久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

卒業式

2008-03-25 12:24:35 | Weblog
 卒業式のシーズンです。今日は生憎、福岡は雨模様ですが、福岡の大きな私立大学の卒業式があるそうです。(またしても19日に書き始めたのに今日になってしまいました)

 私は、県の教育委員をしている関係で、ここ3年、県立高校の卒業式に出席して、教育委員会からのあいさつとして告辞を読むという仕事をしています。
 今年は、2校に行ってきました。3月1日は、県立香椎高校、そして7日は、北九州高等学園でした。
 自分の子供が終わってしまうと、まず、学校に行く機会はなくなりますし、何となく学校の雰囲気というものを忘れてしまっています。が、厳粛な式というのはいいですよ。とても感動します。毎回ですが、”仰げば尊し”になると、何となくじーんとして涙ぐんでしまいます

 県立香椎高校で感激したのは、校長先生のことでした。県内に高校はたくさんありますので、教育委員が行く学校は、今期で退職になられる校長先生がいらっしゃる高校です。香椎高校の校長先生もそうでしたが、この先生は、数年前から自費で、全国の素晴らしいこれはと思う方を尋ね、インタビューをされているのです。それをCDにまとめて卒業生に渡されているということです。
 その日の校長あいさつもいろいろな方のインタビュー時の言葉を交え、素晴らしいものでした。17才ぐらいの若者にどのくらい伝わるかなとも思いますが、後で何かの時にきっと「あーこういうことだったのか」と思い出すのではないでしょうか。何よりの贈り物ですね

 もう1校の県立養護学校北九州高等学園は、知的障害をもった人のための高校で県下に3校あるうちのひとつです。54名が卒業するというこじんまりとした卒業式でしたが、随分練習をされたということで、一人一人卒業証書を受取に行き、皆さんの一生懸命さが伝わる感動的な卒業式でした。
 中には身体障がいを合わせ持っている方もありますので、証書を受け取りに行く階段のわきで先生が介添えされたり、床に色分けしたテープが貼ってあり、そこをきちっと歩いて、お辞儀をして、というようなことが実に整然とそして一生懸命進行されていきました。
 今回何よりも嬉しかったのは、校長先生からお聞きした、卒業生全員、就職が決まっているということ。国はこれからの考え方として、障がい者自立支援法に基づいて障がい者がある程度自立していくようにと制度が変わりつつあります。そのような中で、一定規模以上の企業には障がい者を何%か雇わなくてはいけないという決まりがあったり、一生懸命いい仕事をして、賃金を上げていっている作業所などもでてきたりと、少しづつ変わりつつはあります。しかし、まだまだ現状は厳しく、親御さんの負担や心配も大きいことでしょう。

 私もいろいろな経験をし、いろいろな方々とお付き合いをすることによって、世の中、いろいろな人と共に生きていくんだということが心から分かるようになってきました。障がい者、健常者というような括りではなく、いろんな人がいるんだという考え方、そう思えば、困っている人には、私の出来る範囲で出来るお手伝いをする、という思いになれるようになってきました。
 毎年講堂の寒さには震えますが、心温まる卒業式でした。


 

女性が働くということ

2008-03-18 14:55:17 | Weblog
 昨晩、福岡アメリカン・センターで、アヴァンティ15周年記念と銘打ったアメリカン・センターと共催の「セカンド・チャンス社会へー女性が働くということー」というセミナーがあり、聞きに行ってきました。
 1部は、マルゴ・キャリントン在福岡アメリカン領事館首席領事と再就職コンサルタント会社を創業したキャロル・フィッシュマン・コーエン氏の講演、2部は彼女らに九電の湯越さん、アヴァンティの村山さんを交えたパネルディスカッションという構成でした。

 まず、キャリントン首席領事の話は、アメリカの働く女性事情が良く分かる内容でした。話のポイントを抜粋すると・・・
  ・今働いていない女性が再就職するとアメリカのGDPの16%hアップする
  ・女性には社会的バイアスがかかっている
  ・特に日本は働く女性のロールモデルが少ない
  ・女性が女性をもっと教育しないと
  ・メディアには流れを変えていく大きな力がある
  ・日本の税制は働く女性にはマイナス
  ・夫の協力が不可欠
  ・もっと企業にメンタリングシステムが必要
 この他にも、アメリカには、育児休業の法律はなく、ほとんどが産休とかき集めた有給休暇だけで職場復帰するという情報や、働く女性を支える専業主夫もたくさんいるという話などにはびっくりしました。
 彼女自身、夫と2人の子供がいますが、どうも家族は彼女に付いていろいろな国を移動しているようです。(聞きませんでしたが、夫は専業主夫なのでしょうか

