中国単身赴任生活 東京浦島太郎編

10数年住んだ中国を離れて東京のサラリーマン。浦島太郎です。
今は、自転車、写真、ジュリエッタなどのブログです。

回る鍵

2007-01-31 | 生活
私の部屋、鍵が回るんです。

鍵が回るのは当たり前かも知れませんが、私の部屋の場合は、毎日というか毎回鍵を開け閉めする度に、鍵が抜ける場所が変わるという不思議な鍵なのです。

まあ早い話が壊れている、と言う状況に近いんですが、どういう壊れ方をしているのか、使用上は全く問題のない状態なんですね。

ただ単に毎回鍵を差し込む向きが違っているとか、抜ける角度が違うとかという使い勝手の問題です。


そうは言っても鍵ですので、万一夜中に部屋に帰り着いたときに開かない!という面倒な状況を避けるために会社の女の子に状況を言って、修理を御願いしました。

しばらくして彼女から電話がかかってきました。
「鍵開きますよ?」

だ~から!!何度も言ったじゃないか! 開かない訳じゃない、閉まらない訳じゃない、何時壊れるか判らないから修理してくれと言ったんだろ!

予想どおりの展開です。

使える状態なのに修理するのは無駄!というのが彼らの基本的な考え方です。

予防保全、事前点検、彼らの発想には馴染まないのでしょうね。

壊れてから修理する!


さてもう彼女が出かけてから4時間ほどが経っていますがその後の続報が全く来ません。

どうなっているのかが凄く心配になってきました。

結構鬱なサイクル?

2007-01-31 | 生活
いつも元気に見える私ですが(人によっては怪物くんとも呼ばれます)そうは言っても一応普通の人間ですので、気分が躁気味になったり鬱傾向になったりと波があります。

田舎町での生活は何と言っても変化に非常に乏しいというのが最大の難点です。

外国の現法で仕事をすると言うこと自体がまあかなり刺激的な事でしょうが、長いこといると外国にいるという意識もそんなに無く、毎日違う事件を何か起こしてくれる現法生活もそれなりに慣れてしまいます。

そうなると田舎町ですから娯楽があるわけでもなく、やることと言えばゴルフ、読書、DVD見る、按摩屋へ行く、飲みに行く、位しか選択肢がありません。

普段はこういう生活で何とかしているのですが、たまに違うこともしてみたくなります。


と言う精神状態のせいかどうか、夕べ夕食後にブラブラと気分転換に散歩をし、入ったスーパーで野菜をあれこれ買い求め、夜中に野菜スープ作ってしまいました。

綺麗にあく取りしながらグツグツと煮込み、夜中の12時頃に一応完成です。

ちょっぴり味見をしてから満足して寝ました。

きっかけは何もなかったんですが、どうなっちゃんでしょうかね??

危機一髪!

2007-01-31 | 生活
先日私の会社(現法)の社長が強盗スレスレというきわどい事件に遭いました。

我々は町中の普通の(正確に言うと普通よりはだいぶ高級ですが)アパートに住んでいます。一応アパートの門には24時間保安の人間が立っていますし、アパートの建物の入り口には鉄格子の門がもう一つあって中に入るには暗証番号が必要だったりします。


社長が家にいるとピンポンとチャイムが鳴りましたので、家の中扉を開けると人相の悪そうな奴が二人立っています。(我々の家は家の玄関も二重です。外には鉄格子の扉があり、中の扉を開けても鉄格子の扉を開けない限り外の人は家に入ってこられません。)なんだか家の中を見せて欲しいと言っているようですが、大家の許可は得ているとか何とか言っていたようです。

社長は懸命にも彼らを決して中に入れることはしなかったために無事でした。

彼らの言うことを信じて中に入れていたら、今頃はその後の対応に追われまくっていたと容易に想像できます。


見知らぬ人間の言うことは、どんなに理屈が通っていようと、もっともらしく聞こえようとも全く無視するというのがここでの生活常識です。

日本と同じ感覚でいたら命がいくつあっても足りません。

僕たち現法!町工場!

