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全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

トヨタ本社に労働災害の調査を申し入れその後

2017年08月12日 09時21分14秒 | トヨタ自動車
 当労働組合の追及に、「会社は労災を隠すようなことはしない。適正に処理する」と述べるだけで、それ以上の回答は、そもそも調査したのかどうかを含めて、頑なに拒否しました。たとえ労災隠しが現場レベルのものであったにしても、これを明らかにし、調査を申し入れたATUにたいして回答を拒否するということは、会社内での法規違反という不祥事を公にせずもみ消すという行為であり、労災隠しに加担するもので絶対にゆるされてはならない事です。
 
豊田労働基準監督署に申告
 こうしたトヨタの不誠実な態度に対して、見過ごすことはできないので、8月3日(木)豊田監督署に以下の内容で申告をし受理されました。

豊田労働基準監督署 署長殿

全トヨタ労働組合
執行委員長 若月忠夫

トヨタでの労働災害隠しについて調査依頼

企 業 名  トヨタ自動車あ株式会社
事 業 所  堤工場
労災発生場所 車体部品質物流課842組
発生 日時  2017年6月16日(金)一直勤務中
被 災 者  〇〇〇〇さん 期間従業員
け が程度  ドア部品運搬中に左指を挟まれ骨折

災害後の状況と職場の対応
① 被災者には、会社寮のドアで指を挟みけがしたようにするよう指示をし、健康保険で治療させて私病扱いにしている。
② 仕事は無理なのに、会社に出勤させ職場の詰所で待機させている。
③ 職場サイドで口裏を合わせて、非労災にするよう申し合わせている。
④ 今年の三月にもリフトとの接触事故があった。
⑤ 労災隠しは犯罪です。厳正な調査と被災者に救済に当たってください。
                                    以上
とても悪質な手口です。これまでもこうしたことが繰り返されてきたことを考えると、根本的に企業体質を改めさせる対策が必要です。「安全は作業の入り口」がトヨタの柱です。看板をけがす社員がいることは、社長の顔に泥を塗るようなものです。また、「社会に開かれた良き企業市民であるべきです」と謳われた企業憲章にも反する行為であり、猛省を求めます。この件についての情報をお持ちしています。
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トヨタ社員労災認定裁判(災害補償給付不支給決定、取り消し裁判)

2017年06月27日 19時35分39秒 | トヨタ自動車
 トヨタ社員の労災認定裁判が、6月26日(月)午前10時から名古屋地裁にて9回目の公判が行われました。傍聴参加者には公判前に弁護団から、原告としてどのように臨むのか説明をしていただきました。
 今回は、3月に被告側である国が第5準備書面として「反論」をしてきましたが全く中身のない内容で、トヨタ側から資料が出てこないために反論として書きようがないようです。そこで原告側は裁判所からトヨタ自動車に対して、会社側が持っている資料を出すように求釈明をもとめ了解を得ました。次回はこのことが焦点になります。

原告弁護団の梅村弁護士から
トヨタ社員過労自殺裁判のこれまでの状況について寄稿いただきました。
2017.6      
弁護士 梅村浩司
 
被災者は、トヨタ自動車株式会社本社において、生産準備の業務に従事していました。そして、リーマンショック(2008年9月ころ)の約1年後、うつ病を発症し、2010年1月に自殺をしました。被災者の遺族は、豊田労働基準監督署に労災の申請をしましたが、認められませんでした。さらに、この取消を求めて、愛知労働局に審査請求、労働保険審査会に再審査請求をしましたが、認められませんでした。そこで、2015年7月に、労災としなかった豊田労働基準監督署長の決定の取消を求めて、名古屋地方裁判所に提訴しました。現在、提訴から、1年と11ヶ月となります。
原告は、既にトヨタを退職した同僚労働者の証言と被災者の残したノート等の資料から、被災者の仕事の内容、上司からのパワハラの内容等を明らかにして、詳細な主張を行いました。
これに対して、被告の国は、2017年3月31日付第5準備書面において、原告が主張している具体的な事実については、事実としてあったことなのかどうかの返事をせずに、被災者が行っていた業務の過重性の評価についてだけは、大したことはないものと主張をしています。その根拠としては、労基署等で調査が行われた際に作成された被災者の同僚や上司の聴取書の内容を引用するだけのものとなっています。
業務の過重性の主張立証責任は原告にあるので、被告としては、被災者の業務内容は知らないといった立場を貫き、結局、原告が立証できるかどうかという点に訴訟の帰趨を持ち込み、秘密体質のトヨタ自動車からは、何の証拠も出てこないことから、原告の立証が出来ないということで、勝訴に持ち込もうとしています。
 今回、原告は、上記被告の主張に対する必要な反論の準備書面を提出するとともに、裁判所からトヨタ自動車に対して、被災者の仕事の内容が記載されている書面等を提出するようにお願いすることを求めます(文書送付嘱託申立)。
本件では、豊田労働基準監督署での調査の段階から、トヨタ自動車は、労基署から提出を求められた資料に関して、そのほとんどを黒塗りにして提出していました。豊田労働基準監督署は、黒塗りを止めるように言った形跡はありませんでした。労働基準監督署長は、法律上、トヨタ自動車に対して、資料の提出を命令することもできます。にもかかわらず、トヨタに対して強く黒塗りのない資料の提出を求めることをせず、その挙げ句、過重な業務であったとは認められないとして、労災を認めませんでした。そして、訴訟になるや、被告の国は、原告に主張・立証責任があることを良いことに、原告の主張をまともに取り合おうとの態度すらありません。上記のような労働基準監督署を含めた国側の態度も問題としていきたいと考えています。
以上
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トヨタ二次下請け企業労働者の労災認定裁判高裁逆転勝利『確定』しました

