「白い恋人」と「北空港」

賞味期限切れの問題を起こした、石屋製菓の「白い恋人」が再販売されると、品切れが起きるくらいの大人気である。
コンパクトで、たくさん買っても荷物にならないこの製品は、お土産と言う商品の中で、ネーミングと言い、味と言い、北海道を代表する一品だと、誰もが思っていたに違いないからだ。
今までにお土産として渡しても、貰った方誰もが喜ぶし、あれこれとお土産選びに頭を悩ます事がないのが「白い恋人」の、最も優れた持ち味である。
そんなだけに今回の事件は日本中のフアンの期待を裏切った事ばかりでなく、北海道自体のイメージも損なわれた感じがあった。
しかし「白い恋人」の復帰を温かく見守るフアンがたくさん居た。大勢の旅行者がお土産を買う千歳空港の売店では、押し合うように買い求め、たちまち売り切れになったと報道されていた。これからも「白い恋人」をますます応援する人が増えるに違いない。
罪を憎んでも「白い恋人」は憎まずと言うのがフアンの心情である。

その千歳空港のターミナルには、つい最近覚醒剤で逮捕された桂銀淑のヒット曲「北空港」の歌碑がある。空港のイメージを損なったと言うので、早くも桂さんの名前を削除してしまったと言う、記事が新聞に出た。
“ちょっと待った”
今まで北海道のイメージ作りに貢献していた桂さんに、あまりにも冷たい仕打ちではないだろうか。これまでの実績に対する思いやりというものが欠けてはいやしないだろうか。
桂さんの１日も早い復帰を願い、復帰最初のコンサートを、千歳空港の中で開催させてあげるぐらいの配慮というものが、あってもいいのではないだろうか、と桂さんと札幌を大好きな私は、朝から血圧が上昇する。
「白い恋人」に自分の好きな人を思い出してみたり、これから出会うかもしれない恋人をイメージさせている人も多かったと思う。
私にとっての「白い恋人」は「北空港」を歌う、少し淋しげな顔をのぞかせる桂銀淑さんである。
国際航空である千歳空港は、旅する者に両手を大きく広げ、国内ばかりではなく世界の人たちをあたたかく受け止める北の玄関口である。その使命を持った空港がこのような慈悲のない行いをすべきではない。
この歌詞の中には、
♪涙を捨てて過去さえ捨てて、愛が飛び立つ北空港♪とあるではないか。
桂さんの復帰を願うのが、これからも多くの旅人に愛される「北海道の玄関、北の空港」の真の姿ではないだろうか。
待ち焦がれている多くのフアンの為、早く元気な歌を聞かせてほしいものです。