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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 探すは花便り ―

2010-10-17 23:08:46 | ブックス
 箱根駅伝予選会でガンバった選手&スタッフの皆さま、
 お疲れさまでした~!
 こんにちは、いつかは予選会とお正月の駅伝を間近で拝見したいなぁ♪
 沿道で旗を振りまくってみたい~♪と願うネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「ぐるるっ!」(←訳:虎ですっ!)

 さて、本日は……近代美術館訪問レポの続編を予定していたのですが、
 すてきな御本を発見しましたので、
 レポは次回にちょちょいっと延期することにしまして、
 はいっ、こちらを、どうぞ~!


 
                  ―― さくらの丘で ――


 
 著者は小路幸也さん、’10年9月に発行されました。
 『東京バンドワゴン』シリーズが大人気の小路さんの、
 単行本最新刊がこちらです!

「このおはなしもォ、ほんやさんッ、でスかッ?」
「ぐるぐるるがるるるっ?」(←訳:バンドワゴン出てくるかなっ?)

 いえ、この御本は『バンドワゴン』とは別の物語なんですよ。
 けれど、『バンドワゴン』好きな御方は
 読みすすむうちにハッとさせられることでしょう。
 空気感、さくらの丘に寄せる優しい言葉の流れ……
 それはどこか、あの古書店さんとも似ているような?

「うむうむッ!
 はるのォ、においィ、しまスねッ!」
「がるがるるっ?」(←訳:桜の香りかなっ?)

 物語は、主人公のひとり、
 宇賀原満ちる(うがはら・みちる)さんの驚きから始まります。
 つい先日亡くなった、大好きなお祖母ちゃん――
 祖母・宇賀原ミツさんが満ちるさんに遺した封筒には
 なんとも不思議なものが納められておりました。

 便箋と、書類と、古い鍵。

 えっ?
 これって……遺産?

「いさんッ! こんどはァ、ろまんのォかおりィ!」
「がるがるぐるる!」(←訳:ミステリの香りもするよ!)

 満ちるさん、大いに戸惑います。
 遺産って?
 お父さんやお母さんを差し置いて、なぜあたしが?
 他にも孫はいるし、
 叔父さんもいるのに、
 どうしてあたしにだけ?

 何か、特別な理由があるのでしょうか?
 いえ、それより、肝心の遺産というのが……これも、いったいぜんたい??
 思ってもみなかったモノでしたから、
 どう考えてよいのやら、さっぱり分からなくて。
 
 『?』が解けぬ満ちるさん、
 叔父の楓(かえで)さんの智恵を借り、
 祖母の真意を知ろうといたしますが……。

「むずかしそうゥでスゥ~?」
「がるがるるるぐる!」(←訳:でもやらなくちゃ!)

 お祖母ちゃんの心を探る満ちるさんの視点と、
 祖母・ミツさんの回想との、
 ふたつの視点から語られる物語は
 華々しい春爛漫の桜花というよりも
 小さなスミレの花の愛らしさを想わせます。

 『バンドワゴン』ファンの御方、
 春のようにやさしくあたたかく、
 でもやさしいだけではない
 《花たち》の美しい落とし文を、
 ぜひ、拾い上げてください~! 

「さくらもォ、すみれもォ~♪」
「ぐるるがるる!」(←訳:うつくしき哉!)