テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《旅》のゆくえ ~

2024-06-28 22:03:51 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 しゅうまつはァ、おかいものォびよりィ??」

「がるる!ぐるるがるるぐるるる!」(←訳:虎です!半期に1度のSALE!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今週末からSALE開始!

 というデパートやショップは多そうですね。

 明日はお出掛けしてバリバリ買い物したいぞ!と野望に燃えながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらのエッセイ作品を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 旅のつばくろ ――

 

 

 著者は沢木耕太郎(さわき・こうたろう)さん、

 単行本は2020年に、画像の文庫版は2023年11月に発行されました。

 JR東日本の新幹線機内誌『トランヴェール』に

 連載されたエッセイを書籍化した作品です。

 

「あはァ! つばめさんッ!」

「ぐるがるるるるる!」(←訳:よく見かけるよね!)

 

 ちょうど今――6月は、

 日本へ渡って来たツバメさんたちが

 巣作り&子育てで賑やかなシーズンですね。

 我が家の周りでもツバメさんたちが

 ピーピーと騒いでいましたが、

 もしや、あのピーピーの内容は……

 

「たびだちィ、ちかしィ~!」

「がるるるる!」(←訳:飛行訓練だ!)

 

 著者・沢木さんがツバメさんのように、

 《旅を愛する》

 あるいは、

 《旅に生きる》御方であるのは、

 『深夜特急』をはじめとする数々の作品から

 よく知られていることですね。

 

 この御本では、

 帯に『初の国内旅エッセイ』と記されていますように、

 日本国内の旅模様が綴られています。

 

 回想で辿るのは、

 ”はじめての旅”。

 16歳の沢木さんは、

 JRの前身『国鉄』が発行していた均一周遊券を握りしめ、

 東北一周の旅に出たのでした。

 

「うふふッ♫ がくせいィなのでェ~」

「ぐるるるが~る!」(←訳:貧乏旅行で~す!)

 

 手元にあるのは、

 小さな時刻表と簡単な地図だけ。

 ガイドブックを買う余裕はなかったけれど、

 気に入った名前の土地があるとそこへ向かうという、

 沢木さん御自身でも

 ”かなり大雑把”と感じる旅、です。 

 

 いや、大雑把とおっしゃいますけど、

 実は、これ以上に贅沢で、豊かな旅って

 そうそうないんじゃありません?

 

 行きたいところへ、行く。

 時間も、日付けも、何も気にせず、

 周遊チケットのルールが許す限り、

 どこどこまでも。

 

「とびきりのォ、ぼうけんッ!」

「がるぐぅる!」(←訳:最高じゃん!)

 

 その16歳の旅の日々で、

 沢木さん、或る理由から怖気付いてしまい、

 訪れることが出来なかった土地がありました。

 

 津軽半島の、龍飛岬。

 

 以来ずっと、いつか行こうと思い続けて50年。

 ”いつか”を回収すべく、

 いざ、旅支度!

 

「よゥしッ、いッたるぜィ!」

「ぐる~!」(←訳:出発~!)

 

 本文57ページの

 『終着駅』、

 その続編といえる

 『風の岬』『なりつづける』『人力飛行機』は

 この御本の白眉!……と言いたいところですが、

 『太宰の座卓』(91ページ)、

 『過去への回路』(164ページ)

 も、激おすすめですよ。

 

 巻末の『文庫版あとがき』も含めて、

 旅好きな活字マニアさんは、

 ぜひ、一読してみてくださいね♪

 

 

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