2017年03月10日 10時28分50秒 | トヨタ自動車


ご支援ありがとうございました
 トヨタ直系の二次下請け会社(テー・エス・シー)の労働者が過労死したのは労働災害であるとして、認定を求めた判決が名古屋高等裁判所であり、一審での判決を破棄し、半田労基署の不支給決定を取り消し労働災害と認めるよう決定が2月23日出されていましたが、3月9日厚生労働省は最高裁に上告しないことを決定したことで、労働災害として認定が確定しました。

 彼は100時間近い残業と東日本大震災後のトヨタの変則カレンダー(休日の土日から木金への変更)によって生活をズタズタにされ、過労に陥り心臓疾患で急死しました。ところが労災認定を求めた名古屋地裁は「残業は85時間で労災認定基準に達していない」との冷酷な一言で遺族の請求を棄却したため、遺族が名古屋高裁に控訴していました。
今回の判決は、現在国会で検討されている残業時間上限100時間とする政府案を根本的に覆すものです。あってはならない「過労死」を国が容認することになれば、1昨年に制定された「過労死防止等対策法」が絵に描いた餅になりかねません。
 「企業栄えて、民(労働者)滅ぶ」そんな社会は根本的に間違っていると思います。
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トヨタ二次下請け企業労働者の労災認定裁判高裁逆転勝利

2017年02月23日 20時44分10秒 | トヨタ自動車


 本日2月23日11時10分から、トヨタ直系の二次下請け会社(テー・エス・シー)の労働者が過労死したのは労働災害であるとして、認定を求めた判決が名古屋高等裁判所であり、一審での判決を破棄し、半田労基署の不支給決定を取り消し労働災害と認めるよう決定が出されました。

 彼は100時間近い残業と東日本大震災後のトヨタの変則カレンダー(休日の土日から木金への変更)によって生活をズタズタにされ、過労に陥り心臓疾患で急死しました。ところが労災認定を求めた名古屋地裁は「残業は85時間で労災認定基準に達していない」との冷酷な一言で遺族の請求を棄却したため、遺族が名古屋高裁に控訴していました。
 高裁の判断は、カロウシライン100時間に達していなくても、心臓疾患を持っていた彼にとって、業務量つまり過重な労働が負担となって過労死に至ったことを判断したのです。労災保険の趣旨を酌んだ判断だったと思います。
 働き方の改革が議論されている中での判決であり、政労使は残業時間を限りなくゼロにしていく覚悟をもって法整備をしていただきたい。

トヨタ社員労働者の労災認定裁判

合わせて、トヨタ社員労働者の労災認定裁判が名古屋地裁で1月30日にありました。
 今回は第8回の口頭弁論が行われました。原告側から準備書面6・7号証を提出しました。主な内容は以下のごとくです。
【6号証】
原告は、訴状及び準備書面において、訴外トヨタ自動車株式会社が採用する,いわゆる「トヨタ生産方式」(TPS)の下で、被災者が高密度で過重な労働に従事してきたことを主張しました。
そこで、本準書面では、猿田正機氏の意見書等(甲A29~甲A36)を基に、トヨタ生産方式及びトヨタの人事管理・労使関係を概説して、それらにより、トヨタで働く労働者に密度が濃い労働がもたらされることを明らかにしています。
 被告側の反論は5・6・7号証に対して、「一般的なことであり反論するまでもない」と結論づけました。それに対して裁判長から「そうは言うものの全く反論しないのは問題ではないか」といった趣旨のことがあり次回裁判まで反論することになりました。
 被告側の姿勢を見ていると、どうもトヨタ自動車が資料等の要請に非協力的(業務内容を知られたくない)であるために反論のしょうがないように思われます。
次回の裁判は4月19日(水)午前11時からです。傍聴よろしくお願いいたします。
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トヨタ社員の労災認定裁判近ずく

