全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

東海労弁通信より 1

2006年04月29日 13時03分49秒 | Weblog
トヨタに新労組結成される

中 谷 雄 二



1 一部の新聞には掲載されましたが、本年1月22日、トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機、ジェイテクト(旧豊田工機)の従業員が、全トヨタ労働組合(略称全ト・ユニオン)を結成しました。上部団体は西三河南地域労働組合総連合(略称:西三河南労連)です。

  空前の利益を上げ、世界的な企業としてもてはやされるトヨタとトヨタの関連企業に働く労働者の実態は、生産現場の労働者の4割が非正規雇用の若年労働者で占められ、低賃金、長時間労働の下で健康破壊が広がり、過労死や過労自殺が蔓延しています。

  新しい労働組合は、正規だけでなく非正規社員(期間、嘱託、管理職、派遣等)を含む、トヨタ関連企業(下請や取引先企業)で働く労働者も広く対象にしています。現時点ではまだ小さな勢力ですが、全国に広がるトヨタ系労働者を組合員にするという意気込みです。



2 1月23日、各企業に組合結成通告と加入通告をし、既存労働組合に脱退届けを提出しました。各企業に一名の弁護士を付けるという体制で通告をしましたが、アイシン精機では組合結成の通告に対して、面会を拒否したり、結成通告書の受取を拒否するなどの対応がありました。デンソーでは、労働組合の役員が出てくることなく、脱退通告に行った労働者と弁護士を長時間放置するなどの酷い対応がありました。いずれも、担当弁護士の適切な対応で無事通告が終了し、夕方から記者会見を行いました。突然の会見申入にもかかわらず、テレビ3社を含むマスコミ各社が集まり、熱心な質問がされていました。



3 組合員たちは、長年少数派の運動をやってきました。その間も、過労死した労働者の家族から相談を受けたり、うつ病になった労働者の支援をしたり、更新拒絶を告げられた労働者の相談に乗ったりしてきました。しかし、労働組合がないため会社と直接交渉できない、労働者の闘いの支援も十分できないことに苛立ちを感じてきました。そして、自らも高齢になってきた現在、このままでは職場に闘う人々がいなくなると考え、労働組合を作って、この酷い職場の実態を変えられないのかと考えるに至りました。

  新しい労働組合をつくるのに最も大きな呪縛となっていたのが、ユニオンショップ協定でした。最高裁の判例では、別組合をつくりそこに加入したことを理由に脱退や除名を受けても解雇されないことは認められていますが、活動家といわれる人たちにもその知識はありませんでした。労働組合を結成しても解雇されないこと、労働組合を結成すれば、会社に団交が要求でき、対等な交渉の場ができることを学習してきました。様々な反対意見や1年に及ぶ準備を経てようやく労働組合の結成に至りました。

  結成大会は、トヨタの研究者である中京大の猿田正機教授をはじめとする複数の研究者の方も来賓として参加され、熱気あふれるものとなりました。
続く
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