2007-01-29 | 仕事
我々現地法人に来ていて面白い事は、毎月毎月利益や損失がはっきり出て、親会社にいたときには関係しそうになかった財務やら人事やら労働組合やら、まあ何でもかんでもやらなくてはいけないというごった煮状態なのですが、時々、出身母体親会社様の大会社体質に泣かされることがあります。

むろんここに詳しいことは書けるはずもないのですが、ある事を認可して貰わなくてはいけません。そのためにいっぱいある親会社様にご了解を得なくてはいけないのですが、まあ結構大変です。

海外現法をいっぱい持っている商社の株主は、「了解!」とほぼ即日のように回答をいただけます。即日でなくともキチンと資料を出しておけば、管理部署の方々のご尽力で非常にスムーズに了解をいただけます。

問題は自分の所ですね。。。

管理部署の方には本当にありがとうございます!といくら頭を下げても足りないくらいお世話になっています。この作業自分で出かけていってやろうとしたら、多分ストレスで胃潰瘍くらいは覚悟しなくちゃいけなくなりそうです。


「なんで?」「なんで?」「なんでこんなに??」

そりゃ大会社ですから、管理だってしっかりしていて、間違ってもうちの町工場みたいに「金が回らん!!」なんて心配もしなくて良いでしょうし、何かあっても日本の優秀な銀行さんがきっちりとサポートしてくれるでしょうから、そう言う疑問が出てくるのもわかりますが、

あぁた!ここにあるのはこの国の良く判らん銀行だけで、政府がなんか言えば「はい判りました!」とさっさと外資系町工場に返済を要求するんですよ。

「そこの国の事情を一番よく知っているのは現法の人間だ!万一を考えてそこまで心配するのが、おまえらの仕事だろう!」と何かあれば必ずこう言われるので取っている安全策を「なんで???」と何度も何度も聞かれるとどうしても言いたくなってしまいます。

じゃあ、あなたが来てやってください。

若者の労働意識(その3)

2007-01-26 | 仕事
低学歴のまま卒業をして、そのまま就職せずに「仕事を探す」事にした若者の労働意識について述べてみます。

まずこういう階層の若者はいくつかに分類されます。
1)農家の長男で、いずれは農家を継ぐことになる。
2)田舎を離れて出稼ぎに行きたいが、家庭の事情で離れられない。
3)金は稼ぎたいが、出稼ぎに行くのは嫌だ。
4)いずれは家を出て行かなければならないが(次男以下)ブラブラしていたい。

1,2の分類層はその土地を離れられない状況で、且つその土地には、収入の良い稼ぎが無い、または仕事そのものがない、というものですので、遠くない将来家の農家などを継ぐことになります。若者にとっては他に選択肢がないという状況になります。

問題が深刻なのは3,4の層でしょう。

元々就職を探さなければならないような家庭環境でありながら、まず他の人達と同じように家を離れる決心が出来なかった人々です。 家を離れて違う土地に行くという辛さを選択せずに、まずここで楽な方へ動いた層と言っても良いかもしれません。

または動くのが嫌だと言わずに、自分はここにいても充分稼ぐことができる、と思いこんだ層だとも言えます。

現在の中国は、かなり田舎の農村であってもちょっと出かけてゆくとインターネットカフェがあったりします。PCを買うようなお金が無くとも1時間数元のお金でインターネットやゲームが出来ます。
QQと呼ばれるチャットのようなものや、株のオンライントレードだって何でも出来てしまいます。

他にすることもないのでインターネットカフェに閉じこもり、一日中QQやゲームに興じるようになります。どこの国でも同じかも知れませんがオンラインゲームのポイント(私はやったことがないので詳細はわかりませんが)が彼らの間で通貨として流通を始めます。

こういうオンライン上の貨幣が実際の社会でもQQを通じてお金で取引されるようになってきているのです。


一日中PCに向かっていると「何かをしているような」気になります。オンライン上の貨幣のおかげで実際の所得になったりします。

誰かが株やオンライントレードでちょっと儲けたりします。


こういう状況から、社会を見ることなく働かなくなっている階層が急増しています。

私はここに非常に危険を感じます。都会に出てきてスリやかっぱらいをしている連中は危険ですが、社会に出てきています。不必要かも知れませんが社会の構成要素の一つとなっています。

それに対して、田舎に引きこもったまま社会を知ることなく、オンラインの世界でゲームの通貨を収入として働かない階層が存在し、どんどん増えていって居ること。


とても不気味な存在だと思いませんか?

