久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

がんばる商店街

2010-05-26 11:38:32 | Weblog
 昨日、何と夜の6時半から9時半過ぎまで福岡市の「商店街活力アップ支援事業」の今年度申請の審査会に出席しました。この審査会も委員や内容も多少変わってきましたが、私は、審査員になって4,5年になるでしょうか。
 その間、ずっと商店街の動向を見てきて感じるのは、私の知っている福岡市の商店街ですが、”なかなかがんばっていきているなー”ということです。

 これまで商店街というと、大型店が出店すると反対運動を起こし、しかし自分たちの売り方や接客などは見直さず・・・国の補助金を使って道を良くし、アーケードを作るということはしても、本当にお客が求めていることは知る努力もせず・・・そして、結果はというと、商店街は歯抜けになって、シャッター通りなどと言われる所が多くなっているというのが現状です

 私は、銀行時代も各支店から頼まれて地域活性のための講演などにも行って、口を酸っぱくして「もっとお客様を見ましょう。何を求めているのか聞きましょう」と言うのですが、お客の声を聞くことを怖がっているように見えました。そして何もしない・・・
 
 そこで、福岡市ではこのままでは商店街が廃れてしまう、行政として何とかしなくてはいけないが、これまでのような一方的な支援ではなく、やる気のある所、がんばろうとしている所を応援しようと、「活力アップ支援事業」を始めたのです。
 新しい期が始まると助成金の申請を受け付け、5月末に内容についてのプレゼンをしてもらい、助成金を出すかどうかの審査をします。1事業について3年続けて申請を出すことができ、年度末には必ず報告会があり、その活動が適正であったか審査します。

 昨日の22年度申請の発表を聞いていて、とても嬉しくなりました。申請を出される商店街は、同じ所が多いのが現状ですが、今期やりたい事業を聞いていると、私が言い続けていた”その事業に対してのお客さんの声を聞く”ということをほとんどの商店街がするようになってきたのです。
 たとえば、イベントを開催したり商店街紹介冊子を作った時も、イベントの場合は、その日に来られたお客のアンケートを取るとか、冊子の場合は、どれだけその冊子が利用されているか、冊子を出したことによって、個店のお客が増えたのかなど検証するようになってきました。

 また、今回申請された内容もとても工夫されたものが出てきており、たとえば、お客が買った店で、他の店で使えるクーポンを出し、買い回りを促すような仕掛けや、商店街紹介の冊子も店の紹介だけではなく、その地域にある公園や歴史の情報、公共施設の電話などを載せるなど、お客さん視点にたって考えられるようになってきたなーと思います
 先の他店紹介の効果は、お客の買い回りを促すだけではなく、他店との連携が出来ることやそれぞれの個店の意識が高まるのではないかと思われます。
 また冊子の方も商店街というのは、物を売るだけの場所ではなく、いかに地域の中で必要だと思われるかだと思いますので、地域との連携、広い意味でのお客様サービスは大事だと思います。

 しかし、ここに来るまでの道のりは長く、随分と市役所の担当職員ががんばって商店街を指導されてきたことも大きいと思います
 申請内容の相談や報告会のパワーポイント作りの手伝いだけではなく、イベントの時に出向いたり、直接商店街によく足を運んで相談にのられているようです。

 行政の仕事ってこういうことではないかと思います。まず、予算をどう使うか、その予算をいかに生きたお金とするか。そのためには、お金を出すだけでもなく、いかに自ら住民にやってもらって、地域や経済を活性化させるか。
 今私が係わっているのは、福岡市経済産業振興局地域商業課の商店街係の方たちですが、このような行政の手伝いであれば、今後も喜んでやります。こんな行政マンがもっと増えるといいなーと思っています

トマトときゅうりの本?

2010-05-17 16:47:48 | Weblog
 今「トマトときゅうりの本」の料理に凝っています。
 随分前、新聞の書評に出ていたのを、ちょっと気になって切り取っていたのですが、先日その本を買ってきて、それからずっとトマトときゅうりの料理を試しています。

 その本に書いてあるのは、トマトもきゅうりも生で食するのではなく、温めて食べる方がいいということ。これには驚きました。トマトもきゅうりもサラダ、生で食べるのが普通で、これまでもトマトの煮込み料理は別としてもほとんど生で食べていました。
 なぜ温めた方がいいかと言うと、特にきゅうりは夏の野菜だけあって、大変体を冷やす作用があるそうです。また、トマトも熱を通した方がリコピンの量が3,4倍になるということなのです。

