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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《聖地》よ、いずこ ~

2020-11-29 22:37:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 やぱりィ~きましたでスゥ!」
「がるる!ぐーるるるるる!」(←訳:虎です!アーモンドアイ!!)

 こんにちは、ネーさです。
 第40回ジャパンカップを制したのは、
 一番人気のアーモンドアイ!
 みごと有終の美を飾った彼女に
 大きな拍手を送りながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― 七人の侍 ロケ地の謎を探る ――



 著者は高田雅彦(たかだ・まさひこ)さん、
 2020年7月に発行されました。
 競馬史上の伝説となったのが
 アーモンドアイの快勝だとするなら、
 日本映画界の伝説というべき作品は、
 ええ、そうです、
 黒澤明さんの『七人の侍』!

「めいさくゥ~でス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:映画の教科書!)

 1954年に公開された『七人の侍』――
 世界中の映画人さんに影響を与え、
 “最も有名な日本映画“といわれる
 黒澤さんの代表作には、
 ちょっとばかり謎めいたところがあります。

 黒澤さんのファンだと自認する
 外国の映画監督さんや映画マニアさんが、
 日本に来たぞ!
 よぉし、聖地巡礼してやろうじゃないか!
 と『七人の侍』ロケ地に行こうとしても……

「えェ~とォ?
 どこにィあるんだろうゥ??」
「がるるるるる~!」(←訳:分からないよ~!)

 乾いた砂埃が舞い上がる辻、
 野武士たちが出現する丘陵、
 田植えが進む水田、
 いかにも“日本の村”な、
 この土地はどこにあるんだろう?

 見当たらないなあ……?

「がッかりィ、なのでスゥ~…」
「ぐぅるるる~」(←訳:しょんぼり~)

 制作時の資料には、
 ロケ地についての記述もあるのですが、
 詳細な記録、ではありません。

 このシーンは、どこで撮ったのか。
 カメラをどう据えて、
 どんな角度で撮ったのか。

 その場所は……
 いまも、残っているだろうか?

「むむゥ~んッ! むずかしそうゥ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:半世紀も昔だもん!)

 かつては広大な撮影スタジオが建ち並んでいた
 東京・世田谷区。

 ゆるやかな斜面がつづく、御殿場。

 当時はまだ電気が来ていなかった、
 つまり画面に電線が写り込むおそれがなかった
 伊豆の山村。

 残された記録を頼りに、
 著者・高田さんは《聖地》を探します。

 三船敏郎さん演じる菊千代が、
 志村喬志村喬さん演じる勘兵衛が、
 野武士たちと切り結び、
 あるいは、
 スタッフさんが農村を創り、
 クライマックスの大雨を降らせ、
 建物に火を放ったのは、
 どこであったのか……?

「げんばへェ、ゆこうゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:足で探そう!)

 御本の後半には、
 『椿三十郎』『隠し砦の三悪人』の撮影場所、
 映画のエキストラをつとめた方々のお話、
 そして
 『七人の侍』出演俳優 加藤茂雄さんへのインタビュー、
 子役として『七人の侍』に出演した
 二木てるみさんへのインタビュー、
 貴重な写真資料なども収録されています。

 今年――2020年は、
 黒澤明さん生誕110年、
 三船敏郎さん生誕100年となる
 記念の年。

 『七人の侍』ファンの方々、
 映画好きな活字マニアさんに
 おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