▼オリンピックの各種競技場の建設や豊洲問題、大きなプロジェクトには巨大な費用がかかる。建設途中で、費用が足りなくなっても、必要性のみが重要視され、費用は半ば無制限に容認されるようだ。そこに不正が発覚しても、それは一部分として処理され、既に使用した金額が巨大であるため、白紙に戻すなどというのは常識でないという気分が蔓延する。我が民族は、清廉潔白でお金のことに厳しい方だと思っているが、実は自分に負担がかからなければ「人のカネ」という、いい加減な気分も持ち合わせている民族のようだ。
▼高速増殖炉「もんじゅ」。溢れる核のゴミを処理し、新たな燃料を生み出す夢の原子炉として稼働したが、22年間で発電した日はたったの44日だという。後は事故で、修復不可能だ。停止しても、1年に200億円がかかり、今まで1兆円も使ったそうだ。無駄遣いに意外とむとんちゃくな国も、再稼働には5000億円以上、廃炉でも3000億円以上という試算で、やっと廃炉へと舵を切ったようだ。この失敗も誰が責任を取るかということでもない。我が国を動かすようなキーマンは、責任を取らなくてもいいような仕組みになっているようだ。
▼さて、国会はなにをしているかというと、菅官房長官や稲田防衛相が、相手に支払った金額の領収書を、金額を記載しない白紙の領収書をもらい、勝手に金額を書き込み報告するという、時代劇の悪代官のような処理をしていたというのが発覚した。それに対し「以前から行われていたこと」とか「法律に規定がないから違法ではない」などという答弁だ。各学校での小学生裁判にかけても、常識外という判定は免れない。大臣クラスでこんな状態なのだから、一般議員などは上がやっていることなら、自分たちもというたぐいだろう。
▼国会議員でもそうなのだから、富山市議会などは例外ではなく、全国各地で常態化しているのだろう。富山市民から直接聞いたが、富山市議の給与は月60万だったが、隣の金沢市議会が70万だったので、10万円アップを提出したという。そこで新聞社の女性記者が取材に出向いたら、痛いところを疲れたのか、議員が女性記者を突き飛ばしたという。謝ればいいものを、謝らなかったので、新聞社が徹底調査をしたら、政務活動費の金額の改竄などが、次々発覚したという状況だ。女性蔑視の風潮が強い土地柄なのだろうか。
▼私の大好きな富山名産「鱒寿司」の売上が、この一件で落ち込んではいないかと尋ねると、「鱒寿司」は好調ですと返ってきたので、安堵している。富山県は昔から薬の全国販売で有名な土地柄だ。地元議員が市民のために誠実に仕事ができるような、良薬を作ってほしいものだ。市議会で質問に立つ議員は、壇上で立山連峰から湧き出る聖水と一緒に、その薬を飲んでから発言してほしいものだ。
▼さて、我が函館市議会だ。政務活動費の使用は、全国でも最も使用されていないという、優良市議会のようだ。活動費に関しては情報公開を徹底しているようだ。市民オンブズマンのO氏が、随分活躍してくれたのも大きな理由らしい。O氏は最近亡くなられたが、その活動振りは、不正のない函館市議という名誉を残したようだ。だが、市民からは、活動費も使わないということは、十分な仕事をしているのだろうかという疑問の声もある。
▼不正のない函館市議というイメージは歓迎するが、戦争法案と言われる「安保関連法」に賛成する議員が半数以上いるというのが、今の函館市議会の現状だ。真面目な市議会なら、安保関連法が市民の安全・安心につながるのか、憲法改正が果たしていいのか悪いのかなども、市民に十分な説明をしてほしいものである。常識とはどの範囲なのか、境目が曖昧になってきてい