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ライラック、はじける



去年はとうとう花を一つも咲かせなかったライラック(リラ)が、今年はたくさん蕾をつけた...と喜んだのは今月頭。

今年のイングランドの春は雨はひどく少なく(限りなくゼロ)、気温が上がっても続かず、薔薇の新芽は凍えて枯れてしまうわ、いちじくが防御体制に入って葉と実を全部落としてしまうわ、日本ではもう終わったよと大阪の友達が言った藤は蔓を伸ばし始めたばかりだわで、狂った春。

この気候にもなんのその、カレンダー通りぐんぐん伸びているのは5月に満開になる芍薬。
花の王。さすがである。
まあ5月の芍薬満開シーズンには大嵐が吹き荒れるんですけど...


で、春の再生を司る、リラの精、ライラックが花を咲かせるまでこんなに時間がかかるとは!

やっと4割くらいがポップコーンがはじけるように花を開き、馥郁たる香りを放つ。




うっかりカサブランカの横においたら香りが喧嘩。

別の部屋に移した。




思いがけず自然のライラックの香る部屋でピアノを練習することになり、ロマン主義の時代へ束の間旅した。
わたし、弾いている間、あれこれ芋づる式に他のことを考えすぎ(笑)。
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イングランドのわらびの里




イングランド南部、サリー丘陵ハイキング中に見つけた、わらび...ただのシダ?

わらび粉をとってわらび餅にするには何本くらいのわらびが必要なんだろう...

いくら本物の和食に飢えているとはいえ、食べませんけど(笑)!




三回目のロックダウンを段階的に解除中の英国。
娘が在英ベルギー大使館へパスポートの更新へ行かなければならず、12月以来久しぶりの買い物がてら、ついてきて欲しいと言われているのだが、週末のソーホーの混雑具合を見た日にゃ...

レストランもカフェも、現在は屋外のみの営業なので、お昼ご飯を食べる場所はもちろん、お茶を飲むところすら予約が取りにくい。意外にも取れたテラス席は超繁華街リージェント通りのホテル、Cafe Royalのテラス席。

Cakes and Bubblesのケーキは食べたい気もするし、お天気もいい予報だが、わざわざ...
美術館も開いていないし...
買い物は、わたしは新型コロナ以前からずっとネット利用派だったし...

あんなに都会が好きだったのに(今も好きだけど)...

ボーイフレンドと二人で行ってきて頂戴。
わたしは夫とハイキングにでも行って、自家製わらび餅でいいや(<日本から送ってもらった粉末インスタントのものです)。
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屋外のカーテン




屋外にカーテン、というコンセプトが大好きだ。

今年のイングランドの春は気温は低めだがとても雨が少なく、強烈に乾燥しており、「屋外カーテン」という南ヨーロッパや北アフリカ的な美を取り入れるのならふさわしいのではないか...

去年の今頃、一回目のロックダウン時も、今後何ヶ月も24時間毎日毎日家で過ごすならば、この機会にどうかと考えたのだが、雨が降るたびに取り入れる手間はどうなのか、カビがはえるのではないかと。
夫はイングランドではカーテンよりも屋外ストーブのほうが重宝するのでは? と言ったし。

あのころはまさか一年後もまだロックダウンをやっているとは思っていなかっただろう。

そういえば去年の夏は暑かった。


去年の夏、一カ月間南仏を旅した。
昨日はRさんが、去年のモエ南仏ブログを気に入ってくださり、何度も読み返してくださった、と。喜びのあまり木に登ってしまいそう。

上の写真はカミュが愛した村として有名なルールマランで見かけた宿。
こういう風にしたいの...
うちにはベランダはなくテラスで、またこの写真の美しい手すりもシャッターもないけど。
白の布くらいはカーテンか天蓋にして張れる!
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浪漫騎行




