「まったく、もう~ イライラしちゃう!」
M子さん、相当おかんむりだ。今日は男性のヴィジターが多くて、男5人、
女3人でのテニスレッスンである。
ジャンケンポンで1番から8番まで番号をつけ、自分の前の番号を追い
かける形でローテーション、つまり場所を移動しながら練習をしていた
時のことなんだけど。
「BさんとUさんのことよ。あのふたり、どうして何回も
迷子になるんだろ」
自分の番号より一つ若い番号の人を追いかけていけばいいだけの話
なのだが、このふたりのシニア男性はどういうわけか、ローテーションの
たびに自分の行く場所が分からずにウロウロしているのだと言う。
運の悪いことに、M子さんはBさんとUさんの間にはさまっているもの
だから、まるでかれらのお世話係みたいなことになっている。
「Bさんには、誰のあとを追いかければいいか何度も
教えたのよ。それなのに、毎回私に訊くの。
UさんはUさんで、とにかく私のあとをついて来てって
言ってるのに、とんでもない方へフラフラ行っちゃうんだから」
大変だねと同情しながら、つい笑ってしまう。M子さん、まるで幼稚園児に
頼られる先生さながらなんだもの。
それにしても、テニスのプレイはしっかりできる人たちにして、このトン
チンカンはいったいなぜ? 自分で考えることを放棄しているとしか
思えない。あるいは、はなっから人の話を聞く気がないのか。
別のクラスへ振り替えで行ったとき、私も似たような男性たちに出会う
ことがあるから、年齢を重ねた男たちの特性のひとつかもしれないぞ
と思ったり。