試打会なんかやっていました。

2007-01-26 | ゴルフ
いつもの体育中心練習場へ行くと「本間ゴルフ試打会」なんて書いてあります。

この練習場、普通の陸上競技場です。夜だけスタンドの下にマットひいて打ちっ放しの練習場に早変わりします。こんな練習場なんて、世界広しと言えども、この町にしかないんじゃないかなぁ。

本物の本間ゴルフでした。

聞くとすぐ傍の体育館新館に店を出したとか。

今までは確実に本物が欲しければ、この練習場の傍に一軒だけあるゴルフショップがミズノの代理店だったのでそこでミズノ製品を買うしかなかったのですが、(そのおかげでこの町にはMPシリーズのアイアンが溢れています。)本間まで出てきたとは知りませんでした。

せっかくの機会ですので試打させていただきました。絶対手のでない値段に決まっているBERESシリーズ。

良いですね。打っているだけなら欲しくなるかも知れませんが、値段聞くと絶対買いたくなくなる値段に決まってます。

上海の本間ゴルフでも、アイアンセット2万元!なんて平気で値段付いていましたから。
「誰が買うの?」と上海の店員さんに聞いたら「金持ちの中国人ばっかりです。日本人はほとんどまず買いません。台湾人も香港人もケチだから買わないし。。。でも1週間に10セットは間違いなく売れています。」だと。

同じ値段だったら、昔のモグラのマーク付いている奴の方が良いなぁ、と思いました。

この町でも金持ちの中国人だけがターゲットなんでしょうね!
今度お店をのぞきに行ってみましょう!

週の初めは痩せて週末が近づくと太るものなーんだ?

2007-01-26 | 生活
なぞなぞですが、日本でも同じような現象がありますよね。


答えは新聞です。

この町の新聞は「折込広告」は非常に少なくて、みんな広告が紙面になっていますので、月曜日はほとんど広告無し、だんだん増えてきて金曜日が最も分厚い紙面になります。


まあ半分以上は不動産の広告。その次に多いのが家電量販店、薬、車と続きます。

毎朝出勤する車の中で斜めに読んでくるのですが(ほとんどの記事は見だし読むだけです。)金曜日は全部読み終わらないうちに会社に着いてしまいそうです。

じっくり本文も読んでいたら1日終わってしまいそうですね。
ちなみに本日の「海峡都市報」全部で88ページ。

手元に1週間分があったので推移を見てみましょう。
22日(月)32頁 不動産1、家電1、車1、薬2、その他2。
23日(火)48頁 不動産7、家電2、車2、薬4、その他1。
24日(水)56頁 不動産9、家電9、車1、薬6、その他3。
25日(木)72頁 不動産9、家電4、車7、薬6、その他7。
26日(金)88頁 不動産21、家電8、車1、薬8、その他9。

分類別の広告頁(概数)です。半分くらいは広告と言うことですね。

でも1週間分拾ってみると意外とコンスタントに薬(含む病院などの広告)が多いと言うことがわかりますが、薬なんかの広告は一般の記事に見えるように作られているのが特徴です。

それに対して不動産は1頁使ったイメージ広告がほとんど、家電は赤い紙面に黄色の金額など、派手派手ムードで「今買わなくちゃ!!」という雰囲気を盛り上げています。

車は割とみんな地味目ですね。写真があっても白黒広告。不動産や家電のようなカラーでギンギンというのはどこの会社もほとんど無いですね。


でもこんなに広告があっても私のように買い物をする気のない人には、邪魔なだけです。

若者の労働意識(その2)

2007-01-25 | 仕事
真面目にどこまで続くか判りませんが。。。

さて、入り口で大きく分かれる労働に対しての考え方ですが、新卒で就職することを選択し、企業に勤める(ずっとと言う意味ではありません)若者の考え方というのを述べてみたいと思います。

まず最初に特徴的なのが、「事をなす」為の蓄えをしなくては、という考え方です。

主体はあくまでも本人個人です。会社に入ったので会社のために一生懸命働いて発展に寄与します。とは間違っても考えていません。会社を選択するときに考えるのは、まずその企業そのもののブランド力、知名度、自分に与えられそうな業務、得られそうな収入、付帯的にあるはずの福利厚生 等です。

もちろん自分の実力だったら、どの位までは上昇可能でどの位の権力が得られそうか、と言う点も重要な部分を占めます。

一般に日系企業が好評でない原因は、この最後の部分と言われています。どこまで行っても経営幹部は日本人、へたをすると各部の部長までも日本人が占めて現地スタッフは決定権を渡されない、という評価をされています。決定権を渡されない=権力を持てない=いつまで経っても使われているだけ、という認識になり上昇志向の強いこの国の人々にはウケがよくありません。

この国は広いのでこの地域の特性かもしれませんが、「人たるもの独立して自分の会社、店を持つものこそが成功者」という概念が非常に強いので、企業の中においてもある部門の長となり、部下がいて、その人事権をある程度握れるというのがその企業に於ける自分自身の満足に繋がります。いくら上司に受け、給与が増えたとしても部下と責任を持たされなければ満足できません。

自分が選択して就職した会社が、どういうタイプの会社なのか、就職してから彼らが気にする部分はここにあります。

各部門の長が中国人で、実務を切り回しており、またそう言う幹部連中が社内で抜擢されているという会社であれば、結構真面目に頑張ります。同期と競争し、先輩だろうが何だろうが自分を主張しながら上昇を目指します。その上で「こいつには勝てない」という相手が出てきたら、改めて自分の先行きをどうするのか検討し始めます。

逆に各部門の長が外国人であったり、または常に外部から人を探してきているような会社の場合は、自分がこの会社にいてよかったと思える部分の吸収に全力を尽くします。会社に尽くすのではなく、将来の自分にプラスになることを吸収しようとするのです。
で、吸収し終わった、もうこれ以上ここにいても自分は成長しないと考えると他の企業へ転職を考えたり、独立をしようとしたりします。


共に根底にあるのは、会社は自分にとって何をしてくれるところなのか、という自分中心の考え方だと思います。自分が会社に何が出来るか、何が貢献できるかではなく、何を与えてくれるところなのか、何を自由にさせてくれるところなのか、なのです。

だから日本から来た人には違和感があると思います。新入社員で入ってきたばかりの若者が「よその会社ではどうです。」「あっちにはこんな良い福利厚生があります。」「あの会社のボーナスはこんなに良いです。」と基本的に、よそと比較した上での要求をしてくるばかりです。

仕事もまだ満足に出来ないくせに要求ばっかりしやがって!と思うでしょう。でも彼らが上述したような気持ち、感覚で仕事をしていると思えば理解できるようになりませんか?

自分が仕事をする環境(含む給与や福利厚生)が他社よりも劣っている、と言うように彼らは理解しがちです。総合的に判断するというのではなく、相手が良く見えるところだけをピックアップして言ってきますので、全体感をよく説明してやりながら、彼らに「自分が劣った環境に居ない。総合的に判断すれば良いところにいるんだ。」という満足感と他者に対する優越感を与えてやらなければなりません。


こう述べてくると「自己過信」「過大な自己評価」であり、ブラブラしている奴らと何も違わないではないかと言われるかも知れませんが、会社組織に居て先輩、上司を通じて自分を会社内の尺度で見てゆける、という機会を持っていることが大きな差なのです。

ほぼ全員が「独立志向」を持ち、「過剰な自己評価」をしがちであるというのは基本認識としておくべきだと思います。

ではなぜそう言った彼らが会社に居続けるのでしょうか?

私は、何時も優秀な奴でありながら不幸にしてNO.2またはNo.3になっている奴らから辞めて行くのを見てきています。

会社が(仕事がと言っても良いですが)自分に与えてくれるメリットと自分の要求、欲求が達成されない不満感のバランスが崩れたときに、こういった優秀な奴はスパッと辞めてゆきます。


もっとも大多数の退職者は、「毎日会社に来るのに疲れた」「交代勤務が辛い」というような理由で辞めてゆくのですが、こういう奴らは最初の選択で何かの要因で無理をしていた奴だと思っています。

------その3では、最初に「自信過剰の道をえらんだ若者の意識」について述べてみたいと思います。

若者の労働意識(その1)

2007-01-25 | 仕事
どんどん高学歴化が進み、この国も学歴社会になってきているのは確かであろう。

そんな中で農村出身の若い男性の労働に対する意識はどうなっているのだろうか。

実態を知れば知るほど、この国の将来像が見えない。非常に危うい橋を突っ走っているように感じてしまう。

(今回は割と真面目な内容を真面目に書いています。)

何度も書いているように高学歴化が進んでいるのは、都市部の「一人っ子政策」が守られており、所得が順調に伸びていって居る階層である。

農村部の子供の数は、一人っ子などではあり得ない。この田舎町周辺では3-5人兄弟は当たり前である。農村部出身の彼らの学歴の多くは中学校卒業、または中学専門学校卒業である。

問題はこの中学校卒業、乃至はそれ以下の学歴の階層であろう。中学校までは義務教育であるのはこの国でも同じであるが、義務教育というのは親が学校に行かせてやろうと思わない限り、国が義務だと言ったところで何の役にも立たないという事実を認識すべきである。この国には義務教育未終了者が、それこそ数億人居ることは明白な事実である。

