「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふうゥ~…あたまがァぱにッくゥ、でスよゥ!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!なんて夏だ~!)
こんにちは、ネーさです。
昨日と今日の地震に、天候不安、長崎忌のニュース、と
ここ数日は、どうにも気持ちがぞわぞわしますね。
そんな日の読書タイムは、
さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 安吾探偵事件帖 ――
著者は坂口安吾(さかぐち・あんご)さん、
2024年5月に発行されました。
『事件と探偵小説』と副題が付されています。
小説・評論・随筆と幅広い分野で活躍した
昭和の文豪・坂口安吾さん(1906~1955)は、
近年、なぜかゲームのキャラクターとして大人気、
最近は『文豪クリームソーダ』にもなったりして、
どんな味なんだそれ?と心配になったりしますが。
この御本では、本領発揮!
「みすてりィ、なのでスゥ!」
「ぐるるがるるっる!」(←訳:大好物なんだって!)
江戸川乱歩さんに賞賛されたという著作
『不連続殺人事件』をはじめ、
坂口さんはミステリ小説作家でもありました。
また、ミステリの評論や、
現実に起こった事件の評論、裁判の傍聴も、と
フィクションノンフィクションを問わず、
¨犯罪¨というものに並々ならぬ興味を抱いていたようです。
この御本に収録されている
坂口さんのエッセイや評論の中で、
¨並々ならぬ興味¨が炸裂するのは、
本文39ページの、
『下山事件推理漫歩』。
「わわッ、らんぽォせんせいィ!」
「がるるぐるるがる!」(←訳:すごいメンツだよ!)
江戸川乱歩さん、
法医学者の中館久平さん、
そして坂口さんの3人が語り合うのは、
今に至るも真相不明の
『下山事件』。
1949年7月5日、
国鉄総裁・下山定則氏の身に何が起こったのか。
「しんけんッでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:本気で議論!)
まだ連合国軍の占領下だった当時の日本に
衝撃を与えたこの事件を題材に、
江戸川さん・中館さん・坂口さんが鼎談したのは、
1949年の7月16日・17日。
発生から10日かそこらで、
事件の細部がここまで広く知れ渡っているとは、
いかに日本国中の話題になっていたか、
想像できますね。
「しょうわもォ、れいわもォ~」
「がるるるぐるっるるるるぅ~」(←訳:あんまり変わってないなぁ~)
御本の後半には
楽しい推理小説論も収録されています。
『推理小説について』で
坂口さんが激賞しているのは、
横溝正史さん。
世界のベスト・テン以上、
ベスト・ファイブにランクしうる才能である、
ですって!
「そッ、そんなにィ~??」
「ぐるるるがる!」(←訳:ベタ褒めだね!)
戦中、戦後、そして令和へ。
ミステリをこよなく愛した昭和の文豪さんの眼に、
21世紀のミステリは、
現在の世界情勢は、どう映るのか――
評論家、エッセイストとしての
坂口安吾さんを知りたい活字マニアさんに、
近現代史好きな方々にも
おすすめの文庫オリジナル作品です。
本屋さんの文庫コーナーで、
ぜひ、探してみてくださいね♪