夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

ジャパン1981年7月ライヴCD

2013-10-05 23:43:56 | JAPANの思い出・洋楽

オンラインショップで購入。
伝説のブリティシュ・ニュー・ウェイブ・バンド“ジャパン” 
1981年、ロンドン・ハマースミス・オデオンでのライブを高音質サウンドボード音源で収録したタイトルが登場!
本タイトルは、1970年代中期から80年代に特に日本で絶大なる人気を誇った”ジャパン”の1981年、ロンドン・ハマースミス・オデオンでのライブを収録した貴重なタイトルです!
それまでのブラック・ミュージック、グラム・ロックをベースにした荒削りなポスト・パンク・ロック路線を脱却し、シンセ・サウンドを前面に押し出したポップでシニカルなバンドへと変貌を遂げた時期のライブだけに、その後の成功もうなずけるパーフェクトなライブを展開しております!
昨年、この世を去った”ミック・カーン”のうねるようなフレットレス・ベースの音がいつまでも耳から離れない感動のタイトルです!!
という謳い文句が書いてあったので、一も二もなく買い求めてしまった。
ジャパンの5thアルバム『錻力の太鼓』のジャケットを表裏ともそのままパクッたパッケージはどうかと思うが…。

収録曲は、以下の通り。

01 Swing
02 Gentlemen Take Polaroids
03 Alien
04 ...Rhodesia
05 Quiet Life
06 My New Career
07 Taking Islands In Aflica
08 Methods Of Dance
09 Ain't That Peculiar
10 Halloween
(Encore)
11 European Son

前年(1980年)に発表された4thアルバム『孤独な影』から6曲と演奏曲の過半数を占め、ニューウェイヴ・バンドとして面目を一新したライヴになっている印象を受ける。
ギターのロブ・ディーンはこの年2月の日本公演の後で脱退しているのだが、5月からのイギリス公演ではゲスト参加。したがって、彼の最後の演奏が聴けるライヴCDでもあるということになる。

『孤独な影』とは、曲順の入れ替わった形の1.「スウィング」2.「孤独な影」では、バンドの音楽性が成長するにつれて、ロブのギタリストとしての役割が低下したことがはっきりとわかり、ほとんど装飾的なフレーズだけ弾いているのがなんだか気の毒になる…。


04「熱きローデシア」を除き、初期ジャパンのようなハードなギターワークの曲はほぼ影を潜めている。(この曲にしても、テンポを速め、オリジナルより洗練されたアレンジになっている。)
シンセサイザーを全面に押し出し、独特のリズムにも支えられながら、デヴィッドの低く粘りのあるボーカルが絡みつくような耽美的なサウンド。
しかし、電子音が野暮ったく感じられるところも含めて、新鮮さも多分に感じられ、…なによりも、デヴィッドの声が若々しい!
まだ翌年の解散ツアーのときほど歌唱法が熟成していないのが、逆に魅力に感じられる。

レコードの音を、ステージ上でかなり忠実に再現していることにも驚かされるが、これには前作『クワイエット・ライフ』からジャパンのプロデューサーとなり、ライヴでもPAエンジニアを担当したジョン・パンターの貢献によるところが大きいそうだ。
07「アイランズ・イン・アフリカ」(デヴィッドと坂本龍一の共作)のような、キーボードパートの多い曲までライヴで演奏しているのもすごいと思うが、もともとこの曲のドラムとベースはエレクロニックで、そのフレーズをなぞるように演奏するのをミックは拒み、他のメンバーからもリハーサルでは不満の声が上がっていたという。(もちろん、デヴィッドがこの曲をセットリストに入れるのにこだわり、強行したのだという事情が『ミック・カーン自伝』に書かれている。)

私としては、このライヴCDの中では3.「エイリアン」がいちばん好きだ。
10「ハロウィーン」は、シーケンサーの音が耳障りに感じ、元の曲の方がかっこよかったと思ってしまう。
アンコールの11「ヨーロピアン・サン」は、私がこれまでに聴いたどのヴァージョンとも違っており、この曲はどれだけアレンジを変えて歌い続けられたのかと感慨を覚える。

気になる音質も、30年も前の演奏と思えないくらいによく、十二分に鑑賞に堪えるものだった。
今回は、ほぼ同時期の別のライヴCDと共に購入したのだが、そちらについてはまた後日紹介したい。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
JAPANそしてロブ (風の靴)
2013-10-09 11:54:40
こんにちは!!!

