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barcarolle





英国隔離生活14週目が始まった。

来月7月4日からはイングランドの規制がさらに緩和されるが(内容は昨日の記事に書いた)、わたしの生活は大きく変わらないだろうと思う。

娘もオフィシャルに大学の休暇に入り、夫は以前からロンドンのオフィスには自由出勤、今後はさらに家で仕事をする方が普通になるだろう。
彼は家事が好きな上、問題解決も好きなので、とても役に立つ。
さしずめ娘はお抱えミュージシャンか。

週末、夕立が来て霧雨になり一気に21度あたりまで下がった。今日は温室の中のリビングが24度と快適だ。

雲の多い銀色の夕方、娘がショパンのBarcarolleを弾く。

垂れ込めるシルバーグレイの雲の切れ間に向かって船が走る。

友達とチャット中、娘がショパンの『舟歌』を弾いていると言ったら、彼女は「『舟歌』は私的にはブルグミューラーだ」と言った。これで2人目だ。
「メンデルスゾーンが捨てがたいけど、やっぱり八代亜紀の『舟唄』じゃない? あれはメロウな名曲ですよ」と言ったら彼女も低音で唱和してくれた。
お酒の似合う曲だ。
今度は今はやりのオンライン飲み会(断酒中だけど)やりたいなあ。わたし、笑死にするかも。

みなさんなさったことあります?
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日々のパン





イングランドでの隔離生活も今日から14週目になった。

昨日はブランチ用に「日曜日のパン」を焼いた後、ドライイーストの小袋が中途半端に余ったので、今日は娘の大好物のあんぱんを作った。娘との共同作業。

こしあんは日本の友人が送ってくれた救済物資のうちのひとつ。あんがおいしいおかげだろう、超ごきげんなあんぱんが焼き上がった。

木村屋のあんぱんを真似て、バター塊をあんこと一緒に入れようと思っていたのに(Aさん、その節は教えて下さってありがとうございます!)すっかり忘れてしまった。次回は必ず。

ベルギー人の夫は驚くくらいなんでもおいしいおいしいと食べる。もちろんあんぱんも大好物だ。12個できたので「ひとり4つ以上は食べないこと」と協定を結んだ。


......


来月7月4日からは再びイングランド内での規制が変わる。

レストランやパブなどの飲食関係、美容室、宿泊施設、屋外のジムや子供の遊び場、映画館、美術館やギャラリー、テーマパーク、図書館、社交クラブやコミュニティーセンター、観光地、礼拝施設や30人までの結婚式の再開が許可される。

6日以降には一部欧州への渡航が解禁されるというニュースが出たため、旅行がらみの予約が爆発的に増えているとか。今年、英国人に特に人気があるのはギリシャとスペインだそうだ。うちも早速あたりをつけている。

社会的距離は2メートルだったのが、1メートルになり、マスクや手洗いは相変わらず奨励される。

2つの世帯に限って集会が可能になるが、屋内での集まりはできる限り避けること、社会的距離を保つこと。

などである。


大陸ヨーロッパへの渡航が解禁になったら美しいドレスをトランクに詰めて車に飛び乗り、南へ行くのだ、と思っていた。
しかし、「旅行者が爆発的に増える」と聞くと無鉄砲なわたしもやはり悩ましい。人混み、行列、苦手だ。
また、自分が病気になることよりも、自分の行動が社会にどんな影響を及ぼすのかを考えてしまう。

新型コロナは各国の社会の持つ問題をあぶり出した。
誰が社会を支えているのか、どんな仕事がほんとうに必要なのか。

それは日々のパンである。
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日曜日のパン





焼けた。

日本から友達が大阪産のドライ・イーストを送ってくれたので、早速いろいろなレシピに挑戦している。


パン焼き機はブルージュ時代に内釜を駄目にしたあと購入していなかった。
ベルギーはパン屋さんのパンが美味しいのでさほど必要でもなかったのだ。

イングランドでの、この新型コロナウイルス隔離期間中に、世間と同じようにうちでもぜひ再導入と思ったが、どこも在庫切れが続いている。

強力粉もなかなかスーパーの棚に復活せず、ドライ・イーストに関しては今でも手に入らない。


英国といえばイギリスパン...
しかし、こちらには似て非なるものがあるだけで、日本の「イギリスパン」の方が比較にならないくらいおいしい。

英国は、言いにくいが、パンもさほどおいしくないとわたしは思う。最近ではちょっと高級なスーパーや店などではおいしいものもあるが、一般的にずっしり重く、バゲットなどの種類でも中がみっちみちで...


