テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― ウワサは、野火のごとく ―

2013-10-25 21:49:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスッ!
 ひゃァッ! くるくるゥ!」
「がるる!ぐーるがるるっ??」(←訳:虎です!パーマですかっ??)

 こんにちは、ネーさです。
 んまぁ!先ほど何気なくTVを観ていてビックリ!
 『くるり』のヴォーカル・岸田さんのアタマが
 くるくるパーマになっちゃってるわ!
 うわあ!いつの間に!別人じゃん!……と打ちのめされた後は
 読書タイムで自分を取り戻しましょう。
 本日は、えっとぉ、こちらを、どうぞ~!

  



 
                ―― 刑事の子 ――



 著者は宮部みゆきさん、
 1990年に刊行された『東京殺人景色』が2011年に『刑事の子』と改題され、
 2013年9月に画像の文庫版が発行されました。
 先日は今年2013年刊行の『桜ほうさら』を御紹介しましたが、
 この御本は、1987年にデビューした宮部さんの初期の作品、と
 位置づけられる作品ですね。

「でもォ、したまちィでス!」
「ぐるるるぅ!」(←訳:本所ですぅ!)

 ええ、物語の舞台は、
 東京都江東区――
 お江戸の時代は、本所深川、と呼ばれて
 宮部さんの他の作品にもたびたび登場する一帯に当たります。

 そのためでしょうか、
 宮部さんのファンの方々はすんなりと入ってゆける、
 馴染みがあり、懐かしくもある土地柄なのですが。

 主人公の八木沢順(やぎさわ・じゅん)くんにとっては
 “ものめずらしい”場所なのでした。

 よその町で育った順くん、
 下町を知らないのです。

「ふむふむゥ、とうきょうゥはァ~」
「がっるるぐるぐる!」(←訳:けっこう広いもん!)

 手頃な家を見つけて、
 お父さんとふたり、この江東区に越してきた中学生の順くん、
 家政婦のハナさんから
 奇妙なウワサを聞かされます。

 或る家で、ひと殺しがあった――
 若い娘さんが殺されたらしい、
 というウワサを。

「うわわァ~! やだよゥ~!」
「ぐるるぅ!」(←訳:怖いよぅ!)

 近所に住む友人・慎吾(しんご)くんに確かめてみれば、
 どうやらそのウワサ、
 想像以上に広まっているようです。

「ただのォ、うわさァ、でスかッ?」
「がるがるぅ~…?」(←訳:それともぉ~…?)

 順くんのお父さんは、警察の、刑事さん。

 家政婦のハナさんも
 そこを見込んで順くんにウワサの存在を報せたのです。
 
 ウワサはウワサに過ぎないのか、
 ウワサの裏に何らかの事実が潜んでいるのか、
 順くんと慎吾くんは
 少年探偵団的行動に踏み出すのですが……

「きッ、きけんでスよゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:止めた方が!)

 やがて、
 順くんのお父さんが捜査に携わっている事件と、
 順くんと慎吾くんが調べているウワサの真偽とがリンクし、
 事態はもはや手に負えぬ大事(おおごと)に――

「どうしようゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:ピンチだよ!)

 大人気作家・宮部さんのホームグラウンドに展開する、
 硬質でありながらエンタ度の高いミステリは
 宮部さんの作品をまだ読んだことがない方々にも
 おすすめです♪

 順くんと同じお年頃の中学生さん&高校生さん、
 ぜひ読んでみてくださいね~!
 



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 復活希望の名コラム傑作選! | トップ | 名デザイナーさんの仕事とは。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブックス」カテゴリの最新記事