「こんにちわッ、テディちゃでス!
すいぶんッ、すいぶゥ~んッ!」
「がるる!ぐっるるがるるるる!」(←訳:虎です!しっかり水分補給を!)
こんにちは、ネーさです。
暑すぎて意識が朦朧としてきますが、
皆さま、昼夜を問わず、水分とミネラルを補給してくださいね。
もちろん、お食事もきちんといただいたら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― 雛森寧子のミステリな日々 ――
著者は紺野天龍(こんの・てんりゅう)さん、
2024年3月に発行されました。
『コンビ作家の誕生』と副題が付されています。
「こんびィさッかさんッ、でスかァ~」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:有名人がいるよね!)
ふたりの作家さんがコンビを組んで、
ひとつの作品――書物を世に送り出す。
最も有名な”ふたりでひとり”な作家さんと言えば、
エラリー・クイーンさん、でしょうか。
日本では、岡嶋二人(おかじま・ふたり)さんが
よく知られていますね。
彼らのようなコンビ作家になりなさい!
と、或る日、編集者の佐久間栞(さくま・しおり)さんから
ハッパをかけられたのは、
推理小説作家志望の大学生、
君島羽理衣(きみしま・はりい)くん。
「あァ~…おこられちゃッたでス~…」
「がるるぐるるる!」(←訳:青年よドンマイ!)
君には文章の才はあるけれど、
トリックを作る才がない。
どうしていつもトリックがゴミなの、と
佐久間さんが指摘するように、
君島くんの作品のトリックは、
ミステリとしては、いささか弱い……?
それでもミステリ作家になりたいと望むのなら、
君島くん、この子と組みなさい。
文章は丸きり下手っぴぃなのに、
ミステリの才能がある、この子――
雛森寧子(ひなもり・ねいこ)さんと。
「あううゥ、どうしようゥ~??」
「ぐるるるるるぅ~!」(←訳:逆らえないよぅ~!)
熱弁をふるう編集者さんに
作家のタマゴ・君島さんは説得され、
雛森さんと面談することになりました。
執筆担当が僕で、
トリック担当が雛森さん?
そんなこと可能なのだろうか、
言うのは簡単だが、簡単に書けるワケがない、
と、疑いから脱け出せないまま、
喫茶店で君島くんと寧子さんが
ぽつぽつ話し込んでいると。
店内で、或る奇怪な出来事が……!
「むむふゥ! いみィふめいィでスゥ!」
「がるぐるがるる?」(←訳:どう解釈すべき?)
悪質な犯罪に直結してはいないものの、
どうにも怪しい、
普通でない行動。
目撃した君島くんは動揺します。
あれって、いったいどういう……?
そこへ、スパッ!と。
怪しい行動の理由を解析推理してみせたのは、
寧子さんだったのです。
引きこもりで、ひどい人見知りの彼女が、
まことに鋭く、鮮やかに。
「あはァ! きぼうのォ~ひかりィ!」
「ぐるるるがっるるるるぐる?」(←訳:これならやってゆけるかも?)
人見知り、ふたり。
はたして君島くんと寧子さんは、
編集者さんの読み通りに
《コンビ作家》
の道へ進んでゆけるのか。
プロローグ+短編4作品+エピローグから成る連作ミステリは、
青春小説の色合いも濃い一冊です。
”日常の謎”ミステリが好きな方々に
おすすめですよ。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