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azzedine alaia: the couturier







Azzedine Alaïa: The Couturier

(写真の下手クソさよ...)


ほとんどちょうど一年前、2017年の11月にチュニジア出身のデザイナー、アズディン・アライアが亡くなった。
彼をトリビュートする展覧会が、ロンドンの新しくなったデザイン・ミュージアムで開催中(今週末まで)。


世界が終わらない夢を見ていた80年代から90年代にかけて。

日本のファッション界も、世間の景気の良さと、海外デザイナー流行り、「ボディコン」大流行の波に乗り、アライアはその最高級・最先端・最もアーティスティックなデザイナーの一人として君臨し、あちこちで紹介されていた。

ついにファッションモデルがスーパースターとなった「スーパーモデル」の時代ともマッチしていたのだ。
いや、もしかしたら彼の「パワー・スーツ」がスーパーモデルの時代を連れてきたのかもしれない。
テレビの最後の黄金期(MTVなど)でもあった。

当時のファッションショーやファッション雑誌はとにかく輝いていて、スーパーモデルは別の星から来た女王のように振る舞い、今も当時のフィルムや写真を見るとワクワクさせられる。もうあんな時代はこないだろう。







80年代は資生堂のザ・ギンザでアライアの取り扱いがあり、ワンレン、ボディコンの根拠のない自信に溢れた若い女であったわたしはアライアが「上がり」だと思っていた。

布にいくつもタックを寄せて上半身を体にぴったりとさせ、スカートの部分をうっとりするくらいふんわりさせたドレスを持っている。誰が見ても「それ、アライア?」というデザイン。娘も「いらなくなったらちょうだい」と言う。ブームがとっくに去ってから生まれた彼女も、アライアの服にはすごく惹かれるのだそうだ。
実はもうとっくに着なくなっているが、どうしても娘にやれない。これはもう芸術品、十分なクロゼットスペースがある限り手放さないと思う。


彼の職人的、かつ芸術家的制作方法は、商業的なファッション界や薄利多売の世の中の傾向とは合わないところがあったらしく、最近は昔ほどはメディアで見かけなくなっていた。が、それでも有名百貨店や高級ラインを扱うネット上のセレクトショップではずっと常連だ。

アライア存命のころ、パリのボン・マルシェのアライア売り場で、アラブ系の若く美しいお嬢さんがXラインを描いたアライアのドレスを試着していた。側には頭にスカーフを巻いたでっぷりと肥えた母親らしき人物がソファに座り、目を細めてお嬢さんを眺めていた。

その光景が美しくて、今も絵に描けるほどよく覚えている。
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