地方の三文小説家「東義久」の独白

東義久のブログです。

映画「この道」を観てきた

2019-01-26 00:29:49 | 文学

映画「この道」を観てきた
久しぶりに映画を観たくなったので、1月19日、京都駅のイオンに行った。クイーンのボヘミアン・ラプソディーかクラプトンの12小節の人生が頭にあったが、へそ曲がりなぼくは人気のボヘミアンラプソディーは今さら行く気にはなれず、かといってクラプトンは終わっている。結局、「この道」を観ることにした。北原白秋と山田耕筰を軸にした物語である。エクザイルのアキラが演じる山田の語りで進行するのだが、明治、大正、昭和にかけた歌人たち啄木や与謝野晶子、萩原朔太郎、鈴木三重吉などの苦悩や野心を観ていると、現代に通じるものがありこころが痛くなった。関東大震災に壊れたまちと人を、二人の詩と曲で勇気づけようとする思いや軍歌を作らされる時代への流れはどこか現代に重なる。北原白秋はやんちゃでいい加減、山田は王道のドイツ帰りのクラッシックを日本に広めようとの、どうも合わないコンビ。白秋が姦通罪で逮捕されるが、そんなとんでもない彼の書く歌が子どもたちに受け入れられるという稀代の人たらし。最後は糖尿病から失明するのだが、身につまされる映画だった。