犬も淋しがる灯油高

寒さが身を刺す北海道であるが、灯油の価格が高騰し、懐にも寒さが忍び込ん
できた。
北海道の灯油価格動向に大きな影響力を持つ「コープさっぽろ」が、１２月１日から１リッター当り１７円の値上げを決めた。値上げ前に補充する家庭が多くなり、近所のスタンドのタンクローリーが、朝から真っ暗になるまで走りっぱなしである。
我家でも、妻がスタンドに電話するのに「忙しい所申し訳ありませんけど」なんて、恐縮しながら掛けている。
スタンドの奥さんも、主人が灯油の配達で疲れきっているし、なぜこんなに値を上げるのか、政府はいったい何をしているのだと妻に嘆いていたそうである。
スタンドに行ってみた。大型のタンクローリーがスタンドの地下タンクに補充をしていたので運転手に聞くと、休みなく走っていてもう体力も限界だと話していた。「居眠り運転、気をつけてよ」と声かけると、力なく笑っていた。
スタンドには社長も奥さんも配達に出かけているといい、女性従業員が一人と、奥さんの愛犬が一匹いた。
私が椅子に腰掛けると、犬が私の足に顔を摺り寄せてくる。何時もより私の目を見つめている感じがする。やがて犬は私の前に仰向けになった。
従業員に、今日は何時もと犬の様子が違うねと言うと、その仕草はお腹をさすってって欲しいと言う合図なんですよと言う。
みんながスタンドに居ないので淋しがって、川口さんに甘えているのだとも言う。
仕方がないのでお腹をさすってやると、実に気持いいらしく顔には恍惚感さえ漂っている。
灯油高で嘆いているのは販売店と消費者だけだと思っていたら、犬までがその犠牲になっていたんだね、と女性従業員と笑ってしまった。
値上げはまだ続くと言うし、昨年より燃料費が一冬で４万円強の出費になるらしい。
寒さも凌げないような生活を強いる日本の政治は、どうなってしまったのだろう、と犬のあたたかいお腹をさすりながら考えてしまった。
家に帰りTVを見ると、朝青龍と亀田興毅が同じ様なあったかそうな毛皮を着て、なんだかわけのわからないことを話している。
その後のニュースがさらに寒さにトドメを刺した。
「額賀氏の証人喚問、民主党が見送る」・・・・・・・・・・・・・？？？？？
「これって、灯油う意味？？」と、冴えない駄洒落をつぶやいている、１１月末日の私だった。