2017年01月19日 15時16分19秒 | トヨタ自動車


トヨタ社員の労災認定裁判にご支援をお願いします。
 新年を迎えて最初の裁判になりますが、1月30日(月)10時10分から名古屋地裁1103号法廷で第8回の口頭弁論が行われます。
2015年7月10日 国を相手に名古屋地方裁判所へ労働災害認定請求提訴をしましたから2年目に入っています。まだ今のところ双方から口頭弁論が繰り返されている段階ですが、もっともっと世論を味方につけて闘っていかなければと思います。原告はしんどいと思いますが、支援する会が支えていきますのでご支援のほどをよろしくお願いいたします。

支援する会の会員を募っていますので下記を印刷して、郵送で送って下さい。

支援する会への入会をお願いします
会 則  トヨタ社員労災認定裁判を支援する会(チームさつき) 
1.この会は トヨタ社員労災認定裁判を支援する会(チームさつき)とします。
2.この会は、トヨタ社員Kさんの労災を認めさせるために支援することを目的とします。
3.この会は、上記2の目的を達成するために必要な支援活動を行います。
4.この会は、会の目的に賛同する個人・団体で構成されます。
5.この会は、年に1回総会を開き、必要に応じ臨時総会を開くことができます。
  総会は、活動の総括・会計報告・活動方針・役員人事・会則改訂などを決定します。
6.この会の役員は、会長・副会長・事務局長・会計とします。
(1)会  長:会を代表する1名。
(2)副 会 長:会長を補佐・代行する1名。
7.事務局会議:役員・事務局員(事務局員若干名)で構成します。
8.この会には会計監査をおき、会計監査は役員以外とします。
9.この会の役員の任期は、総会から次回総会までとします。
10.この会の財政は、会費とカンパで運営します。
  会費は年会費個人1000円・団体3000円とします。カンパは随時お受けいたします。
11.この会の事務所はNPO愛知健康センターにおきます。
 〒456-0006 名古屋市熱田区沢下町9の3 労働会館本館306号愛知健康センター内
  電話:052-883-6966 FAX:052-883-6983 E-mail:inoken-aichi@roren.net
  電話:080-1611-4422(若月)
12.この会則は 2016年7月4日から実施します。

________________________________________
トヨタ社員労災認定裁判を支援する会(チームさつき)入会申込書
支援する会の会則・趣旨に賛同し、会費を添えて入会を申し込みます。

          年     月    日
氏 名                 

住 所 〒                                         

電話番号              電子メール                        

入会金 個人・団体        円  カンパ       円

________________________________________
領 収 書        チームさつき会費として領収しました。
         年    月    日
       円             受領者名        
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トヨタ二次下請け企業労働者の労災認定裁判

2016年12月09日 19時44分30秒 | トヨタ自動車

地裁判決後の報告集会

 本日9日10時30分から、トヨタ直系の二次下請け会社(テー・エス・シー)の労働者が過労死して労災認定を求めた裁判が名古屋高等裁判所でありました。今回で原告・国とも弁論は終了して結審となりました。判決は来年の2月23日午後1時10分からです。
 彼は100時間近い残業と東日本大震災後のトヨタの変則カレンダー(休日の土日から木金への変更)によって生活をズタズタにされ、過労に陥り心臓疾患で急死しました。ところが労災認定を求めた名古屋地裁は「残業は85時間で労災認定基準に達していない」との冷酷な一言で遺族の請求を棄却しました。このため遺族は名古屋高裁に控訴していました。
 原告の奥さんは、「夫の働きぶりを知れば知るほどなぜこんなに命を削って働かなければいけなかったのか、怒りがこみ上げてきます。また、夫が懸命に働いた会社の態度には落胆しました。地裁では認めてもらえなかったが、高裁では必ず認めてもらえると信じています」とご主人のご両親ともに心境を語っていました。ATUも加わる西三河地域労働組合が全面支援で闘ってきました。何としても認めさせたいものです。最後まで気を抜かず頑張りましょう。
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トヨタ社員労災認定裁判(災害補償給付不支給決定、取り消し裁判)

