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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 竜が招くは ~

2024-07-19 22:03:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 しぶさわァさァ~んッ、どこでスかァ~??」

「がるる!ぐるるるがる?」(←訳:虎です!いませんねえ?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 新札の流通が始まって2週間余……

 ホログラム渋沢さんとお会いできるのはいつかしら?

 と真剣に悩みながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― 竜の医師団 1 ――

 

 

 著者は庵野ゆき(あんの・ゆき)さん、

 2024年2月に発行されました。

 『THE DRAGON HEALERS』と英語題名が付されています。

 

「むむゥ! ちかよッちゃだめェでス!」

「ぐるがるるるる!」(←訳:竜は怖いからね!)

 

 竜――英語では、Dragon。

 

 ここ日本を含む東洋圏では、

 竜は聖獣の一種であったり、

 人間にはコントロールできない

 不可侵の存在として捉えられることが多いのに対し、

 西欧では、

 どちらかというと

 ドラゴンは害獣――駆除すべきもの、ヒトに害をなすもの、と

 考えられているようですね。

 小説やゲームの影響で、近年は

 新たなドラゴン像も生まれているようですが、

 この物語の世界では。

 

 竜は、豊穣。

 

「ほわわッ! ほうじょうゥ?」

「がるるぐるるぅ~♫」(←訳:それもアリかぁ~♫)

 

 この世は竜の創りしもの。

 竜あるところに豊穣あり。

 

 その国に住む竜がすこやかであるなら、

 天候は荒れることなく、

 花は美しく咲き、

 秋の実りは豊かで、

 一年は穏やかに暮れてゆく。

 

 けれどもし、竜が病んでしまったら。

 

 荒天が地を破壊し、

 実りは失われて、

 飢饉が国土を覆う……

 

 つまり、

 竜が病気になると国が傾いてしまう、んです。

 

「ふァ~…わかるゥきィがァするゥ~…」

「ぐるがる!」(←訳:健康第一!)

 

 ええ、そうです。

 竜が健康であることが何より大事!とするこの世界では、

 竜を診察するお医者さんたち《竜ノ医師団》は

 特別な存在であるワケで、

 

   《竜ノ医師団》には、特権がある。

   医師団に入団してしまえば、

   俺はもう、憲兵にとっ捕まることもない。

 

 と、夜の町を必死に逃げ惑っているのは、

 16歳のヤポネ人の少年、

 リョウ・リュウ・ジくん。

 

「すぐにィ、かくれてッ!」

「がるるぐる!」(←訳:憲兵が来た!)

 

 ヤポネ人は、いうなれば”被差別民”で、

 ただそこにいるだけで

 憲兵に逮捕連行されてしまうのです。

 リョウ・リュウ・ジくんも、

 孤児院に隠れ住んでいたのが露見し、

 憲兵に追われている真っ最中。

 その心情は、

 

   ここが踏ん張りどころだ、

   全身全霊、知恵と体力をフルに使って

   竜と《竜ノ医師団》がいる

   竜の巣に向かうっきゃない……!

 

「いそいでェ~!」

「ぐっるがっる!」(←訳:走って走って!)

 

 危機を乗り越え、

 リョウ・リュウ・ジくんは

 竜の巣に辿り着けるのでしょうか。

 《竜の医師団》に入団……させてあげたいけど、

 次から次へとトラブルが?

 

 《竜》という、

 人類の夢であり悪夢でもある

 魔訶不思議ないきものを

 ぐっと身近に、活き活きと魅力的に描いた

 ”異世界青春医療ファンタジイ”は

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 いますぐ本屋さんの文庫コーナーへ、

 皆さま、ぜひ~♪