山のあれこれ

山の楽しみのあれこれを紹介していきたいと思います。

2007年秋 秋田・岩手県境の山々 和賀岳から大荒沢岳

2008-01-24 | 山行
私より、5年も先輩のYさんはこの秋田・岩手県境の山々の踏破に長年執着されている。

10/13(土)早朝、夜行バスは雲の多い秋田県角館の街に到着した。メンバーはYさんとOさんと私の3人。タクシーで真木渓谷・甘露水へ向かう。Yさんとは、2年前にもここより真昼岳にご一緒させて頂いた。

甘露水(8:50)を出発して稜線の甲山分岐(10:50)に立つ。前回は無視界の元、ここより南下した。今日は、すっかり色づいた太い尾根筋の遙かに初対面の和賀岳が眺められた。紅葉した低灌木と笹と草もみじに覆われた踏み跡を辿り錦秋の国境稜線を北上した。山腹は緑の笹原、ここに朱と赤のパッチワークが散りばめられている。草もみじのオリーブ色、上空は青と白と、風が走り日差しと雲の影が凸凹の地表を走り回っている。冷たい北西風が左手から次第に強く当たるようになるなか、小祠のある和賀の広い山頂に着いた15:20。

実は和賀山頂より北東に約4kmの尾根が伸び、高下岳から根管岳、大荒沢岳に続く尾根へと繋いでいる。ところが、この間はひどい藪で地図上に点線はあるが刈り払いはされていない。今回は2日目に、ここを突破して大荒沢岳に達し沢尻岳から大木原(→貝沢)に降りることが、この山行の目的だった。(翌日出会った自然監視員のお話では、自然保護の見地からここの刈り払いは当分やらないとのことだった。)

その晩は頂上から南側に風を避けてテントを設営した。一晩中、雲は低く風が騒いでおり寒かった。明け方のラジオが岩手山、八幡平、鳥海の初冠雪を告げており、前々日の予報では横手地方降雨確率60%でいつ崩れてもおかしくなかった。

10/14(日) 逆算したところ行動時間オーバと、天候の悪化を予想に入れ縦走中止とし南へ下り高下口に降りることになった(6:05)。低い雲底と強風にせき立てられるようにコケ平からブナの巨樹の林立する森を下り和賀川に転げ降りる8:10着。YさんとOさんはかつて和賀川を渡った経験からさっさと靴を脱ぎ始める。冷たく、浅い河床を渡りきる。8:35対岸を登り始めた。高下岳につながるブナ尾根を回り込むと高下分岐(870m)9:15(高下岳へは2時間とある)もう、高下口はまもなくだ、しかも800m付近でケイタイが繋がりほっと湯田の駅前タクシーを呼べた。下山してすぐタクシーが登ってきた10:50。こうして、ほっと湯田駅には昼前に着いてしまった。

これから向かう和賀岳が遠くに


ほっと湯田の駅風呂と駅前食堂での下山祝い、さわやかな秋の風を感じながらホームで北上行きの列車を待つ。目的の大荒沢岳には達することの出来なかった残念山行だったが、錦秋の奥羽山脈の懐深くを歩けた実りの多い山旅になった。
コメント
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