テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ お江戸の華々テキスタイル ~

2010-10-31 23:08:49 | ブックス
 今日こそハッピーハロウイン!の筈ですのに、
 街のそこここではクリスマスの飾りつけが~!
 いえ、日本だけじゃありません、
 パリでももうクリスマスツリーが登場してるそうですよ~!
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「ぐるるー!」(←訳:虎ですー!)

 では本日は、夜景キラキラなパリの御本……ではなくて、
 夜景はなくとも花火の技術は当時世界一だったに違いない、
 お江戸文化の御本を、さあ、どうぞ~!



      
                  ―― 江戸デザイン学。 ――



 
 編者はペン編集部の皆さん、’10年3月に発行されました。
 江戸時代に《一世を風靡》した絵画・出版物・グラフィック・テキスタイルなど様々なデザインを
 カラフルな図版や資料で紹介してくれるビジュアルブック、ですね。

「にゃんこッ!
 ひょうしにィ、にゃんこがァ、いまスゥ!」
「ぐるるがるー!」(←訳:鳥も飛んでるー!)

 表紙画になっているのは、
 歌川広重さんの『名所江戸百景 浅草田圃西の町詣』。
 にゃんこ、つまり猫ちゃんの愛らしさで有名な作品ですね。

 デザイン――という点から見直せば、
 この画は、とても象徴的であると申せましょう。
 ここには江戸の文化&デザインのエッセンスがたっぷり詰まっています。

 遠くに見える簡素化された富士山のフォルム、
 空を裂くように西へ向かうのはたぶん雁の群、
 尾が短いニャンコちゃんは和猫でしょうし、
 藍染めらしき手拭いが窓枠に掛けられ、
 その下には『ふくら雀』と呼ばれる紋様が描き込まれています。
 室町、安土桃山の風景ではないことは歴然としています。

  デザインは時代を語る――

 といったら大袈裟でしょうかしら。

「おえどのォ、あーとッ!
 みてるだけでェ、たのしィでスよッ♪」
「がるるーぐるる!」(←訳:きれいでユニーク!)

 御本の前半では、浮世絵に見る江戸のデザインが
 大きく取り上げられています。
 そして後半では……
 スポットライトを浴びるのは、庶民の衣服!
 このパートが、特に素晴らしくて感心しました!

「どれどれッ?」
「がるるるっ?」(←訳:どこどこっ?)

 江戸中期~後期にかけて流行した縞柄・格子縞・市松模様の見本や、
 庶民に人気だった三つの色、
 その人気色をベースにした江戸小紋の各種図柄が、
 お江戸の服飾文化をきりり!と再現しています。
 これが、なんとも格好いい!

 日頃、TVのドラマや時代劇は殆ど観ない私ですが、
 ’09年に放送された『JIN-仁』は拝見しておりました。
 時代考証ガンバってるなあ、と
 制作スタッフさんの偉業に拍手したものですが、
 この御本では、まさにあのドラマに頻出したような
 お江戸の市井の人びとが身にまとっていた衣服のデザインが
 詳細に解説されています。
 時代考証と服飾文化史に興味ある御方には
 本当にハズせない一冊ですよ~♪

「さいきんッ、じだいげきえいがッ、はやッてまスゥ!」
「ぐるるぐるがるる!」(←訳:今年は北斎さん生誕250年だし!)

 江戸版画好きさん、
 お江戸デザイン好きさんは、ぜひ一読を!

「ネーさッ!
 おえどのォ、おかしはァ?」
「ぐるるぐるー!」(←訳:お江戸おやつー!)

 ……えへん、そうね、
 今の季節の江戸のおやつといったら、おそらく……
 焼き芋!!

「むぽッ!
 いもほりにィ、しゅッぱつゥ!」
「がるぐるるぐるー!」(←訳:たくさん掘ってきまーす!) 
 
コメント
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