 次に話されたコーエンさんは、自分が仕事をやめて専業主婦になり、その後再就職した経験から、再就職コンサルタント会社を設立。自分の経験談と共に、再就職のための7つのステップの話、そして、最後に次のようなアドバイスをされました。
  ・経験を積んでおく(ボランティアでも組織的な所で経験したのであれば、そ   れも履歴書には書ける)
  ・転用可能なスキルを身に付けておく
  ・要請する(就職を希望するところに、自分をアピールし、熱意を伝える)
  ・引き際を判断する(ワーク・ライフバランスを考え、何かが壊れるほど無理   をしない)

 2部のパネルでは、子供が一人いて、圧倒的に男性が多い職場で働き続けている湯越さんは、管理職になることのおもしろさ、仕事のやりがいなど、大変意欲的な話、そして、今やっと企業もダイバシティの考え方の基に、女性活用を考えだした話など若い女性には刺激になる内容でした。

 その後、会場とのディスカッションになり、ここでもいくつかのヒントをいただきました。
  ・女性の成功例を示して、これからの女性にインスピレーションを与えていく
  ・雇用時間ではなく、質の重視に変わってきている。特に18才~40才ぐらいま   での人はこの意識が高くなってきている
  ・女性を活用できない企業は生産性が上がらない
  ・女性が問題点を言い続けること
  ・就職する時に、復帰したいという自分の思い、熱意を伝える。コミュニケー   ッションの重要性。ポジティブなアピールを。(出産して休みを取ることは   ないなどのアピールを。)

 最後にアヴァンティの村山さんが言っていたのですが、今回のセミナーの告知は冊子に小さく載せただけだったそうです。勿論、アメリカンセンターの関係者にも案内メールは行っていましたが、何と100名以上の応募があったそうです。センターにこんなに若い人がたくさん来たのは初めてでしょう。また、若い女性もセンターに来たのは初めての人がほとんどだったようです。
 こういうコラボはいいですね。仕事を終えて夜7時という時間にこれだけの若い人が勉強に来るというのは、何ともうれしいことでした。

 それにしても、日本は、女性の職場での位置づけや管理職登用が遅れていることが良く分かりました。これは、社会全体の問題でもあるし、親の育て方、学校教育、女性の意欲にも問題があるのかなと思いました。
 時間があれば、是非質問したかったのですが、アメリカは育児休業もないのに、なぜ働き続けるのか、ということ。経済的な問題もあるでしょう。日本はまだまだ豊かなのでしょうか。
 私は、それだけではなく、アメリカの女性は、ここ何十年かの世界の動きの中で、仕事をすることに、社会的な意味とプライドを持ってきたのだと思いました。
 
 これからの若い女性に先輩から、大変な時期もありますが、「仕事を続けること、社会参加をし続けることは素晴らしいことですよ。また人生を豊かにしますよ。」と、こんなメッセージを贈りましょう。

春ですねー土筆を見つけました!

2008-03-17 13:12:31 | Weblog
 今日、今年になって初めて、土筆を発見。昨日ぐらいから福岡は春の陽気。今日は20℃ぐらいまで気温が上がったのではないでしょうか。(これを書きだしたのが先週13日でした)
 随分以前から福岡市の環境アセスの会議に入っている関係で、午前中、今回西区金武地区の「かなたけの里公園整備事業」環境影響評価準備書検討の会議の前に現地視察をするということで行ってきました。

 環境アセスはある一定以上の開発をする時に、その工事や周りの自然をあつかうことによって、どのような影響がでるのか、いろいろな角度から専門の方々がチェックして、アセスの方法書作りから検討し、次に準備書を作りというように何段階にも検討を重ねて環境を守りながら工事計画に入るというものです。
 私は、動植物や騒音、大気、水質などの専門家ではありませんが、生活者・市民の視点から意見を述べています。

 金武地区は、西区の外れで、周りを飯盛山や竹藪に囲まれた古くからの農村地帯。勿論現在でも田畑を耕していらっしゃる農家もあるのですが、後継者がいないところもあり、今後この一帯を農村振興整備とも合わせて、市民が農業体験ができるような公園にしようというものです。従って、従来のように、初めからこうこうこういう箱ものを作り、このように整備しますというような明確な青写真はなく、区画と道路整備とこのあたりが広場になって、というような大まかなプランしかありません。
 初めは、このようなプランでアセスをするのはどうしたものかと戸惑いましたが、話を聞くうちに、何でも行政がプラン立てするのではなく、ある程度整備をした後は、市民参加型で作り上げていくというやり方もあるのかなと今では納得しています。それにしても、どのくらい市民を呼べるかとか、本当に参加していいものに作りあげていけるのだろうかと多少心配ではありますが。

 この日は大変天気が良く、福岡市内でもこんなに静かで、ゆったりと時間が流れる所があるかと思うようなのどかな景色の中を歩いていて、土筆をたくさん見つけました。目を上に上げると、梅、桜、菜の花、れんげと昔はすぐ近く、どこでも見ることができた景色がここにありました。途中に小さな水路があり、夏はホタルがいるそうです。

