「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふァいッ、きょうのォ~しゅやくゥはァ~…」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!人気のあの子!)
こんにちは、ネーさです。
ええ、本日の読書タイムは、
前回記事で御紹介しました月刊誌『MOE』8月号の
付録作品に登場していただきましょう。
↓こちらの、『MOE』誌の表紙の――
はい、↓ここには――
『絵本ふろく』の記載がありますね。
という訳で!
―― ゆめぎんこう もぐもぐのおるすばん ――
著者はコンドウアキさん、
2020年に刊行された第1作『ゆめぎんこう』から始まった
《ゆめぎんこう》シリーズの最新作です。
「おるすばんッでスかァ~…」
「ぐるるがるる……!」(←訳:困難な任務だ……!)
ペンギンのぺんぺんさんが営むのは、
ゆめのアメを売るお店『ゆめぎんこう』。
空を飛ぶ夢、花の夢、
星がたくさん降ってくる夢……
『ゆめぎんこう』の飴を味わってから眠りにつけば、
飴に詰まった夢と同じ夢を見ることが出来る。
小さいながらも稀少な《ゆめのあめ》専門店は、
たいへんな人気ぶりで、
店主のぺんぺんさんは今日も大忙しです。
開店準備をしているところへ電話があって、
急ぎ、お客様のお家に伺うことに。
相棒のもぐもぐさんに、
店番していてもらえる?と言うなり、
飛び出していっちゃいましたが。
「どッどうしようゥ~??」
「がるるるぐるる!」(←訳:とにかく準備を!)
もぐもぐさんは、獏――夢を食べる生きものです。
食べた夢をアメに変えることが
もぐもぐさんのいつものお仕事ですから、
いきなり、留守番を!と言われて、それはもう、あたふた。
床を掃除して、カウンターを拭いて、看板を出して、
といった作業を進めながら、
つい思ってしまうのでした。
どうか、おきゃくさまがあんまりきませんように……。
「わかるゥ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:気持ちは解るよう!)
時刻は、9時になりました。
『ゆめぎんこう』、開店です!
もぐもぐさん、
孤独なお留守番タイムを
無事に乗り切れるんといいんですけど?
と、一見ものやわらかな、優しい語り口の物語は、
実は、遠大な命題を隠し持っています。
眠りの国で私たちが直面する《夢》とは、
いったい何であろうか。
願望か、欲望か、
記憶の再生か、想像力の暴走か。
喜びか、悲しみか。
こころの最深部には、何がある?
古今の学者さんたちを大いに悩ませ、迷わせた《夢》。
映画監督さんたちや、SF作家さんたちの心も奪う《夢》。
では、ぺんぺんさんと、
もぐもぐさんにとっての《夢》とは。
「それはァもしかしたらァ~…」
「がるるぐるるがるるる?」(←訳:美しきアメ玉のきらめき?)
コンドウアキさんの水彩画にうっとりさせられる
『ゆめぎんこう』の物語を、
全活字マニアの皆さま、
ぜひ、一読してみてくださいね~♪