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de schilderkunst 絵画芸術








友達から日本で開催されている「フェルメール展」の心踊る話を聞いたので、わたしもウィーンで見たフェルメールについて書こう。


ウィーン美術史美術館蔵 フェルメール作De Schilderkunst「絵画芸術」 130cm × 110cm 部分


ハプスブルグのおかげで優れた芸術品が唸っている美術館はいくつもあるが、そのお膝元ウイーンの美術史美術館の充実度!
あの絵もこの絵もここにあったのか、と生き別れた肉親に再会するような感動がある。

わたしはこの絵を見るのが初めてで、美術史美術館での楽しみのひとつにしていた。
まずその大きさに衝撃を受けた。
この絵のあるコーナーにしばらく一人きりで佇んで独占。

ロンドンのナショナル・ギャラリーにも「バージナルの前に立つ女」と「バージナルの前に座る女」の2枚があり、よくふらりと見に行く(入館無料なので)。
両方ともとても小さい。小さくて美しい(両方とも50X45ほど)。

別に大きいからよりよいというわけではないが、今までにフェルメールのほどんどの作品を見ているにもかかわらず、愚かにもフェルメールの美しさは小ささに宿るなどど思いもしない思い込みをしていたようだ。
この「絵画芸術」の圧倒的美しさときたら! ...言葉になりません(逆に写真が下手で失礼)。


藤田令伊著「フェルメール 静けさの謎を解く」の中にはとても印象的な説明がある。

「(フェルメールは)現実の再現描写にとどまらない絵を探っていたことを物語っているように筆者には思われる。現実に依拠しない独立した世界としての絵画。何かを手本にしてそれを描くのではなく、絵画それ自体を描こうとした絵画」(4章)

おお、これこそが「タイトルの『絵画芸術』のいわんとするところではないのか、と。


ここには何度も描いているが、わたしはフェルメールをベルギーに住むようになってから特に好むようになった。

というのは、この画面にあるのは間違いなく、わたしが13年間住んだネーデルラントの古い家に差し込む光の再現だと思うからである(フェルメールの光についてはVlaams LichtHolands Licht)。
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