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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 王さまたちの絵画庫 ~

2024-07-22 22:03:47 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぽがちゃるさんッ、ゆうしょうゥ~!」

「がるる!ぐるるがーるる!」(←訳:虎です!ダブルツールだ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 《ツール・ド・フランス2024》総合優勝は、

 タデイ・ポガチャルさん(国籍はスロベニア)!

 5月のジロ・デ・イタリア優勝と併せて

 ダブルツールとなる大記録ですよ。

 ポガチャルさんたち選手さんとスタッフさんに心からの拍手を送ったら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― イラストで読む ヨーロッパの王家の物語と絵画 ――

 

 

 著者は杉全美帆子(すぎまた・みほこ)さん、

 2024年4月に発行されました。

 『Stories of Kings』と英語題名が付されています。

 

 15~18世紀、

 欧州に君臨し、支配した《王》といえば、

 事実上、3つの王家に絞られます。

 ハプスブルク、

 テューダー、

 ブルボン。

 

 この御本では、

 3つの王家の人々が

 時代背景や美術とともに紹介&解説されていますよ。

 

「ふむふむッ、これはァ~とッてもォ」

「ぐるるるる~っるっ!」(←訳:分かりやす~いっ!)

 

 そうなんです、私ネーさも感服しました。

 16世紀頃のヨーロッパ……

 中世は終わったし、

 イタリア半島から生まれたルネサンスも過ぎて、

 当時の欧州全域はようやく安定……どころか、

 きな臭く危険な時代に向かってゆきます。

 

 神聖ローマ帝国(オーストリア・ハプスブルク家)、

 フランス王国(ブルボン朝)、

 スペイン王国(スペイン・ハプスブルク家)、

 イングランド王国(テューダー朝)、

 

 どの国も、王座を巡るゴタゴタあり、

 政治的内紛あり、

 宗教的な対立あり、

 と火種と混乱を抱えていて。

 

 王家の家系図なんてもう、

 見ていてアタマが痛くなる複雑怪奇っぷり。

 

「ほとんどォ、ぱずるゥ、なのでス!」

「がるるぐるる!」(←訳:超難解パズル!)

 

 その混乱を、著者・杉全さんは

 実にスッキリしゃっきりと整理してくださいました。

 

 フランス王家の、

 ヴァロア家が断絶してブルボン朝が始まるゴタゴタって、

 こういうことだったのか。

 

 イングランドのヘンリー8世……

 なんとな~く分かってはいたけれど、

 想像以上にヤバい人物だわ……。

 各種ハラスメントの元祖みたいな王さまね。

 

 そして、

 スペインのフェリペ二世とフェリペ四世。

 大帝国スペインの、

 最盛期から衰退期に王となった彼らと、

 画家ベラスケスさん。

 

「むむふゥ! あっとうてきィ!」

「ぐるがるる!」(←訳:巨匠だよね~!)

 

 この御本には、

 ティツィアーノさん、ドラローシュさん、ホルバインさん、

 フラゴナールさん、ブーシェさん他、

 名匠さんたちの作品が多数収録されていますが、

 ティツィアーノさんとベラスケスさんは

 どうにもこうにも”別格”です。

 

 ベラスケスさん(1599~1660)……

 もうちょい長生きして欲しかったなあ、

 もしも彼がスペイン以外の国に生まれていたら……

 いや、それは無理ってもんかなぁ、

 スペイン王族の肖像画をベラスケスさんが描かんでどうする、

 いやでも、宮廷のお仕事が忙し過ぎて倒れた、

 って伝えられているし。

 

 ……と、私ネーさ、

 ティツィアーノさんのファンなのですが、

 今回はすっかりベラスケスさんに

 感情移入してしまいました。

 

「もうひとりのォ、おうさまッ!」

「がるるるるる!」(←訳:画家の中の王!)

 

 絶対王政の時代、

 国土と人の生命を支配した《王》たちの肖像。

 肖像を描いた画家さんたちは、

 心のうちで、《王》をどうジャッジしていたのか。

 

 歴史好きな活字マニアさんに

 おすすめの一冊です。

 また、図版資料がふんだんに載っていますので、

 人物画好きな方々も、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