夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

アメリカン・ハッスル(その1)

2014-03-24 22:15:04 | 映画
「ハッスル(hustle)」には、インチキでだまして金をせしめる、という意味があるそうだ。
「アブスキャム事件」という、1979年にアメリカで実際に起きた疑獄事件をもとにした映画である。

内容の紹介

完全無欠の詐欺師・アーヴィン(写真左。クリスチャン・ベイル)は、生き残るためにはどんなヤバイ道でも歩んできた。
父親がだまされてばかりの男で、自分はだまされるよりだます方に回ろうと思った。ニューヨークで5軒のクリーニング店を経営しているが、裏稼業で盗品や贋作の販売をやっている。
体はブヨブヨだし、髪は悲惨な1:9分けだが、独特の余裕ある雰囲気を漂わせている。


ある日、アーヴィンはパーティーで、自分と同じように不幸な生い立ちのシドニー(写真中央。エイミー・アダムス)と出会い、心を惹かれる。
シドニーは、ニューメキシコ州の片田舎で売れないダンサーをしていたが、成功を夢見て『コスモポリタン』誌に応募し、ニューヨークに出てきていたのだ。
アーヴィンは美しくセクシーなだけでなく、野心があり頭の回転が速いシドニーに、自分の裏稼業を打ち明け、
「一緒に詐欺師にならないか?」
と持ちかける。一度は失望して立ち去ったかに見えた彼女だが、すぐに引き返してきて、
「手伝うわ。」
その時から、シドニーは彼の恋と仕事のパートナーになる。


どん底の人から金を奪うのは、このコンビにはいとも簡単なことだった。
貧しくて住宅ローンを組めない人に、「ロンドンの投資会社が融資してくれる」と持ちかけ、抵当を出させた上で手数料をだまし取るのである。シドニーは、ロンドン訛りの英語を巧みに操り、正確で慎重な仕事ぶりで、アーヴィンは裏稼業で以前より何倍も儲けるようになる。


二人は豪華な事務所を構え、ビジネスのパートナーとしてだけでなく、愛情面でも互いを必要とするようになるが、ここでアーヴィンには一つ大きな問題があった。彼は妻子持ちで、しかも妻で専業主婦のロザリン(写真左。ジェニファー・ローレンス)は、ウツで極度に情緒不安定の女性だったのだ。ロザリンは、夫の愛人のシドニーを忌み嫌っており、離婚なら息子の親権は自分がもらい、アーヴィンの違法なビジネスのこともバラすという。


アーヴィンは、息子とだけは離れたくない、俺は彼女のカモだ、と嘆く。
その頃、うまくいっていると思っていた「ロンドンの投資会社」の仕事がFBIのおとり捜査に引っかかり、事務所が捜査官のリッチー(写真左。ブラッドレー・クーパー)に踏み込まれてしまう…。