 何しろトマトは、カリウム、カロチン、ビタミンCが豊富に含まれ、アルカリ性食品なので、動物性タンパク質といっしょに取ると効果的です。また、先に書いたリコピンは、抗酸化作用、抗ガン作用、動脈硬化を予防すると言われています。さらに、トマトのビタミンCは他の野菜に比べて加熱してもこわれにくいのも特徴。いいことづくめの野菜です

 きゅうりは、95%が水分で、少ないですが、ビタミンC,カロテンを含んでいます。食べ方としてこの本で強調されているのは、きゅうりは体を冷やすので、生で毎日食べると体調を悪くすると書かれています。ですから、必ず加熱して食べることと書かれていますが、「うーん」きゅうりを加熱?確かに中華料理では、加熱されたきゅうりが入っていますが・・・

 実は、この本、後ろにトマトときゅうりのことが詳しく書いてあるのですが、ほとんど載っているのは、料理の写真とレシピ。また、その料理が私にぴったりの、あまり手間がかからず簡単、短時間で出来る料理ばかりなのです。
 これまでこの中の10品ぐらいは作ったでしょうか。どれも結構おいしいのです。どちらかと言うと、あっさり味の中華風の料理が多いです。

 外食もしますが、うちでの料理もまた楽し。身近にあるトマトやきゅうりの料理、皆さんも試してみては

本の題名:蘇先生の家庭料理「トマトときゅうりの本」  著者:蘇川博・下川憲子
出版社:農文協

経済の勉強はおもしろい!

2010-05-14 17:39:25 | Weblog
 昨日、私が代表をしている”女性経済フォーラム”という会で、九州経済産業局長の「九州地域の活性化に向けて」という講演を聞いて、とても元気が出ました
 ”女性経済フォーラム”というのは、1995年、女性だけで経済を勉強しようと立ち上げた会で、今年15年になりますが、毎回20名から25名ぐらいの会員が出席し、講演者からじっくり話を聞いた後、懇親会でも講師と身近に話ができる、とても贅沢な会です。 会員は、企業や行政の管理職、専門職として働いている人、また経営者の女性たち50名ぐらいですが、これまで、福岡県知事を初め、福岡市長、古川佐賀県知事、武雄市長、九州電力会長、JR会長、西日本新聞社長などなどその時々の話題の分野の方々約80名にお話をいただいていました。

 今回は年度初めの会ということもあり、九州経済全般の勉強をしようと、九州経済産業局橘高局長にお願いしたのです。
 当日、77ページにも及ぶ膨大な資料を見て、難しい話になるのではないかとちょっと心配したのですが、大変お話が上手なのと、我々女性や仕事をしている者を意識されたお話で、とても関心をもって聞くことができました

 経済は少し持ち直してきたというものの、政治はあんな風だし、日本全体何だか悪い話が多く(そうは言うものの、自分はしっかりとこつこつといい仕事をしていくとがんばっているところですが)しかし九州という視点で見ると、なかなかこれから期待できるのではないかと思えてくる内容でした。
 経済産業局の新成長戦略は、世界の中で日本の経済的地位が下がっていること、少子高齢化の問題、雇用者所得が延びていない現状などを踏まえて、日本の強みであるところの、環境・エネルギー分野、健康(医療・介護)分野を活かしていきながら、今後はアジア戦略、観光・地域活性化などに力を入れていくということです。
 最近よく言われていることですが、日本の競争力が落ちているという現状。これは決して技術力が落ちているのではなく、企業の利益率が低いこと、国内の競争に企業のエネルギーが取られているということもあるようです。

 今後の戦力分野としては、”社会課題解決サービス”(それを最近ではソーシャルビジネスと呼んでいるますね)や”感性・文化産業大国”などが上げられています。
 もっと具体的には、スマートグリットや次世代自動車、予防医療なども産業を作りだしていくだろうということです。
 そこに女性や高齢者の力をどれだけ投入することができるか、その人たちが働ける社会を作っていくことも重要になってくるわけです。

 橘高局長は理論だけではなく、九州の企業をよく視察されているようで、詳しくお聞きする時間はありませんでしたが、資料にはすでに進んでいる企業の例もたくさん出ていました。

 実は、今回の女性経済フォーラムはこれだけではなく、講演会後の懇親会の時に、先日からブログにも書いていた、大山町の高級梅ジュースの完成お披露目も行いました。是非、感度の高い女性メンバーに飲んでもらって感想を聞きたかったのです。
 お洒落なボトルに入ったジュースで乾杯。とても評判がいいのに嬉しくなりました。まず色がきれい、香がいい、甘すぎない、酸っぱくない、ボトルがお洒落という感想で、中には、「いつ発売になるのか」「注文したい」という声まで。

