テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ お留守番が、降ってきた? ~

2024-07-10 22:03:05 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふァいッ、きょうのォ~しゅやくゥはァ~…」

「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!人気のあの子!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ええ、本日の読書タイムは、

 前回記事で御紹介しました月刊誌『MOE』8月号の

 付録作品に登場していただきましょう。

 ↓こちらの、『MOE』誌の表紙の――

  

 はい、↓ここには――

  

 『絵本ふろく』の記載がありますね。

 という訳で!

  

 

 

      ―― ゆめぎんこう もぐもぐのおるすばん ――

 

 

 著者はコンドウアキさん、

 2020年に刊行された第1作『ゆめぎんこう』から始まった

 《ゆめぎんこう》シリーズの最新作です。

 

「おるすばんッでスかァ~…」

「ぐるるがるる……!」(←訳:困難な任務だ……!)

 

 ペンギンのぺんぺんさんが営むのは、

 ゆめのアメを売るお店『ゆめぎんこう』。

 

 空を飛ぶ夢、花の夢、

 星がたくさん降ってくる夢……

 『ゆめぎんこう』の飴を味わってから眠りにつけば、

 飴に詰まった夢と同じ夢を見ることが出来る。

 

 小さいながらも稀少な《ゆめのあめ》専門店は、

 たいへんな人気ぶりで、

 店主のぺんぺんさんは今日も大忙しです。

 

 開店準備をしているところへ電話があって、

 急ぎ、お客様のお家に伺うことに。

 

 相棒のもぐもぐさんに、

 店番していてもらえる?と言うなり、

 飛び出していっちゃいましたが。

 

「どッどうしようゥ~??」

「がるるるぐるる!」(←訳:とにかく準備を!)

 

 もぐもぐさんは、獏――夢を食べる生きものです。

 食べた夢をアメに変えることが

 もぐもぐさんのいつものお仕事ですから、

 いきなり、留守番を!と言われて、それはもう、あたふた。

 

 床を掃除して、カウンターを拭いて、看板を出して、

 といった作業を進めながら、

 つい思ってしまうのでした。

 

 どうか、おきゃくさまがあんまりきませんように……。

 

「わかるゥ!」

「ぐるるるがるるる!」(←訳:気持ちは解るよう!)

 

 時刻は、9時になりました。

 『ゆめぎんこう』、開店です!

 

 もぐもぐさん、

 孤独なお留守番タイムを

 無事に乗り切れるんといいんですけど?

 

 と、一見ものやわらかな、優しい語り口の物語は、

 実は、遠大な命題を隠し持っています。

 

 眠りの国で私たちが直面する《夢》とは、

 いったい何であろうか。

 願望か、欲望か、

 記憶の再生か、想像力の暴走か。

 喜びか、悲しみか。

 こころの最深部には、何がある?

 

 古今の学者さんたちを大いに悩ませ、迷わせた《夢》。

 映画監督さんたちや、SF作家さんたちの心も奪う《夢》。

 では、ぺんぺんさんと、

 もぐもぐさんにとっての《夢》とは。

 

「それはァもしかしたらァ~…」

「がるるぐるるがるるる?」(←訳:美しきアメ玉のきらめき?)

 

 コンドウアキさんの水彩画にうっとりさせられる

 『ゆめぎんこう』の物語を、

 全活字マニアの皆さま、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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