テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 安吾先生、事件を論ず ~

2024-08-09 22:03:21 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふうゥ~…あたまがァぱにッくゥ、でスよゥ!」

「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!なんて夏だ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 昨日と今日の地震に、天候不安、長崎忌のニュース、と

 ここ数日は、どうにも気持ちがぞわぞわしますね。

 そんな日の読書タイムは、

 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― 安吾探偵事件帖 ――

 

 

 著者は坂口安吾(さかぐち・あんご)さん、

 2024年5月に発行されました。

 『事件と探偵小説』と副題が付されています。

 

 小説・評論・随筆と幅広い分野で活躍した

 昭和の文豪・坂口安吾さん(1906~1955)は、

 近年、なぜかゲームのキャラクターとして大人気、

 最近は『文豪クリームソーダ』にもなったりして、

 どんな味なんだそれ?と心配になったりしますが。

 

 この御本では、本領発揮!

 

「みすてりィ、なのでスゥ!」

「ぐるるがるるっる!」(←訳:大好物なんだって!)

 

 江戸川乱歩さんに賞賛されたという著作

 『不連続殺人事件』をはじめ、

 坂口さんはミステリ小説作家でもありました。

 また、ミステリの評論や、

 現実に起こった事件の評論、裁判の傍聴も、と

 フィクションノンフィクションを問わず、

 ¨犯罪¨というものに並々ならぬ興味を抱いていたようです。

 

 この御本に収録されている

 坂口さんのエッセイや評論の中で、

 ¨並々ならぬ興味¨が炸裂するのは、

 本文39ページの、

 『下山事件推理漫歩』。

 

「わわッ、らんぽォせんせいィ!」

「がるるぐるるがる!」(←訳:すごいメンツだよ!)

 

 江戸川乱歩さん、

 法医学者の中館久平さん、

 そして坂口さんの3人が語り合うのは、

 今に至るも真相不明の

 『下山事件』。

 

 1949年7月5日、

 国鉄総裁・下山定則氏の身に何が起こったのか。

 

「しんけんッでス!」

「ぐるるがる!」(←訳:本気で議論!)

 

 まだ連合国軍の占領下だった当時の日本に

 衝撃を与えたこの事件を題材に、

 江戸川さん・中館さん・坂口さんが鼎談したのは、

 1949年の7月16日・17日。

 

 発生から10日かそこらで、

 事件の細部がここまで広く知れ渡っているとは、

 いかに日本国中の話題になっていたか、

 想像できますね。

 

「しょうわもォ、れいわもォ~」

「がるるるぐるっるるるるぅ~」(←訳:あんまり変わってないなぁ~)

 

 御本の後半には

 楽しい推理小説論も収録されています。

 『推理小説について』で

 坂口さんが激賞しているのは、

 横溝正史さん。

 

 世界のベスト・テン以上、

 ベスト・ファイブにランクしうる才能である、

 ですって!

 

「そッ、そんなにィ~??」

「ぐるるるがる!」(←訳:ベタ褒めだね!)

 

 戦中、戦後、そして令和へ。

 ミステリをこよなく愛した昭和の文豪さんの眼に、

 21世紀のミステリは、

 現在の世界情勢は、どう映るのか――

 

 評論家、エッセイストとしての

 坂口安吾さんを知りたい活字マニアさんに、

 近現代史好きな方々にも

 おすすめの文庫オリジナル作品です。

 本屋さんの文庫コーナーで、

 ぜひ、探してみてくださいね♪

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする