昨日、暑さが峠を越えた時間を見計らって、ネジバナを見にいって来ました。
その場所は少し離れたところにありますが、道路の中央分離帯で、芝生に覆われた緑の帯が300~400メートルほど続くところです。
このグリーンベルトの両端はそれぞれ車道ですが、緑の帯の中は縁石で仕切られていて至極安全な場所となっていますので、時には草に腹ばいになって撮影したりしました。
コマツナギ ↓
車道脇の法面には、コマツナギの花の蕾が咲き出す準備を整えています。
クサボケ ↓
同じく法面の所々でクサボケの花も見ます。
さて、いよいよネジバナの咲くグリーンベルト内に入って行きます。
ここからはネジバナばかり15連発していきます。
その前に牧野富太郎先生の植物図鑑からネジバナ(図鑑ではもじずり)の記述の概略を引用しておきます。
以下記述概略引用:
357. も じ ず り(ねじばな) [らん科]
Spiranthes sinensis Ames
日本全国の原野の芝地又は田のあぜの草中に多い多年生草本. 高さ15~30㎝
地下には白色多肉の紡錘根が3~4集まっている. 葉は根生で斜開し, 広線形を
し, 淡緑色で尖り全縁, 主脈は凹み葉底は短いさやをしている. 夏に葉間に
10~30cmの茎を1本出し, 淡緑色で丸く, 上部にねじれた穂状の花序を出して
多数の桃紅色の小花を綴り, その様子は大変かれんである. 花軸には子房と共
に立毛がはえる. 花は側向し,鐘形で平開しない. 花被片は卵状披針形, 唇弁
は淡色で倒卵形,上部には広く縁に細かい歯形を刻み,そり返っている. 子房は
楕円体で上部は側向し緑色有毛である. [日本名]捩摺は捩れ摺りの意でシノ
ブモジズリの語に基ずいてこの花がモジレて巻く様を説明した名前である.ネジ
バナはねじれた花序からついた名. [漢名] 盤龍参
引用終了
難しい専門用語がちりばめられている中で、意外に感じたのは「その様子は大変かれんである.」・・・・と図鑑内で感情を吐露していることと、植物名の由来にまで言及している点ですね。大天才の先生は植物だけではなくて、古典文献にも相当造詣が深かったのでしょうね。
♪みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに♪ 河原左大臣 古今集と百人一首にあった歌を添えます。
以下に、このブログで頂いた俳句や、ネット上で見つけた句などを添えていきます。
近写 ↓
もじずりの螺旋階段風に揺れ Craft.SUZUKI(敬称略 以下同じ)
兄弟 ↓
ネジバナや強く巻きたり遠く飛び 縄文人
姉妹 ↓
ねじばなの個性のままにそのままに 亭主駄句
再び近写 ↓
捩花の一本に風旅の僧 加藤三七子
もののはずみ ↓
捩花のもののはづみのねぢれかな 宮津昭彦
ちり~ん ↓
遠ざかる遍路の鈴や捩花 有馬朗人
攀じる ↓
青芝の中なる捩花いっぽんに 背景は消えゆきゆきて夕 吉野裕之
近写に拘る ↓
捩花のまことねぢれてゐたるかな 草間時彦
群舞 ↓
捩花群れ咲くといふほどならず 行方克己
色の淡い花 ↓
昏々と愛捩花に子が生る 栗林千津
捩花を挿し正面を決めにけり 日原傳
一本だけ頂いて家で一輪挿しを楽しもうかとも思いましたが、それも殺生に繋がりそうで、今回は諦めました。
家に戻ったのは夕食時間になっていました。
その場所は少し離れたところにありますが、道路の中央分離帯で、芝生に覆われた緑の帯が300~400メートルほど続くところです。
このグリーンベルトの両端はそれぞれ車道ですが、緑の帯の中は縁石で仕切られていて至極安全な場所となっていますので、時には草に腹ばいになって撮影したりしました。
コマツナギ ↓
車道脇の法面には、コマツナギの花の蕾が咲き出す準備を整えています。
クサボケ ↓
同じく法面の所々でクサボケの花も見ます。
さて、いよいよネジバナの咲くグリーンベルト内に入って行きます。
ここからはネジバナばかり15連発していきます。
その前に牧野富太郎先生の植物図鑑からネジバナ(図鑑ではもじずり)の記述の概略を引用しておきます。
以下記述概略引用:
357. も じ ず り(ねじばな) [らん科]
Spiranthes sinensis Ames
日本全国の原野の芝地又は田のあぜの草中に多い多年生草本. 高さ15~30㎝
地下には白色多肉の紡錘根が3~4集まっている. 葉は根生で斜開し, 広線形を
し, 淡緑色で尖り全縁, 主脈は凹み葉底は短いさやをしている. 夏に葉間に
10~30cmの茎を1本出し, 淡緑色で丸く, 上部にねじれた穂状の花序を出して
多数の桃紅色の小花を綴り, その様子は大変かれんである. 花軸には子房と共
に立毛がはえる. 花は側向し,鐘形で平開しない. 花被片は卵状披針形, 唇弁
は淡色で倒卵形,上部には広く縁に細かい歯形を刻み,そり返っている. 子房は
楕円体で上部は側向し緑色有毛である. [日本名]捩摺は捩れ摺りの意でシノ
ブモジズリの語に基ずいてこの花がモジレて巻く様を説明した名前である.ネジ
バナはねじれた花序からついた名. [漢名] 盤龍参
引用終了
難しい専門用語がちりばめられている中で、意外に感じたのは「その様子は大変かれんである.」・・・・と図鑑内で感情を吐露していることと、植物名の由来にまで言及している点ですね。大天才の先生は植物だけではなくて、古典文献にも相当造詣が深かったのでしょうね。
♪みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに♪ 河原左大臣 古今集と百人一首にあった歌を添えます。
以下に、このブログで頂いた俳句や、ネット上で見つけた句などを添えていきます。
近写 ↓
もじずりの螺旋階段風に揺れ Craft.SUZUKI(敬称略 以下同じ)
兄弟 ↓
ネジバナや強く巻きたり遠く飛び 縄文人
姉妹 ↓
ねじばなの個性のままにそのままに 亭主駄句
再び近写 ↓
捩花の一本に風旅の僧 加藤三七子
もののはずみ ↓
捩花のもののはづみのねぢれかな 宮津昭彦
ちり~ん ↓
遠ざかる遍路の鈴や捩花 有馬朗人
攀じる ↓
青芝の中なる捩花いっぽんに 背景は消えゆきゆきて夕 吉野裕之
近写に拘る ↓
捩花のまことねぢれてゐたるかな 草間時彦
群舞 ↓
捩花群れ咲くといふほどならず 行方克己
色の淡い花 ↓
昏々と愛捩花に子が生る 栗林千津
捩花を挿し正面を決めにけり 日原傳
一本だけ頂いて家で一輪挿しを楽しもうかとも思いましたが、それも殺生に繋がりそうで、今回は諦めました。
家に戻ったのは夕食時間になっていました。
芝生や背丈の低い雑草の中等で増えていくみたいですね。
ピンクのネジバナが主流ですが、淡い色や白色のネジバナは珍しいかと思います。
お庭に芝生があると、その中からネジバナが顔を出してくる。これは何とも嬉しい眺めですね。
この植物の生育環境ですが、地面の湿度も大切でしょうが、一方では日光も絶対要件なのでしょうね。
ネジバナにとって一面の芝生というのは最良の条件なのかもしれませんね。
今回白っぽい花をいくつか出しましたが、この場所でこういうものを見たのは初めてのことでした。
夕方に近い時間でしたが、この時期は日暮れまで大分余裕がありますので、のんびりとネジバナ探しを楽しみました。
果実部分を折り取って採取するのは微細な種子ですね。
実生ということを思いつきませんでしたが、そういう手もありましたね。
以前は芋を掘り上げて鉢に移して栽培を試みましたが、上手くはいきませんでした。
ラン菌…云々の問題もあるのかなと思いましたが、一回の失敗に懲りてその後は、その方法を止めましたが、種子採種のやり方は悪くはないと思いました。
”その時期”に覚えていたら試してみたいですね。
ネジバナから何かありましたでしょう・・か。
ネジバナは単独よりも絡み合って生きる、花言葉「思慕」。
ネジバナや「思慕」の言葉や愛託す
互い寄り添い支え合うなり (縄)
東京も梅雨前線がAM激しかったですが、今は通り抜けたようです。
、
>ネジバナは単独よりも絡み合って生きる・・・・・・一本の花軸を花は下から上にらせん状に回って登って行きますね。その有様は、仰言るように絡み合って生きるように見えます。
また、近接した二株の場合、対になった二本の花軸の花は、右巻きと左巻きのものに分かれてそれぞれの花軸に絡み合って調和を作っています。
としますと、兄弟・姉妹に喩えるよりもむしろ恋人同士に喩えた方が相応しかったかもしれませんね。
そう思えたところに頂いた歌でした。
「心行くまま、赴くままに」・「寄り添い・支え合う」恋人同士が一番お似合いでしたね。
梅雨時はネジバナの花の季節でもありますね。
我が家の芝生庭の中でもおよそ100株が育って、花を咲かせています。もとはといえば、千葉の先輩の方が1株を送ってくださったものが、20年でこれだけに増えました。
御画像のものは白っぽい花や淡い色の花が多いですね。
うちも数が多いので、たまには白花が出ても良いかと思いますが、まだ見たことがないです。
ニワゼキショウのほうはある程度咲いたら、花後は3分の1ぐらいに抜きますが、ネジバナは1株たりとも抜かないので、増える一方です。
布団干しの時など、うっかりと踏むこともよくありますが、それでも健気に育ってますよ。
私にとってはいちばん身近なランです。
お庭に芝生があって、そこに毎年ネジバナが咲いて来る・・・素敵な光景ですね。
千葉県の一株が香川県で毎年株数を増やして咲き続けて20年で100にまでなりましたか。
生育環境がマッチしたようですね。
御コメントにあるように、シロバナは珍しいですね。
この記事の場所には毎年のように来ていますが、この場所で白花を見たことは一度もなかったのですが、今年たくさん数を見ているのは、恐らく不安定要因が出て来たからなのでしょうね。
来年のことを少し心配して居ます。
除草剤を撒いたりすると、よく脱色された花が咲きますね。
芝生の中に同じようにニワゼキショウも混じりますか。
こちらでも付近の公園では同じような状態ですが、それに比べるとネジバナの数は随分少ないのが残念です。
確かに小さくて可憐なこの野生ランは踏みつけたりはできませんね。
昔「千代蘭」として園芸的に小ブームになったことがありましたが、今は下火になっていて、却ってほっとしています。
子供心に、細い一本の蜘蛛の糸を手伝いで極楽まで登るのは地獄の責め苦に等しいのではないか?と疑心暗鬼になっていたものです。まぁ、児童文学だから突拍子もない展開も受け入れられるんでしょう。
脈絡のない書き込み、ご容赦ください。
記事に関連したコメントですので決して「脈絡のない」ということはありませんからどうかご心配なく。
蜘蛛の糸を必死によじ登る図は、たしかオリンピックで金ペダルを連発した女子レスリングの練習方法にもありましたね。あちらは綱をよじ登る方でしたが。
「蜘蛛の糸」・「杜子春」・「雨ニモマケズ」・「走れメロス」あたりは小学校の定番ではないでしょうか。
蜘蛛の糸の変わりにネジバナのらせん階段ですと、これはずっと優しい天国へのアプローチとなりそうです。
本日は夕刻に部分日食でしたが、残念ながら三河では太陽の輪郭すらも確認できないほどの曇り空でした。
最近月も良く見えませんし、太陽のこういう記念すべき日にも生憎の天気が続いています。
こうなると雨の後の虹に頑張ってもらわないといけませんね。