「こんにちわッ、テディちゃでス!
しぶさわァさァ~んッ、どこでスかァ~??」
「がるる!ぐるるるがる?」(←訳:虎です!いませんねえ?)
こんにちは、ネーさです。
新札の流通が始まって2週間余……
ホログラム渋沢さんとお会いできるのはいつかしら?
と真剣に悩みながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― 竜の医師団 1 ――
著者は庵野ゆき(あんの・ゆき)さん、
2024年2月に発行されました。
『THE DRAGON HEALERS』と英語題名が付されています。
「むむゥ! ちかよッちゃだめェでス!」
「ぐるがるるるる!」(←訳:竜は怖いからね!)
竜――英語では、Dragon。
ここ日本を含む東洋圏では、
竜は聖獣の一種であったり、
人間にはコントロールできない
不可侵の存在として捉えられることが多いのに対し、
西欧では、
どちらかというと
ドラゴンは害獣――駆除すべきもの、ヒトに害をなすもの、と
考えられているようですね。
小説やゲームの影響で、近年は
新たなドラゴン像も生まれているようですが、
この物語の世界では。
竜は、豊穣。
「ほわわッ! ほうじょうゥ?」
「がるるぐるるぅ~♫」(←訳:それもアリかぁ~♫)
この世は竜の創りしもの。
竜あるところに豊穣あり。
その国に住む竜がすこやかであるなら、
天候は荒れることなく、
花は美しく咲き、
秋の実りは豊かで、
一年は穏やかに暮れてゆく。
けれどもし、竜が病んでしまったら。
荒天が地を破壊し、
実りは失われて、
飢饉が国土を覆う……
つまり、
竜が病気になると国が傾いてしまう、んです。
「ふァ~…わかるゥきィがァするゥ~…」
「ぐるがる!」(←訳:健康第一!)
ええ、そうです。
竜が健康であることが何より大事!とするこの世界では、
竜を診察するお医者さんたち《竜ノ医師団》は
特別な存在であるワケで、
《竜ノ医師団》には、特権がある。
医師団に入団してしまえば、
俺はもう、憲兵にとっ捕まることもない。
と、夜の町を必死に逃げ惑っているのは、
16歳のヤポネ人の少年、
リョウ・リュウ・ジくん。
「すぐにィ、かくれてッ!」
「がるるぐる!」(←訳:憲兵が来た!)
ヤポネ人は、いうなれば”被差別民”で、
ただそこにいるだけで
憲兵に逮捕連行されてしまうのです。
リョウ・リュウ・ジくんも、
孤児院に隠れ住んでいたのが露見し、
憲兵に追われている真っ最中。
その心情は、
ここが踏ん張りどころだ、
全身全霊、知恵と体力をフルに使って
竜と《竜ノ医師団》がいる
竜の巣に向かうっきゃない……!
「いそいでェ~!」
「ぐっるがっる!」(←訳:走って走って!)
危機を乗り越え、
リョウ・リュウ・ジくんは
竜の巣に辿り着けるのでしょうか。
《竜の医師団》に入団……させてあげたいけど、
次から次へとトラブルが?
《竜》という、
人類の夢であり悪夢でもある
魔訶不思議ないきものを
ぐっと身近に、活き活きと魅力的に描いた
”異世界青春医療ファンタジイ”は
全活字マニアさんにおすすめですよ。
いますぐ本屋さんの文庫コーナーへ、
皆さま、ぜひ~♪