるのも、介護の大切な仕事だと話していた。
「看護の秘訣とは、患者に不安を与えない事だ」と言った、ある医者の講義が何時も心の片隅に残っている。ホスピタリティーとは、そんなことを言うのだろう。
私も入院生活を何度か経験しているが、術後、看護婦さんとの優しい会話が何よりの良薬である。
随分前だが、新聞で読んだある医者のコラムに,涙した事がある。
北海道内の小さな町の診療所(自治体が建設し、補助している地域医療所)の事である。
或る日、年老いた男性の患者が先生に相談に来た。
隣の病室にいるAは私の幼馴染で、学校も同じに入り、戦争も同じ部隊で生き延びてきた。帰郷してからもずっと仲良しで、病院までも一緒になった。癌で、もう命がないと聞いている。最後にあいつと一緒の酒を飲みたいんだけど、先生、許可してくれないかと、頼んできたそうである。
先生は、消灯してから、静かに行っても良いと言ったそうです。
酒は飲むことは出来なかったが、その患者は翌朝死んだそうです。
医者と患者の心の通い合い。それに友情がにじみ出たこの話は、この頃の殺伐とした事件が続く中で、時々思い出す、忘れられない新聞の切抜きである。