イングランド南部、カラカラ。
この春は雨が少なく、今後2週間は晴天が続くそう。
花粉もすごい。

昨日は森の中で15度と、気温は快適だった。

騎乗していると偉くなったような気がする、メガロマニアックなモエ。
「偉くなったような」とは、他人を偉そうに小突き回すという意味ではなく、多くの社会的責任を負う、という意味である。


去年始まったロックダウン以来、生活の中の楽しみは大きく変わった。

以前は、旅行、バレエやクラシック音楽の劇場鑑賞、美術館をうろつくことが趣味で、生活と可処分所得の大部分を占めていたが、この一年は家のあるサリー丘陵を楽しむ以外なくなったのだった。


考えてみたらうちの周りに無数に隠されているハイキングコースほど有難いものはない。
コースは当然パブリック、公共のものである。

毎日犬を散歩させる人、子供を走り回らせる人。
バードウォッチングをする人、マウンテンバイクやマウンテンモーターバイクを楽しむグループ。
乗馬をする人、本格的な山歩き装備の人。
先日亡くなったエディンバラ公が設立した「デューク・オブ・エディンバラ賞」のためのサバイバルに勤しむ青少年のグループ。
絵を描く人...とさまざまである。


そういえば、英国では悪名高き「囲い込み運動」(エンクロージャー)が過去に数回行われた。

以前も、英国料理はなぜまずいのか、を「囲い込み運動」と絡めて説明した小野塚知二先生説を紹介したことがあるが、「囲い込み運動」とはつまり、共同体の共有地を私有化し、土地を商品化したのである。

土地は、共同体が自由に使えるものとしておくよりも、はっきり区切って名札と値札をつけて売り買いし、産業でも興して、お金をどんどん産むようにすれば、それは資本主義的には大変都合がいい。

しかし、それは同時に共同体の消滅であり、共同体が消滅するということは祝祭や食の伝統、生活の知恵、伝説や技術などの文化を破壊するのである。

産業化が大衆文化を破壊した結果、英国の料理は徹底的にまずくなった、と小野塚知二先生はおっしゃる。

例えばこのサリー丘陵のハイキングコースなどを理由する人が多いというので整備して有料化したり、遊ばせておくのはもったいないとゴルフ場や住宅地に開発されたら...


わたしは今までに欧州、中東、米国で生活したことがあるが、英国はダントツの階級社会である。
階級社会のシステムそのものを変えるのは難しいかもしれないが、「パブリック」をもっと豊かにできないものか、とは思う。
まずは学校教育、そして公共交通機関の整備かな。
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イングリッシュ・ブルーベルの森




毎年、春になると、青いブルーベルの花の群生が、森林床を覆う。

ベルギー・ブリュッセル近郊のハルの森とは格がはるかに違うが、サリー丘陵でも野生のブルーベルがあちこちで魔法の青いじゅうたんを広げる。

正真正銘、イングリッシュ・ブルーベル。


昨日は園芸店に行った帰り、たまたま通行止めに出くわした。
迂回して丘の一番高いところまで車を走らせたら、うっかりおとぎの国に迷い込んでしまったのか...ブルーベルの国。

森の山肌を削ったかのような細い道は、対向車と道を譲り合いながら走るような道なので(このあたりは脇道はこういう道が多く、大豪邸が隠れている)、なかなか車を止める場所がないのだが、夫はなんとか停車してくれ、わたしは翔るように青紫の斜面を歩いた。

森の向こうへ、どこまでも続く青紫の花の群れ。花の青を追ってどこまでもついていきそうになる。
子供を捕まえて食べたというおとぎ話の腰の曲がった魔女は、こうやって子供を誘ったのかも...!!


うちの周りのサリー丘陵にはハイキングコースがいくつもあって、アプリもあるほどで、あちこち攻略しているのだが、この辺りは未開拓だった。
朝靄がかかるころに来たらどんなに素敵だろう。

この週末はここをハイキングしよう、この世と隣り合わせの青い別の世界へ。


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