「エイリアン」は私も大好きです。

この曲が収録されている「QUIET LIFE」は当時かなり聴き込みました(笑)

冒頭の曲「クワイエット・ライフ」は 一説によるとサイモン・ネピア・ベルを語り部としたバンドとマネージャーとの危機対策会議を描写しているのではと言った見方も・・・

当時の本国での冷遇・・・そして彼らはアメリカで契約も失った,・・・
そのうえイギリスでのヒットも望めないJAPANに対するアリオラからのプレッシャー圧力も相当なものだったでしょう・・・

全く救いようのない状況・・・

このアルバム『QUIET LIFE』は苦悩・・・若さゆえの屈折・・・そしてアルバム全体に漂うJAPAN特有のデカダントな雰囲気と言い・・・実に彼等らしい・・・

ある意味私は「ブリキ・・・」より好きです(笑)

そして!この度ちかさださんが紹介されているこちらの1981年「ロンドン・ハマースミス・オデオン」でのライヴ!!!

この時期になって漸く彼らの「真価」が認められたと申しましょうか・・・
それまでの本国イギリスでの悪評、酷評?(苦笑)とは打って変わって・・・
(JAPANへの風当たりは本当に強かった・・・)

周りが本当に彼らに好意的な中で行われたライブだった事もあってか、彼らの演奏自体も自信と充実を感じさせるものですよね。

ヴァージン移籍後は「孤独な影」をリリース(シルヴィアンは短時間で書き上げなければならず大変だったと・・・笑)

その後彼等はアノ傑作!とも言うべき「ブリキの太鼓」を発表!!!・・・

これを以ってJAPANはその人気を不動のものとしたのですよね。(凄い)

シングル「ジ・アート・オブ・パーティー」は全英23位!
ジャパン初のベスト30位入り・・・

「GHOSTS」はなんと!5位ですよ5位!(笑)
よくアノ曲が5位になったな~

もうこの時期は人気も評価も鰻上りと言った感じでした(笑)

ところで今回ちかさださんが話題にされている、「アイランズ・イン・アフリカ」もうこれは坂本教授とシルヴィアンとの初共演と言った事でも話題になりました!!!

なんの因果か(笑)
当時「孤独な影」を彼らがレコーディングしていたスタジオで偶然にも隣あわせでレコーディングしていた(キョージュ)こと坂本龍一様・・・

早くもデヴィッドと意気投合し氏(教授)がその場で速攻で書き上げたと言う「アイランズ・イン・アフリカ」・・・

リストに入ったことからも二人の思い入れの強さが伺えます・・・(笑)

この辺りからデヴィッドはドップリと坂本教授に傾倒して行くのですよね・・・(笑)

次第にシルヴィアンはアート色も強くなって行った・・・(これは立川直樹氏の影響も大の模様・・・)