 人間って不思議ですね。ビルに囲まれた所で仕事をしていると、時間に追われ、いつの間にか心落ち着かず過ごしています。しかし、このような景色、自然の中にいると、時間の早さが違うように感じられるのです。そして、心が落ち着きます。優しい気持ちなります
 勿論、車や乗り物で自然に浸りに行くことは出来ます。しかし、人間、住んでいる近くにこういう所があることが大事で、そしてそれを守っていかなくてはいけないのではないでしょうか。
 そんなことを感じた半日でした。  

紙おむつのリサイクル?

2008-03-12 15:41:07 | Weblog
 今月6日、「第3弾!福岡発!博多コレクション2008 シルバー世代のカジュアルファッションショー」がありました。何のイベントかって?
 実は、メインテーマは”紙おむつのリサイクル”なのです。では、なぜ私がこれに係るようになったのか、そのことからお話しましょう。

 5年ぐらい前、私は、福岡市の環境局の会議でよくごいっしょする、福岡大学工学部の松藤先生から、ごみの研究をされている話を聞いていました。その中に、紙おむつは大変上質のパルプを使っているので、これをごみとして焼却していまうのはもったいない、何とかリサイクルできないかと数年前から研究をしているということでした。すでに、大牟田に、紙おむつリサイクルの工場が出来ているので、見学に行きませんかとお誘いがありました。
 早速、私が所属している、国際ソロプチミスト福岡ー北クラブのメンバーに話し、皆で工場見学に行くことにしました。

 紙おむつのリサイクルとはどのようなことか簡単にお話しますと、紙おむつは、上質パルプと低質パルプ、ビニールなどから出来ており、工場では、まず紙おむつを洗浄し、その後これらを分けて、上質パルプは紙おむつの再生に使い、低質の方は、土壌改良材や代替肥料として使うというものです。
 私たちも現に体験しましたが、この土壌改良材を使って綿の種を撒き、育て、綿の実を収穫(この時初めて、綿ができているのを見、収穫を体験しました)、その綿で糸を紡ぎ、その糸でふきんやショールなどが出来るということです。

 このことを知った私たちは、先生をソロプチミスト日本財環境賞に推薦することを思いつき、1年目はダメでしたが、2度挑戦し、見事受賞されることになりました。

 そこからが先生のすごいところです。この時に貰われた副賞をどう使うのか、私に何と言われたと思いますか。「久留さん、紙おむつのファッションショーをしようや。紙おむつというと、ともすると暗いイメージがする。そうではなくて、紙おむつをマイナルイメージで捉えるのではなくて、たとえ、紙おむつを使うようになっても、どんどん外にも出れるような、また楽しく、かわいい紙おむつを提案していこうではないか。そのためにも、単なる啓発だけではなく、ファッションショーをしてたくさんの人に集まってもらおう。ミラノコレクションに負けない、博多コレクションをやろう」と。
 私は、すばらしい計画だけれど、とてもできっこないと思っていました。それがどうでしょう。第1弾は、シンポジウムで、紙おむつのリサイクルのことを知ってもらい、2回目から続けて3回、ファッションショーを開催することになりました。その3回目が先日、エルガーラホールで150人ほどのお客さんを集めて開催されたのです。

 今回は、特に3回目、集大成ということで、3年間の研究報告、日本赤十字九州国際看護大学生による「オムツについての課題とスタイルの提案」、高校生のアイデアによるシルバー・デザイン画コンテスト、リメイクファッションショー、香蘭女子短大による作務衣の発表、そして、私もモデルを務めたシルバー・ニューウエーブ・ファッションショーというたいへん盛りだくさんの内容でした。

 私は、現在ソロプチの会長ということもあって、初めのあいさつ、そして、2度モデルをし、この日は準備のため朝9時から夕方5時まで1日がかりの行事となりました。
 モデル経験は一昨年に続いて2度目ですので、初体験の時よりは落ち着いてできましたが、ライトを浴びて、舞台を行ったり来たり歩くのの難しいこと!(つくづくモデルはかっこいいなと思います)

 イベントは午後から3時間ではありましたが、ちょっと盛りだくさんかなという感じはしましたが、紙おむつを通して、循環型社会のことを考え、他方では、明るく、元気で高齢社会を生きていこうというメッセージもありということで、すばらしいプロジェクトだなと思いました。と同時に、香蘭女子短大や看護大学、ユニチャームやケアルートサービス(紙おむつのリサイクル会社)などの企業、そして福岡大学、私たちソロプチミストと、こんなに各層、各年代の人たちが集まってひとつのことを作り上げていく喜びや素晴らしさを経験させてもらいました。