これから1週間寝かせた自家製ハムと一緒に日曜ブランチ。

自家製ハムとは偉そうだが、豚肉の塊1キロ半に塩をもんで5日間寝かせ、時々ドリップを取り除き、低音のオーブンで2時間焼いて一晩寝かせただけ。
うちはオーガニックの肉を直送で買っており、とてもおいしい。素材に関しては英国もおいしいものがたくさんある。英国のメシがまずいのは、ひとえに調理の仕方が悪いからだ。

桃が美味しい季節になったので桃のサラダも。桃とハムはとても合う。バルサミコと共に。
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イングランドの夏と窓




英国隔離生活13週目が終わろうとしている。
季節も春から夏へ。

今日は朝から霧のような雨が降っている。

暑いのが好きなわたしでもとてもありがたい...というのは今週は記録的な暑さだったからだ。

一昨日はついにうちの温度計は37度を指した。


英国の家というのは基本的に熱を逃さないようにできている。

もともとは緯度が高く「寒いところ」だったからだ(と思う)。
ちなみにロンドンは北緯51度で、モスクワと同じ。ロンドンの気温がモスクワほどでないのは暖流のおかげだそう。
札幌で40度、東京は30度でエジプトのカイロと同じ。そら暑いわな...

英国の庶民の家の窓サイズが小さめで少なめなのも保温の知恵なのかも...


いや、窓の数が比較的少ないのは、17世期末、ウイリアム三世の時代に家屋の窓の数に対して累進課税をかけたためだ。
英国の街を歩いていると、レンガや漆喰で埋められた窓の形骸をしばしば見かける。超芸術「トマソン」(不動産に付属した無料の長物)の一種かと思っていたが、これは節税のための苦肉の策だったわけですな。

この税は貧困家庭を直撃、窓の数や通気口を減らされ、日当たりと換気の悪い家庭ではチフス、天然痘、コレラ疫病が蔓延したという。
子供の成長や精神の健康にもめちゃくちゃ悪い。

もちろん所得税が導入された現在ではこの税は廃止されているが、英国の家屋のファッションとして残り、比較的新しく建てられた家でも受け継がれているのではないかと思う。

しかし昨今のグローバル・ウォーミングの結果上昇した気温には対応できないわけです...!


わたしはサリー州のたいへん緑豊かなエリアに住んでおり、南向きの庭に向かっては壁全面のガラス扉が開くが、反対側(北側)の窓が小さいので風が家の中を抜けていかないのである。
凪いだ空気が家の前で止まっているのが分かる...!!
昼間の暑い空気が夜中になっても家の中に篭り、扇風機をつけても澱んだ空気をかき回すだけでとにかく暑い。
家の壁は夜中になっても熱を溜めて魔法瓶のように熱い。

年/猛暑日で考えるとクーラーの設置は割りに合わない。

ハンモックを張って庭で寝ようかと何度思ったことか。

例えば南仏でも同じような気温だとは思うが、あちらの家は元から暑さに対応するようできている。外は酷暑でも日陰は涼しい。
家の周りには背の高い木が並び、木陰を作る。
床はひんやりした石か木材。天井は高く、窓も床から天井まであり、各部屋の扉はフレンチドアで大きく、シャッターつきで、外と内の境界が少ない。
日向を優しく遮る日除け。
庭にはドボンと飛び込めるプール!!

今後英国で新築の家のファッションもゆっくり変わっていくのかもしれない、なんてことを考えた。

ここ、イングランド南部では雪も積もらないし、冬手袋や帽子が必要になることもほとんど全くないから。


(上の写真はイタリアの窓。わたしの理想の窓!)


......


今夜もロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスから音楽とバレエの生中継があります!
日本だと夜中の3時半からになってしまうが、ロマンティック。明日お休みの方はぜひ。チケットが必要です。

https://stream.roh.org.uk/?_ga=2.13471668.280451234.1593255075-1140964602.1590168359
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イングランドいちごのタルト





イングランドはいちごの季節だ。

ベリー類は、英国で最もおいしいもののひとつだ。

英国人はウィンブルドン名物でもあるストロベリー・アンド・クリーム(いちごに生クリームと砂糖をふりかけたもの)が大好きだ。わたしも好き。大好き。
生クリームはゆるくホイップして、砂糖なしで、バルサミコとはちみつをちょっとかけたい。マスカルポーネもよい。


上の写真のいちごタルトはピエール・エルメのタルト・イスパハン(フランボワーズ、薔薇、ライチのお菓子)のレシピのフルーツ部分を全部いちごに置き換えて作ったので、イスパハンからかなり遠いお菓子になってしまったが、いちご部分が多く、とにかく瑞々しいのが特徴。

いちごは粉砂糖をふりかけてしばらく置いてから使った(さらに飾り付けの段階で粉砂糖をふった)のがよかった...と自画自賛。


イスパハンではなく、他の街の名前をつけなくては。いちごの花咲く田舎。イングランドではケントやサセックスで育てられているらしい。どちらもわが家のあるサリー州の隣。

いちごには「ソナタ」という種類もあるそうだ。
今年はうちの庭ではいちごは育てていないが、毎年ショパンを聞かせて育てているので...(悪ノリで、です)


このケーキにはシャンパンを合わせたいなあ(もう断酒して数年だけど)。

今度は桃でつくってみようかな。桃バージョンにもシャンパンが合いそう。
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