例によって、接骨院の待合室での会話である。
何がきっかけでそんな話になったのだろう。Aさんの体験談が聞こえて来た。
「子どもの頃、おねしょするとね、父親がミミズの黒焼きを
煎じて飲ませるのよ。いやだったわぁ」
お相手の女性はうなずきながら
「ああ、聞いたことがある。一種のおまじない?
っていうか、薬みたいなもんでしょ」
Aさんがさらに続ける。
「ほかにもね、赤ガエルやムカデも食べさせられたわ。
イモリとかトカゲとか、あとカタツムリ」
「へぇー、カタツムリまで? じゃ、ナメクジなんかも?」
「いやぁ、さすがにナメクジはなかった」
興味津々で聞き耳を立てていた私だったが、ここで思わず吹き出した。
カタツムリがOKでナメクジはNGだという、その理由はいったい何なの
だろう?