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旅の必需品




わたしは旅行が短期でも長期でも荷物の量がさほど変わらない(少ない)。
そして荷物は出発数時間前に作る。


古い雑誌を処分していたら、去年のStoryで行き先別の賢い荷物作りを特集しているのを再発見。なぜか全く参考にならないけれど、わたしはこの手の企画が好きなのだ。

それで、明後日発つのだし、わたしも基本的な携帯品を羅列してみようと思い立った。
なぜか全く参考にならないかもしれないけれど(笑)、興味のある方はどうぞスクロールして行って下さい。



*七部袖の黒シャツ。ぴったりサイズで身ごろも短めなものはシャツとしてもちろん、カーディガン代わりにも使える万能のデザインである。
*パシュミナ。小旅行で1本選ぶとしたらベージュを持って行く。春夏秋冬身につけて飛行機に乗り、現地でも活用。
*パールのピアスとネックレス。白とグレーでほとんどの場面に対応させることにしている。他はおもちゃ。

*ルーム・キャンドル。
*一番数が多いのは靴。靴が立派で手入れされていることが最重要ポイントである。見かけよりかさ張るのが難。...空港で「靴のビジネスをしてるのか?」と言われたことがある(笑)。
*袖のみのカーディガン。つまり、袖の位置まで短い(ボレロよりさらに短い)カーディガン。年中重宝する。

*デジカメ。若い頃(もちろんデジカメなどなかった時代)は旅先で写真を撮らない主義だったのだが、今はその若さ故の「ポーズ」を激しく後悔(笑)。今でも特にレストランでは写真を撮らない主義。
*ジプロック大小。増え続けるお店のカード、ばらばらになったキャンディ、現地の小銭...などを整理。
*モールスキンの蛇腹のファイル。メモ(メモ魔ゆえ)や地図、チケット、領収書などを納める。

*夜用のドレス。その予定の確約がなくとも夜用のドレスは絶対に持って行く。ふさわしくないと分かっている服装で出かけるほどおもしろくないものはないし、旅先で気に入るドレスに出会う確率もお直しが必要でない確率も低いため。
*髪用パックと顔用パック。
*夜用兼ホテル内で朝食やバアに行く時に(部屋の鍵を入れるのに)重宝な小さなクラッチ・バッグやアクセサリー・バッグ。ないと非常に困る。

*トレイ。平な形状で持ち運び、使う時に組み立てるもの。時計やアクセサリーをはずしてとりあえずまとめておくために。
*本。わたしは常に複数の本を同時進行で読むタイプ(ベッドサイドに1冊、バッグに1冊、キッチンに1冊という具合)。何冊か傍らにないと不安なのである。
*室内履きがわりのミュール。

*レザーマンのマイクロ。

*地元のマーケットに行くのが好きなので、岩のように堅いチーズも切れるナイフ。ホテルでなまくらなものを貸し出されるとがっかりするので持参する。



もちろんワタクシの化粧一式は命より大切である(笑)。


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先輩マダムの話




ジンバブエとザンビアを旅行した時、ホテルが同じだったマダムと親しくなった。
彼女がブラッセルに滞在中というので会いに行って来た。


フランス人医師の夫を亡くしてからもパリに住み続け、完全にパリ化した、わたしよりも20歳は年上のアムステルダム出身の女性だ。

近寄り難い雰囲気にもかかわらず実は人なつこい。
長身でスタイルがよく、(俗悪なたとえを承知で)ディートリッヒをもっと普通っぽくした容貌、シックな色でまとめた有名ブランドの服、めいっぱい付けた宝石、チェーンスモーカーであり、そしていつもわたしと同年代のボーイフレンドがいる。ずっと同じ子を連れているのか時々変わるのか、印象が薄くてわたしには覚えられない(笑)。
わたしはかっこいい若い子より、かっこいいおっさんのほうが好きなのだ。


2人乗りカヌーを使い、カバやワニが当たり前にいる河を下ってジンバブエからザンビアに渡った時、急流を避けようと奮闘する同乗のボーイフレンドの後ろでリップグロスを塗っていた、彼女はそんな人である。



何を考えているのか不明なところも、パリの豪華なアパートの値段も、興味をそそられるところはたくさんあるのだが、わたしが一番惹かれるのは彼女が幅の狭い声で話す冒険譚。
そのパターンはこうである。


「この間ね、○○が食べたくなって○○に行ったのよ。(そしてここに多くの登場人物との珍奇なやりとりの描写が続く)でもね、結局○○を食べるのは忘れて帰ってきたのよ。」


