視覚障害者のための音訳ボランティア。講座を修了したばかりの
新米メンバーは、月に一回「話題の広場」という音源づくりに参加
する。新聞の中で見つけたちょっとしたトピックを各自が持ち寄り、
それを交代で60分テープに吹き込むのだ。
神経を使うのは固有名詞。人の名前は特に読み間違えに注意
しなくてはならない。
私が取り上げようと思ったのは、秋の季語であるカマキリを詠んだ
俳句についての一文だった。ただ、文中にいくつか紹介されている
句の中で、この作者名の読み方だけが分からない。
蟷螂(とうろう)は斧上げてより考ふる 山根真矢
姓は「やまね」よね。下の名前は「マサヤ」なのか「シンヤ」なのか。
文学の素養があれば知っていて当然の俳人なのかもしれないの
だが……ネットをあちこちさまよった挙句やっと見つけたサイトに
顔写真も載っていた。
そして、思わず「あっ!」。 女性だった。正解は「ヤマネ マヤ」さん。
ああ恥ずかしい。頭から男性と決め込んでいたもんね。虚心という
ことばを改めて噛みしめたのでありました。




