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la bayadere リハーサル








クラシックバレエの筋書きのコアにあるのは、「生きることと死ぬこと」「子供の成長をうながすこと」「死者を始めこの世のものではない存在が生者の世界に影響を及ぼす」などであるとわたしは考えている。

それらはいずれも共同体が存続していくために語り継いでいかねばならない教えだ。なぜバレエにこういう話が多いのかは分からないが、なぜかそうなのである。


そのうち、バレエで最もひんぱんに語られるのは「死者やこの世のものではない存在が生者の世界に影響を及ぼす」ことだと思う。


ロイヤル・バレエ「ラ・バヤデール」(「インドの舞姫」ほどの意味)のリハーサルを見た。
本番は11月1日から。ロイヤル・バレエが「ラ・バヤデール」を上演するのは2013年以来で、それもあってか、豪華キャストにも関わらず、物足りない印象を受けた。そのうちでも主役のひとり、ニキヤ役のマリアネラ・ヌネツ(Marianela Nunez)は全身全霊スピリチュアルですばらしかった。

英雄・戦士ソロルと、神殿の巫女ニキヤは神に結婚を誓った恋人同士である。
しかし、王が自分の娘ガムザッティ王女との結婚をすすめるとソロルは決断ができなくなる。
ガムザッティ王女は嫉妬心から毒蛇を仕込んでニキヤを殺害する。
自責の念にかられ、幻覚の中でソロルは死んだニキヤに出会い、再びニキヤに愛を誓う。
ソロルとガムザッティ王女の結婚式の日、神への誓いが破られたことで神殿が崩れその場にいた全員が死ぬ。


明日はハロウィン。

ハロウィンも、季節の変わり目に死者が生者の世界に侵入してきて、生者に何かを思い出させる日なのである。


(写真はROHから)
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