「この間ね、女友だちと○○に○○を見に行こうということになったのよ。(そしてここに珍道中の説明が入る)でもね、結局○○は見つからなかったのよ。」



ええわあ。
事実人生はこういう感じで移ろいゆくのだ。
彼女は特にそれを悲しむわけでもおもしろがるわけでもなく、普通に話す。
わたしはコテコテの関西人なのでオチのない話や会話は許せないのだが、彼女の話はオチがないのとはまた違っている。

わたしも立派な中年になった今、先輩にこういう女がいると妙に嬉しく思う。


上手く説明できなくてもどかしいのだが、分かって下さる人、いるだろうか。



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あなたの神性に




わたしはしばしば比喩として「神」という表現を使うが、「神」の存在を信じているわけではない。

幼稚園からずっとキリスト教系の教育を受けてきたし、神にまつわる話や宗教のシステムはおもしろいし、精神世界があるという仮定で話をする場合は人に語って聞かせるわたしなりのアイデアもあるのだけれど*、わたしにとっては「神」は人間が作ったものである。


昼間の商店街を東南アジア系の女性が2人、派手ななりで歩いていた。
ウエストの肌(というか肉というか)と腿丸見えの超ミニスカートに膝上のロングブーツ、すべて原色。地味なブルージュでは非常に目立つ。

と、彼女たちが同年代のこれまた同じような身なりの女性に出会ったとき、3人が同時に「あなたの神性に挨拶」のあのポーズ(合掌のことね)をした。


シャローム/サラーム(あなたの上に平安を)と挨拶をする人々の多くが、実際は日常茶飯に殺し合いをしているように、合掌をする人される人がすべてが善人であるというわけではないのだが、わたしはこのシーンを目撃して大変清々しい気持になった。

あなたがどんな人物かどうかはまずカッコに入れて、あなたの神性に挨拶するのである。
超越した存在、森羅万象の源、光輝く老齢の美しい大男、というような「神」は存在しないかもしれないが、人、ひとりひとりの内の最も明るい部分(それがたとえ極小でも)を認め、敬意を払うのだ。
なんという美しい挨拶なのだろう。


...ああ、わたしの視点は、まるでわたしはかつてオキシデンタルがオリエンタルに出会ったときのようにナイーヴではないか。でもいいのだ。
わたしも常に相手の神性にご挨拶をするように人に接したい。





*精神世界に関するわたしなりのアイデア:これをわたしは「魂の海」と名付けている(笑)。これはお付き合いの上で必要に応じてわたしが展開する単なるアイデアで、わたし自身は世界の2重性(この世とあの世とか、プラトンのイデア論とか)は信じていない。


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薔薇








枯れかけのしおれた薔薇が好きだ。







ゲスト用の洗面所前で自然にポプリとなる。



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ホ テ ル




週末、2日間ともにブラッセルで多忙を予定していたのでホテルに泊まった。


普段ブラッセルで遊ぶ時には友人宅に一宿一飯を求めることもあるが、娘が一緒の時は迷わずホテルへ。



ベルギーへ移住したての頃、「日本ではレディース・プランやエステ・プラン、スイートを借り切ってのパーティー、ホテルが売りにしている朝食などのためにわざわざ自宅から遠くないホテルに宿泊することがあるのだ」という話をしたら、ある親切な(笑)人から、ベルギーではそういう話をすると高級娼婦(わたしは椿姫か?!)かと誤解される恐れがあるからやめたほうがいい、と諭された。
う~む。ほんまかいな。


なるほど欧州の少なくとも地方都市では、友だちと週末に単にゼイタクをするためにホテルに宿泊する、などということはしないものである。ホテルとは「日帰りが不可能な遠い旅先でやむをえず宿泊する建物」なのだ。


欧州の正統的なホテル文化は、サービスを受ける側として官能的ともいえるほどのレべルではあるが、日本の都市アミューズメント・パーク型のホテル文化、これも一度味わうと止められないのである。この龍宮城を経験したことのない人に、タイやヒラメの舞い踊りを想像せよ、と言っても無理だろう。




土曜日は閉店時間まで娘の冬服とわたしの靴を見に行き、夕食は時間的になかなか行く機会のないラーメン屋(Moetさんって、ラーメンなんか食べるんですか?!と翌日言われた)、深夜には都会の夜景を眺め、朝は人が入れてくれたコーヒーをゆったりと飲んでから用事に取りかかることができた。
外は素晴らしき秋晴れ。


旅、の気分とはやはり移動距離とは関係ないもので、レディース・プランにも十分な理由があるものと思われる。


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