 このような会を主催する者としては、魅力的な講師を一生懸命探し、出席者が少ないと心配し、毎回胃が痛む思いですが、終わると、やって良かったと思います。どの講師も人数に係わらず一生懸命話してくださるし、大変勉強になり、贅沢な時間を過ごせたなと思うからです
 さて、次回7月はどなたにお願いしようかと、今から頭を悩ましています


期待違わず・・・

2010-05-07 09:18:40 | Weblog
 今年のゴールデンウイークも毎年恒例の九重と湯布院へ。多い時は息子夫婦もいっしょに7名もで行くこともあるのですが、今回は、いろいろ都合があって、私たち夫婦と両親の4名で。
 前にも書きましたが、九重も湯布院も宿が決まっていて、ここ3年ほど、11月と5月、同じ宿に1泊づつしています。両方とも11月に泊まって帰る時に、5月の予約をするというようにしていますので、5月の連休のどんなに人が多い時でも安心して間違いなく行けます。

 九重の「ア・マ・ファソン」は何度目になるでしょうか。7,8回?湯布院の「月燈庵」も4,5回?正直、そろそろ飽きてくるのでは・・・今回行く前は、11月も予約するかなーとちょっと迷いがあったのですが、どちらも大満足。迷わず11月の予約をして帰りました

 「ア・マ・ファソン」はオーベルジュです。九重といっても熊本との県境で、天気がいい時は、阿蘇の外輪山、ねこ岳がとてもきれいに見える景色もいい所です。このホテルがある一体は、ココウビレッジといって、ホテルだけではなく、ケーキ屋、エステ、小さな美術館、陶器や、そして今度行ってみると新しく、パンやと特産品の店が出来ていました。

 このビレッジもなかなか楽しめていいのですが、何といっても、何度も足を運ばせるホテルの魅力は、オーベルジュというだけあって、食事の素晴らしさです
 毎回、今度はどんな料理か楽しみに行くのですが、毎回感動。見た目もきれい、素材もいい、工夫がされている、そして勿論おいしい!味が優しいのと同時に量がちょうどいいのも最終的に満足・感動に繋がる大きな要因の一つのような気がします。

 10室ぐらいの小さなホテルだからかもしれませんが、スタッフの方々もよく知っているのでフレンドリーに迎えてくださるし、今回は80歳を過ぎた両親といっしょだったので、早めに着いてゆっくりしたのですが、自分のうちのように快適に過ごせました。
 朝ご飯も景色のいいレストランで、お洒落なボトルに入った牛乳やジュース、丁寧に作られた小さなスープ、焼きたてのパン、チョイスできる卵料理など、ゆっくりお腹一杯いただきました
 毎回また来て良かったと思いながらホテルを後にします。

 新緑や山藤、つつじなどを楽しみながら、次の宿湯布院の「月燈庵」へ。ここもスタッフの方たちが覚えていてくださり、懐かしそうに迎えてくれます。前のホテルもそうですが、特に90歳近い父の様子などをよく見てくださっていて、食事の時、近くにチッシュを置いてくれたり、ナプキンとは別にタオルを用意してくれたり、ちょっとした心遣いが嬉しいのです
 こちらの宿は、部屋は全部、山の中にある離れやのような作りなので、この中だけで散歩したり、違う風呂を楽しんだり、談話室でコーヒーを飲みながら読書をしたり、川のせせらぎを聞きながら部屋でごろんとしたり、ゆったりのんびり楽しめます。
 食事は完全な和食。こちらはちょっと量が多くて食べきれないほどですが、毎回違う工夫された素晴らしい料理がでます。最後のご飯、デザートまで期待を裏切らないですね

 今回は、宿に到着した時に、父が88歳になったとちょっと会話していたのを聞かれていたのか、夕食の時にサプライズがありました。食事の始まる前に、お祝にと鯛と金色のちゃんちゃんこ・帽子を持ってきてくれたのです。本当にびっくりしました。
 後で責任者の方に聞きますと、到着の時迎えてくださったよく知っているスタッフの人が小耳にはさんだ話を責任者に伝え、急なことだけどどうしようかと一生懸命考えてくださったそうです。父は大喜びでしたし、私たちも嬉しかったですね
 こちらの宿は、決して安い値段ではありませんが、トータルで考えて、また宿を後にする時の満足度を考えても高過ぎるとは思いません。
 ここも11月の予約をして帰りました。

 たくさんあるホテルや宿の中から1度で終わりの所、何度でも足を運びたくなる所、その違いは何なのか。確かに消費者の目は肥えてきています。求めることも消費者それぞれ。企業側はある程度お客層を絞って、その人たちの中から固定客、リピーターをいかに増やしていくか。よく言われることですが、行きつくところは本当の意味での”心からのおもてなし”ではないでしょうか