呆気にとられて目が点に、一瞬ことばもない私。
当然割り勘でしょうと思っていたのだが、彼Kさんはご馳走してくれるつもりだったのね。それにしても、電光石火の早業だったなあ。あまりの素早さに、笑ってしまった。
そういえば、以前このKさんのブログ日記で読んだことがあったっけ。食事を共にした友人との間で、どちらが支払うかの攻防戦を繰り広げた時の顛末を。伝票が置かれた位置の微妙さを目測し、それをつかむタイミングを窺う、なかなか高度な技術が必要みたいなのだ。でも、置かれたとたんに奪い取れば圧勝だね。
きっと、試行錯誤の末に編み出した究極の「伝票奪取の技」に違いない。恐れ入りました。
建物の一階部分の屋根がひさしのように出っ張っているのだ。

黒っぽいキジ虎、どこかで見たことがある猫だなあ、と眺めていたらその猫が振り返った。目が合った。「げっ! 銀だ」いつの間に外へ。いったいどこから? あわててガラス戸を開けて手を伸ばしたら、彼は慌てる様子もなく、ゆうゆうと戻って来た。
一度でも外へ出てしまうと猫は何度も脱走をするようになる、と聞かされたことがあって、こういう事態を恐れていたのだ。でもねぇ、マンションのように出入り口がひとつというならともかく、築30年は過ぎてしまった老朽家屋。どこもかしこも歪んでいてすき間だらけだものなあ。いつかはこういうことも起こりうるとは思っていたのだ。
夫に報告しながら、ふと悪魔のささやきが心をよぎった。これがきっかけで外へ出たがるようになるんだったら、このまま自由な世界へ巣立ってもらうというのはどう? この子なら野良になっても立派にやって行けるのではなかろうか。なーんてね、そんなこと出来るはずもない。
斯くして、泥縄もいいところなんだけれど、
名札をつけることにしたのでした。久々の
首輪に、冴えない顔の銀です。
息子さんの学校で、不要になったテニスボールを椅子の脚に取り付けて消音対策をすることになったんですって。親たちは、割り当てられた何個かのボールに切り込みを入れる作業をしているのだとか。彼女はその作業中、カッターで親指をザックリという気の毒なことになってしまったのだが・・それはまた別のお話。
使えなくなったテニスボールを持て余し「もったいないなあ。でも使い道ないし~」とブツブツ言いながら、結局いつも燃えるゴミに出している私だったから、この話、なかなか面白いと思った。全国的な運動になっているのか、これからなりつつあるのか、その辺は分からないけれどね。もし日本中の学校でこのアイディアが採用されたら、役目を終わったたくさんのテニスボールが、もう一花咲かせられるじゃないの。
で、さっそくうちでも試してみました。こんな感じ。
徒歩8分のところにシネマコンプレックスがある。ロードショー上映される
ほとんどの映画が掛かるので、普段着・サンダル履きで映画を見ることが
出来るし、とりあえずチケットを買い、いったん帰宅して出直すなんて
ことも可能だから大助かり。
雨の連休で暇を持て余していた夫が、こんな時こそ映画でも観るか~と
言うのでチケットを買いに出かけた。「夫婦50割引」というのがあって、
夫婦の片方が50歳以上なら二人合わせて2000円で観ることが出来る。
夫と二人で映画を観るときは、もちろんいつもこの割引を利用する。
最初の頃は事情が分からなかったから、二人共に50歳以上でなければ
ならないのかと思い込み、二人で雁首揃えて窓口へ出向くという間抜けな
ことをしていた。片っぽが50歳以上なら適用なのだから、買いにきた人が
それを証明出来ればいいってことなのにね。
さて、今日これから観る予定の映画は『HERO』。木村拓也が好きではない
私だけれど、この久利生公平という役柄の彼だけはなかなかいい、と思って
いる。脚本が面白いって事なんだろうなあ。
思い立って、二胡の弦を新しい物と交換することにした。
この二胡を弾き始めたのは去年の10月。そろそろ1年
たつから、弦を交換してもいい時期かなあと自分で判断
したのだ。
以前先生に教わったことを思い出しながら慎重に作業を
進める。
まず、内弦をはずし新しい内弦を取り付ける。
次に外弦をはずし新しい外弦を取り付ける。
たったこれだけのこと。無事に2本の弦を取り付け終わ
った。ところが、私は大切なことを忘れていたのだ。
巻き過ぎると弦は切れてしまうということを。調子に乗っ
てギリギリ巻いていたら、突然ブツッと鈍い音がして内弦
がビヨヨ~ン。しまった!と思ったが後の祭り。
予備の弦はもうないから仕方ない、急いで弦を買わなくっ
ちゃ。インターネットで注文しても届くのは数日かかるだろう
なあ。それまでは、こんな情けない状態で放置するしかあり
ません。

ごめんね、私の二胡。
鄙には稀な、というほどではないけれど、とっても田舎な海辺の街に、
ちょっとおしゃれな喫茶店があった。ドアに掛けられたプレートには
「美味しい珈琲とスパイシーなカレー」と書かれている。確かにドアの
すき間からは、ガラムマサラの香りが。
店に足を踏み入れると「わっ、きれい」。店内の壁や窓は美しい貝殻で
飾られていた。木のテーブルには手書きメニュー。しかも中味はカレーと
ケーキセットのみ、というのが何だかこだわりがあっていいじゃないの。
ヒゲを蓄えた中年の店主が申し訳ないという様子で話しかけて来た。
「すみません。仕込みが間に合わなくて、まだカレーを
お出しできないんですが」
残念、いい香りが店中にただよっているのになあ。仕方ない、ケーキと
珈琲にしよう。ところがーーー
「申し訳ない。ケーキも切らしちゃって」
えっ、切らしたってどういうこと? まだ午前中よ。そんなにお客が殺到した
とも思えないけど。などとは言えず「じゃあ珈琲を」と注文。ひょっとして、
店主は珈琲好きが高じて店まで出しちゃった脱サラの人なのかなあ。
カレーの仕込みが間に合わなかったりケーキを切らしちゃったり、まだ
慣れていないのかも。
でも、珈琲にはこだわりを持ってて、すごく美味しいのを入れてくれるに
違いないと期待は高まる。やがて香り高いモカが運ばれて来た。
さすがに・・・・・普通だ~。
ほんっとに普通のコーヒー。うちのだんなが入れてくれる方が美味しいと
思うくらいのあまりの普通さに、言葉もない私。
カレーもケーキもなくて普通のコーヒーしか出て来ないんなら店開けるな~、
と思わず叫んだ。 心の中で。









