花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

四季成り

2021年10月15日 | 研究
秋なのにイチゴの花が咲いています。
原種に近いホワイトディライトというイチゴです。
普通、イチゴを露地栽培すると初夏に花を咲かせ実をつけます。
短日植物だからですが、これを一季成りといいます。
ところがこのように秋にも実をつけるタイプもあります。
これが四季成り。日長にあまり左右されない特徴を持っています。
とはいっても15℃以下に気温が下がったり
逆に30℃を越すと結実しにくいので、
実際に楽しめるのは春秋の2回と考えていいかもしれません。
さてこのホワイトディライト。
名前のとおり、真っ白な実をつけます。
今から10数年前、結成したばかりのチームフローラフォトニクスは
育種にはまっていました。挑戦した植物のひとつがイチゴ。
このホワイトディライトは、親株にされました。
ビギナーズラックなのか、交配したイチゴは見事に実をつけ
その果実の小さな種子をまいたら、これがまた発芽成功。
翌年、苗として育てていたのですが、悲劇が起きます。
なんとその年は久しぶりの冷害。夏になっても梅雨があけず長雨。
さらに気温の低下で苗はとうとう灰色カビ病にかかり枯れてしまいました。
計画ではこの苗が花を咲かせたら
自家受粉させて再度種子をとり、そしてまた播種する予定でした。
こうすることで初めていろいろな形質を持ったイチゴが誕生するからです。
残念ですが、親だけが今もこのように元気に育っています。
コメント

これからがベストシーズン

2021年10月15日 | 学校
この時期、太陽が地平線に沈んでから漆黒の闇になるまでの数十分間、
空がきれいな青色に包まれる時があります。
この現象をブルーモーメントといいます。
これは名農のグラウンドから真上を撮影した夕方の全天写真。
右が東、左が西。名久井岳の方向は左上の角あたりですが、
ブルーブラックのグラデーションがとてもきれいです。
これから空が澄んでくる冬になると
より美しい青になるので、ぜひ空を見上げてください。
2016年、チームフローラフォトニクスは
国立極地研究所が公募した極地研究テーマに応募したことがあります。
提案した内容はブルーモーメント。白夜になる頃の南極は、
太陽高度が低い状態がずっと続くので、きっと長い間
美しいブルーモーメントが現れるはずだというものでした。
するとどうでしょう。なんと提案が採用されてしまったのです。
恐ろしいことにデータは研究所がとりますが、分析は提案者がやるというルール。
採用が決まって10ヶ月ぐらいたった頃、フローラに届いたのは
昭和基地で数ヶ月間撮影されたタイムラプス動画。
膨大なデータ量です。分析はメンバーみんなで行いましたが、
ブルーモーメントは予想通り、2時間以上も続いていました。
さらにチームはブルーモーメントの映像をコンピュータで
RGBに分けて分析。そして色の変化を太陽の高度と関連させて
極地研究所で報告しました。するといつも厳しい先生方から
分析手法と結果についてお褒めの言葉をたくさんいただき
みんなホッとして青森に帰ったのを覚えています。
でも一番嬉しかったのは、南極の映像を分析していると
日によってオーロラが見えること。これには感動しました。
そして一度でいいから本物のオーロラが見たいと思ったものです。
コメント