テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

大根なれど、野菜にあらず?

2010-10-05 23:29:03 | ブックス
 祝『ワンピース』復活!
 タヌキチくん、いえ、チョッパーくん相変わらずキュートだわ!
 こんにちは、次号の週刊ジャンプが楽しみ~♪なネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「ぐるるるっ、がるるるー!」(←訳:トラキチ…じゃなくてっ、虎ですー!)

 では本日も、タヌキとクマとトラに化かされた心地で、
 の~んびり読書タイム!と参りましょう。
 こちらを、どうぞ~!


 
                   ―― にわか大根 ――



 著者は近藤史絵さん、画像の文庫版は’08年3月に発行されました。
 以前に御紹介いたしましたね、
 お江戸は南町奉行所の同心・玉島千蔭(たましま・ちかげ)さんが活躍する
 『猿若町捕物帳』シリーズの一冊です。

「むはァ~……きょうはァ、おえどみすてりィ、でスかッ」
「がるるるっ!」(←訳:御用だ御用だっ!)

 ええ、御用だ御用だー!がトレードマーク、
 捕物提灯を掲げて夜道を疾走する取り方さんたち、
 呼子が鳴ったり、水路傍では大立ち回り……という
 TV風の時代劇&捕物帖とはちょっと違う、
 しぶ~い江戸ミステリがこの御本です。

 著者の近藤さんは、
 つい先日ご紹介しましたプロ自転車競技を背景にしたミステリ『エデン』や、
 『サクリファイス』でも知られるように、
 ドラマチックなストーリーで読み手を魅了する作家さんですね。
 この『猿若町捕物帳』シリーズでも
 小さな出来事が大きな事件へ、
 変転してゆくさまが、まさにドラマ!

「うむッ♪
 きょうもォ、おやぶんさんがァ、はしりまスッ!」
「がるぐるがるる!」(←訳:同心さんもね!)

 表題作の『にわか大根』――
 上方へ巡業に行く前は、
 たいそう良い役者だと評判を取った若手女形さんが、
 どうしてか、
 一年ぶりに江戸に戻って舞台に立てば……
 ありゃりゃ?
 台詞はたどたどしくて、
 肝心の場では動きを忘れたみたいに立ち往生してしまって、
 挙句、お客さんから

  にわか大根~!

 なんて掛け声を浴びせられてしまう始末。

「わきゃッ! はずかしィッ!」
「がるがるるる!」(←訳:舞台は怖いよ!)

 一年前と現在と……
 いったい何が人気役者さんをかくも変貌させてしまったのでしょう?
 美しい顔立ちはそのままなのに、
 まるで別人……。

 異変は、さらなる異変を招きます。
 千蔭さんが大根芝居を見物した数日後、
 芝居小屋には、
 北町奉行所の同心さんたちの姿が……。
 
「じけんでスゥ!」
「ぐるるるっ!」(←訳:御用ですっ!)

 『吉原雀』、『にわか大根』、
 そして『片陰(かたかげ)』の3編が収められた
 連作お江戸ミステリ短編集、
 『サクリファイス』&『エデン』ファンの方々も
 ぜひ、近藤さんのお江戸ミステリ世界で《謎》探訪を!

「わきやくゥさんたちもォ、いいかんじィ~でスゥ!」
「がるがるぐるがるる!」(←訳:みんなで現場へ走りましょう!) 
コメント (2)
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