農村に居続けても家を手伝う以外に現金収入はない。近所の町へ出かけていって商店や飲食店、小さなホテルなどで働いても収入は非常に少ない。


ここで大きな選択肢がある。

一つは周辺の大きな都市部や広東省や上海地区などの発展工業地区へ「単純労働力」としてキチンと就職し、出稼ぎに行く。

もう一つは、近所の町でなんとかならないかと仕事を探す、という選択肢である。

この2つは似ているようで全く違う。最初から単純労働力として出稼ぎに行くというのは、学校を出てすぐに働き始めると言うことである。

仕事を探そうとする、というのは聞こえは良いが、要はブラブラしている、だけである。


人間誰しも楽して稼ぎたいというのは同じであろう。でも卒業後間髪を入れずに働き出せば、どの位苦労してどの程度の稼ぎ、というものの目安が出来る。

ブラブラしていれば(日本のフリーターのようにアルバイトをしているわけですらない)自分の社会的目安が出来ないうちに「自己過大評価」が始まる。無論周囲の成功例が無いわけではないのでそうなるのであるが、成功例の人々の「努力」の部分は意識的か無意識かを別にしてほとんどの場合忘れ去られて、自分も成功者になれる、という自分勝手な妄想が生まれることになる。

一旦こういう夢(妄想)を持った人間がどこかの会社に就職すると言うことは非常に困難になる。どこの会社でも「試用期間」が3ヶ月から半年間有り、この機関の給与は非常に低い。低学歴の人間の平均給与は無論政府が発表しているような「給与所得者の平均給与額」には遠く及ばず、試用期間中の給与など雀の涙ほどである。この田舎町界隈の中国系メーカーの中学卒試用期間中給与は相当高いところですら700-900元/月位である。

単純労働に近い、もしくは限りなく肉体労働に近い業務内容でもあり、彼らの自己認識とは全く異なり、不満だらけの内容であるために、試用期間中にほとんどの場合が辞めてゆく。または面接を受け、翌日は出勤しないと言うことになる。

企業側もこういう実態は十分理解しているので、試用期間中の者に何の期待もしていない。100人取って5人残れば良い、位の考え方である。また試用期間終了後にどういう待遇になり、どういう業務になるとは本人に何も伝達せず、と言う場合がほとんどになる。

言ってみれば、本人が継続して働けるかどうかと言うのをテストしているとも言える状況である。この「毎日出勤できるかどうか」という程度のことすら守れない階層が多いと言うことの裏返しなのである。


これに対して新卒、即就職、という連中は最初の試用期間中を学校の延長線で捉えているのか、かなりの確立で企業の思うように成長してくれる。また学校からの推薦もあって就職しているような場合は、優良企業に就職したような場合には学校に推薦費を払わなければいけない(!!)場合が多く、その回収、後輩のことを考える様なケースも多いようで試用期間中に辞めてゆく比率は非常に低くなる。


以上のように低学歴階層の労働については、スタート時点でのほんとうに「初めの一歩」の踏み出し方で全く違った将来になってくる場合が非常に多い。

日本などでも同じような状況は当然見受けられるものと考えているが、この国での場合「一つの会社に勤め続ける気はほとんどの場合無い」という気質も手伝って更に大きな較差の源になっていると考える。

------ その2 へ続きます。

法律や運用が変わるとハンコが増える。

2007-01-24 | 仕事
昨年から「不適切な投資」を抑制するために、銀行の貸出枠が以前よりも厳しく管理されるようになっている。

完全にバブルと化している不動産投機や過剰設備になっている業種への更なる参入などを抑制する目的と言われているが、既存の企業にももちろんいろいろな影響が出てくる。

簡単に言うとお金を動かすときにハンコを押さなくてはいけない書類が増えます。

私たちはこういう理由でこの金額を必要としているのです。というような書類を作成したり、この外貨の人民元への交換はこういう契約書に基づいて必要なのです。というような書類を作らされることになるわけです。

でも、こういう書類を書く手間くらいでバブル投資が減少するとは全然思えませんが・・・

この国のお役人さんは許認可権を持っている責任者の「代理」という考え方がありません。その責任者が出張や休みの時はひたすら帰りを待つしかありません。代わりの人は居ないんです。

なぜでしょうね。 そりゃ簡単ですよ。 

許認可にはお金のニオイがするじゃあありませんか。

この責任者が承認さえすれば、良いんです。

もちろん決められていますよ、許認可してはいけない範囲やら基準やら。だって法治国家ですもの。

でもねぇ・・・・

まあいいか。人の国のことだし。