音楽的好みにおいてもメンバー同士ズレが生じて行った・・・今回ちかさださんが触れていらっしゃるロブの脱退も成るべくしてなった・・・のでしょうね…

もう途中から「JAPAN」はある意味(ロックバンド)では無くなっていきましたから・・・

デヴィッドは・・・当時インタヴューで・・・

「孤独な影とクワイエット・ライフではロブを押さえつけることになってしまったんだ。

自分にはギターはこうあるべきだといったアイデアがあって・・・彼にその通りに演奏して欲しかった。

それには時間がかかってしまったよ。

彼(ロブ)がやりたい方向と違う所に僕が向かわせようとしたから・・・
それが極限まできてしまったのが・・・孤独な影だ。

後で考えて僕はファアである為に、彼(ロブ)にバンドで用事が無い時は他の人と一緒にやってもいいよとアイデアを出した・・・

「僕たちが必要とする時にはまた一緒にやろうね」といった話しをした・・・

そしたら彼はこのアイデアを気にいってくれたよ。
今どれだけ彼が音楽に興味があるかは分らない

勿論根っこの部分では好きだと思うけど、今では写真の方に興味が沸いているんじゃないかな・・・

今後、彼が他のバンドに加入したり、結成する気がないことはわかっている」と・・・

今思えばシルヴィアンは興味深い発言をしています。

(確かにその後、ロブはアメリカのバンドに加入はしたものの、現在は野鳥のイラストレーターである・・・彼は昔から絵が上手だった・・・)

(解釈によっては勝手な言い草ような気もしなくも無いが・・・苦笑)
後にデビは(アイデアの中でギターはもういらないと言うのが僕の考えだった)と・・・

『孤独な影』・・・
(従って彼の出番はアルバムの中で4曲のみ)・・・

長くなりましたのでこの辺で止めときます(笑)

ちかさださん!!!ありがとうございました!(笑)

10月に入ったとは言え台風の影響からかまだまだ暑い日が続いておりますね。

気温の変動が激しい様でございます・・・

お仕事も方も多忙を極めていらっしゃる事と思いますが、ちかさださんどうぞくれぐれもお身体には御留意下さいね。(笑)


返信する
風の靴さんへ (ちかさだ)
2013-10-10 23:11:42
コメントありがとうございます。
確かに、このCDを聴いていたら、ロブの脱退は必然だったというのがよくわかります。
充実した感じで弾いているのは「ローデシア」くらいで、あとは非常に出番が少ない…。
『孤独な影』のレコーディング時に、デヴィッドが巧妙にロブをセッションから外していたこと、デヴィッドのイニシアティヴが強くなったバンドと自分との音楽性の違い、もはやジャパンに自分の居場所がないことを感じてやめていったのだろうと思うと、やはり気の毒な感じがします。
このCDを聴いていたら、どうしてもそのことが気にかかってしまいました。
ありがとうございました。
返信する
ジャパン (風の靴)
2013-10-11 13:57:40
ちかさださんこんにちは

そうですね・・・1st、2ndアルバムではロブのソリストとしての立場は生かされていたものの・・・

次第にバンドの音楽性がエレクトロニックの方向に進むにつれて必然的にキーボード中心になっていく・・・

おっしゃるように、こうなると当然ロブはギタリストとして仕事が無くなっていく訳ですから・・・

ロブにしてみれば、バンドでギタリストとしての自分の居場所を失ってしまった・・・

(彼はおそらく身の置き場がなかったでしょう・・・)

ロブは最後の方では段々と空間を埋めるだけの役回りになっていましたからね・・・

そう考えるとやはり気の毒です

シルヴィアンのエゴが肥大化するに連れて音楽性や方向性にメンバーとの間で感情的な行き違いも含めてどんどん溝が深まって行ったのでしょう・・・

おそらく自分達が為す術も無いままに・・・あらゆる面でメンバー同士亀裂が生じていった事は想像に難くありませんね。

ですから・・・解散も止むを得なかった・・・

JAPANは・・・

バンドの成功を手中にしながら

彼らはその栄光を噛み締める事無く・・・

あの様にあっさりと幕を下してしまったのでしょう。

ちかさださん、確かにJAPAN・・・聴いていると様々な事が頭を駆け巡ります。(苦笑)

返信ありがとうございました。(笑)

追伸

※(訂正ファア→フェアでございます。打ちミスでしたスミマセン)
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。