夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

デヴィッド・シルヴィアン『ウェザー・ボックス』

2013-01-29 23:44:30 | JAPANの思い出・洋楽


先日のマーク・アイシャムの話題から、デヴィッド・シルヴィアンのソロ活動(初期)を思い出し、そういえば、持っていたっけと引っ張り出してきた。1989年に発売された、デヴィッドの5枚組CDボックス。この品については、
「80's UK New Wave」(http://blog.livedoor.jp/uknw80/archives/51284594.html)
というブログに紹介されているので、詳細はそちらに譲り(筆者がどなたか存じ上げぬが、懇切丁寧なレビューですばらしい)、簡単な説明のみ施すことにする。

“weather box”を辞書で調べたら、「おもちゃの晴雨自動表示器。家の形をしていて湿度の変化に応じて人形が出入りする」とあった。
タイトル同様、このCDセットも趣味よく遊び心に溢れた作りである。方形の箱を閉じている蓋を開けると、金泥の文様を施した蒔絵(まきえ)のようなCDが現れる。まるで、華麗に装飾された和本を収めた昔の書物箪笥のようだ。



5枚のCDは、デヴィッドのソロ転向後の最初の3つのアルバムから、
『ブリリアント・ツリーズ』(1984年) DISK-1
『ゴーン・トゥ・アース』(1986年)ボーカル編がDISK-3、インストゥルメンタル編がDISK-4
『シークレッツ・オブ・ザ・ビーハイブ』(1987年) DISK-5

また、当初はカセットのみで発売されたインスト作品の、
『錬金術』(1985年) DISK-2 
から成る。

1989年当時、ファンは『錬金術』を除き、これらの作品はすでにCDで手に入れていたであろうから、音楽的な興味よりコレクターズ・ボックスのような感覚で買ったのではないかと思う。



歌詞ブックも写真のように、開くと表紙の裏に雨だれが浮き上がっていて、目だけでなく手で触っても楽しめる。また、裏表紙の方には、煙草を押しつけて焼け焦げた穴が開いているなど、非常にアートな作りになっていた。解説で立川直樹氏が言っているが、
「飽きがこないばかりか、美の迷宮の深みへと誘われて幸福な夢遊病者になってしまう“魔法の箱”」
という感じがする品だ。

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2 コメント

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名作 (風の靴)
2013-01-30 11:16:22
うわ~ッなんと!!ちかさださんは、これをお持ちでいらしたのですね!!
ファンなら、こちらのBOXはかなり垂涎物かと・・・(笑)

言ってみれば・・・
「デイヴィッド・シルヴィアンとは一体なんぞや」(笑)
といった真に彼の原点、80年代の彼の集大成的作品群だと思います。 

このセットは入手し難い事から、一時期は非常に値が高騰しておりました。
(一時*?万円で落札された様な話しも聞きましたので・・・)

ちかさださんがおっしゃる様に、ただ曲を収めただけの単にアルバムセットと言ったモノではなく・・・

パッケージのデザインや構成、付属品に至るまで、彼特有の審美眼と、美意識を感じさせる非常にアート性が高い作品だと思います。

デヴィッド・シルヴィアンのファンなら、大変な価値ある「名品」でありますので・・・
どうぞ大事になさって下さい。

ちかさださん、ありがとうございました。


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風の靴さんへ (ちかさだ)
2013-02-03 22:50:42
コメントありがとうございます。
おっしゃるように、デヴィッドのソロ活動は、最初の3枚のアルバムですでに頂点を極めた感がありますので、このBOXは彼の記念碑的な作品だと思います。

お言葉に感謝し、大切な宝物といたします。
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