全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

労働者の命を守るためにも

2010年12月16日 21時58分54秒 | Weblog
夜勤務で死亡したのは労働災害ですと訴えて、2008年10月に名古屋地裁で労災認定を受けた内野さんのご遺族である博子さんから寄稿していただきましたので紹介します。

大企業トヨタが率先している夜間勤務は人間を壊す
       トヨタ自動車過労死遺族 内野博子

 私の夫はトヨタ自動車堤工場で働いていました。しかし、8年前の2002年2月9日土曜日の早朝、夜勤明け間近の職場で上司と仕事中に倒れ、心室細動によりそのまま亡くなりました。まだ30才でした。車体工場の品質管理部門でのストレスやプレッシャー、カイゼン活動を含む様々なサービス残業を含めた長時間勤務が、夫の体を限界に追い詰めました。5年半後になって、それが労働災害であることが名古屋地裁でも証明され、トヨタ自動車もQC活動は業務扱いに変更しました。

 しかし、長年にわたり夜間勤務を続けた事による疲労の蓄積については、何も変わりません。夜間勤務は入社以来、亡くなるまでずっと一週間交代でありました。トヨタでは命が長らえている限り、夫の父親のように定年まで交代勤務が続きます。1995年から連続2交代という勤務形態になりましたが、これは、全く家族とのコミュニケーションを無視した勤務体系です。

 まず、早番勤務週の定時は6:25~15:15です。朝4時には起きて朝ご飯を食べ、4時40分頃出掛けて行きました。夜は、夫が午後8時に子どもをお風呂に入れて8時半には寝る、という慌ただしい生活で、ゆっくりと団欒をする余裕などありませんでした。ましてや友人との約束など皆無でしたし、早番入りの日曜日の夜は次の日に備えて出掛けることもできません。

 もう一方、遅番勤務週の定時は16:10~25:00(夜中の1時)です。更に、非人間的な生活時間となります。定時で帰宅しても夜中の2時半ごろ、そっとお風呂に入って汗を流し、午前3時ごろに冷たい夕食を1人で食べるのです。結婚していても家族とはすれ違いの生活になり、家族も日常生活で夫をあてにすることはできません。遅番あけの土曜日は睡眠にとられるので、結局この週も、まる1日とれる休日は週に1日しかないことになります。友人からの釣りの誘いも断っていました。

 人間の健康は、1日の間に時間とともに変動する血圧や体温、また光からの反射によって保たれていることは最近の医学からも明らかです。トヨタ社員は不規則勤務の中、光で睡眠を妨げないように遮光カーテンの部屋で寝起きする人が大多数です。人間本来のリズムから外れることによって精神的なストレスも大きいはずです。

 大企業がそんな異常な勤務体系を率先して行い、利益を上げることによって、生き残りをかけた多数の中小企業の社員もまた、同じような勤務をせざるを得ません。過労死だけでなく、うつによる自殺も増えています。将来の明るい日本を目指すのであれば、「大企業の夜間勤務を制限する法律」があるべきだと思っています。
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第5回労使交渉開催

2010年12月16日 20時56分02秒 | アイシン機工
誠意のないAKK企業
12月13日(月)第5回団体交渉を安城市のアイシン施設で行いました。
 冒頭、組合側から12月8日(水)に組合機関紙(15号)を従業員に配布した際に、会社内にて佐藤部長と杉本課長他数名が機関紙を押収していたことで事実確認をした。また、ブログへの書き込み者の聞き込みと犯人探しをしていることの事実確認もしたところ佐藤部長は「落ちていたビラを拾ったが、知らない、やっていない、指示していない」と答えました。こうした行為は組合介入であり、不当労働行為にあたるので、ただちにやめるよう強く抗議をしました。

交渉議題の職場復職問題と賃金補償問題に誠意のない回答
 職場復職問題は会社任せにしないで、本人と組合から具体的6職場を提案して交渉に臨んでいます。復職に当たって主治医の注意点は、重量物を扱うライン作業は当面不可能でありデスクワークをはじめとした軽作業から慣らしていくべきであると指導を受けています。このことを受け入れないとすると会社の安全配慮義務(安全衛生法)に問題があることになります。
 賃金補償問題は復職を認めず、会社の都合で休ませているわけですから、当然その間の賃金は保障をすることが決まっています。(労基法)最高裁でもこれに類似した判例があり賃金支払いが認められているのです。

労使間で解決することを主張しましたが、こうした主張に会社は頑なに拒み続けています。現症状でも働ける職場があるのに、なぜ、拒み続けるのか、このまま引き下がるわけにはいきまん、引き続き粘り強く交渉を続け解決の方向を見つけたいと思います。ご支援のほどをよろしくお願いいたします。
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若者の就職難深刻

2010年12月16日 20時35分12秒 | Weblog
 
 総務省統計局が11月30日に発表した労働力調査(速報)によると、10月の完全失業率(季節調整値)は5.1%となり、前月に比べ0.1ポイント上昇し4カ月ぶりに悪化した。男性は5.4%と前月に比べ0.1ポイント低下、女性は4.6%と前月に比べ0.3ポイント上昇した。15~24歳の完全失業率(原数値)は9.1%と1年前に比べ0.2ポイント低下した。
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/05400.pdf  (労働力調査(基本集計)11月速報)
  http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm  
  愛知県内の新規高校・大学卒業予定者の状況
  〔9月末現在〕
  ●新規高校卒業予定者の求人倍率
   1.40倍 平成10年以降最低です。
  ●新規高校卒業予定者の就職内定率
   57.9% 2年ぶり前年同月を上回った。
  ●新規大学卒業予定者対象求人
   求人件数  1,066件  18.3%増加
   求人数   3,659人  5.5%増加
 製造出荷額日本一を誇る愛知でも就職はきわめて狭き門です。働きたくとも働く場所が無い現実は政治災害です。
【憲法】 
〔第25条すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。〕
〔第27条すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。〕
 このままでは、高・大卒後、国が仕事を確保しなければ、生活保護を受けなければ成り 立た無いことになります。
 資本主義の社会とは言えども、弱肉強食のシステムで大企業のみがやりたい放題での野放しでは政治も社会も経済も行きずまってしまいます。
 現にトヨタ自動車では12兆円もの税金のかからない内部貯金を溜め込んでは、1万人の労働者を職場から追い出しており、技術や技能の向上などかなぐり捨てています。生産過剰だからと言っては、いくつもの組み立てラインを凍結して人をあぶりだしています。
 そんなことをするくらいなら、完全週休2日制を実施し、長時間労働の短縮に舵をとり、連続5日の夜勤労働(一週間交代制)を全面的になくし、昼勤務のみの人間開放を試みるべきです。確実に雇用が増えるはずです。
 労働者を夜まで働かせて社会に車を供給する必要性があるのでしょうか?
コメント (7)
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