久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

日本の農業と貿易を考えるセミナーに行ってきました

2011-07-04 17:23:18 | Weblog
 2日、昨日の西日本新聞にも出ていましたが、中村学園大学で開催された「流通科学研究所国際セミナー」に出席してきました。ご案内をいただいたのは、同研究所の所長をされている中村学園大学の教授でもある甲斐先生からでした。甲斐先生とは、30代から県の委員会などでお会いしていたのと、最近では、大山町の高級梅ジュースの開発(このたびやっと発売のための製品化にこぎつけたそうです)で1年間ごいっしょしたのがご縁でした

 甲斐先生は農業のご専門で、九州大学農学部の教授を長くされており、中村に移られてからも農業と流通について研究を重ねてこられていました。今回のセミナーの内容も東京大学教授鈴木宣弘氏による「食糧の貿易自由化と日本の対応」、中国国務院発展研究センター副所長王微氏による「中国農作物市場と貿易の展望及び政策」、韓国嶺南大学校自然資源大学教授趙錫辰氏の3人の講演と最後甲斐先生を交えてのパネルディスカッションと大変盛りだくさんで、200名の方たちが聞きに来られていました

 最初にお話された鈴木先生によると、今回震災のために伸びているTPPについては、相当熟慮して回答しないと、農業だけのための議論のように受け取られているが(私も農家救済、日本の農業を守るためにTPPには慎重なのかと思っていました)実は、医薬品やサービス分野も含まれているのです。
 農業救済のためとだけのように論じられると「また農家救済か」という気持ちになってしまので、この点、TPPの内容をもっと知る必要があると思いました。
 日本の場合、自動車の輸出促進のために0関税がいいようにいいますが、当然輸入も0関税になるので、食糧などはどっとアメリカから入ってきます。小規模の日本の農業などひとたまりもありません

 それにしてもTPPは何ともアメリカの利益のための政策であると思わずにはいられません。特に農業分野は、いくら日本も大規模農家に集約してと言っても、1区画100ha、全部で5,800haを2,3人で経営しているようなカナダの農業とは対抗できるわけがありません。
 農薬のことや遺伝子組み換え、どこのだれが作ったかもわからない安い食糧が大事でしょうか(外食産業にとってはコストが安くなるのでいいのでしょうか)

 次に中国の話は、私の感想ですが、話半分、眉唾というのが正直なところです。農業生産・消費は安定的で、農作物の国際貿易の規模は拡大、生活格差も安定と相変わらず良いことしか言われませんでした
 中国人も食糧の安全性には大変関心を持ち出したというのはそうだと思います。しかし、ニュースで報道されている、各地で起こっている労働者の暴動は何なのでしょうか。物価の高騰に賃金がついていかず、とても消費が安定しているとは言えないのではないでしょうか。

 次に韓国の話です。こちらは農作物に関しては日本と同じような立場で、というより、すでにFTA交渉で肉類、乳製品は完全にアメリカの独断上で、韓国としても競争力強化や所得基盤拡充などを行っているが、特に畜産部門は縮小を与儀なくされているということです。

 さて、これらの話を聞き、パネルで議論された内容を考えた時、日本は韓国と同じ道を辿るのではと不安が過ります。自動車産業も大事ですが、日本の農業も大切です。農業国である日本の食の自給率を上げることが大事だと思っています。そう考えると、TPPについてはもっと考える必要があるのではないかと思ったセミナーでした。それにしても中村学園大学はこのセミナー6回目ということでしたが素晴らしい研究をしているのですね


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