2016年12月01日 15時52分56秒 | トヨタ自動車


 トヨタ社員労災認定裁判7回目の口頭弁論が、11月30日午前11時から名古屋地裁でおこなわれました。原告側からは準備書面4,5号が提出されました。これに対して国側から次回までに反論(準備書面)が出される予定です。

被災者の働き方について「求釈明」の形で国側に求めていたのですが、トヨタ自動車の協力が得られなかったことから、原告側は被災者が残していた業務記録ノート等を解明して準備書面を作成しています。
 
・三好工場プリウスの仕事の内容、上司による繰り返されたパワーハラスメント(準備書面4)
・リーマンショックとトヨタへの影響…収益改善活動→残業規制、人員削減(準備書面5)

「準備書面5」の要点は以下のようにまとめられています。
第1 会社の急成長

第2 リーマンショックの会社への影響
1 リーマンショックとそれの会社への影響

2 リーマンショック後の会社の対応

3 2009年6月以降の会社の動向

3 中国市場と会社の新戦略

4 まとめ

第3 リーマンショックが会社の開発・設計分野の労働者に与えた影響
1 生産現場労働者とは異なる状況
2 危機に対応するための新たの課題の追加

第4 残業禁止と被災者への影響
1 被災者の残業の状況
2 残業規制に関する被告の主張等
3 残業規制と被災者の労働密度

第5 人員削減と被災者への影響
1 人員削減の状況
2 人員削減と被災者の業務への影響

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トヨタ社員労災認定裁判(災害補償給付不支給決定、取り消し裁判)に支援を!

2016年11月04日 09時59分21秒 | トヨタ自動車


傍聴をお願いいたします
 全トヨタ労働組合は、2015年7月10日 国を相手に名古屋地方裁判所へ労働災害認定請求を提訴した、トヨタ自動車社員の裁判を支援しています。「支援する会」を7月4日に立ち上げ、幅広く市民の皆さんにも呼び掛けて支援活動が進んでいます。

 この裁判の性格ですが、2008年のリーマンショック後、トヨタも経営立て直しのために厳しい職場環境に変貌します。彼はトヨタ本社生産技術部に配属され生産設備の立ち上げ業務に携わっていました。職場では当時74名の要員から50名に24人も「要員を削減」しました。しかも、残業は月50時間ほどしていたものが「残業禁止」となり、減らない業務量と要員削減で過密・過重な業務に従事することになります。一方、上司からは仕事が遅れるなどで罵声を浴びせられ、「自分がダメな人間だと悲しく思うほど、ひどい言われ方をして自信喪失になる」などと訴えて自ら命を絶った事件です。

次回 裁判 予定
第7回口頭弁論
11月30日(水)午前11時から
名古屋地方裁判所 11階1103号法廷です

地下鉄名城線「名古屋市役所」下車5番出口から真直ぐ徒歩10分


トヨタ社員労災認定裁判の経緯

2010年1月     被災
2011年6月17日  豊田労働基準監督署へ申請
2012年10月31日 労災と認めない決定(不支給決定)
2012年12月25日 愛知労働者災害補償保険審査官に対し審査請求
2013年12月26日 審査請求を棄却
2014年1月23日  労働保険審査会に対し再審査請求
2015年1月27日  再審査請求棄却

提 訴(弁護団 梅村・加計・水野各弁護士)
2015年7月10日 国を相手に名古屋地方裁判所へ労働災害認定請求提訴

裁判経過
裁 判
2015年10月19日(月)第1回口頭弁論
2016年 1月13日(水)第2回口頭弁論
      3月23日(水)第3回口頭弁論
      5月16日(月)第4回口頭弁論 裁判官交代
      7月4日 (月)第5回口頭弁論&支援する会結成
      9月28日(水)第6回口頭弁論
 

第6回口頭弁論が9月28日に終わりました
 6回口頭弁論では、準備書面2,準備書面3、証拠等を提出しました。
(1) 国側にKさんがどのように仕事をしていたのか求釈明をしていましたが、企業内秘密を盾に応じなかったために、原告側から書面2でKさんが関わった「2020年ビジョン」の業務と性格を解明したもの(以下要約)


『2020年ビジョンとは、将来ビジョンを作成することであり、具体的には、3年後、5年後、10年後のビジョンの検討を行った。 
この取り組みは、2009年5月ころに始まり、当初は同年8月までに構想をまとめる予定であった。しかしながら、その進捗状況から、同年12月までに延長された。したがって、被災者は、当初、会社三好工場のプリウスのCVJラインの業務と併行して担当し、TFAPの担当をするようになった後も担当していた。そして、2009年12月に、これからは毎年見直していくということになった。
 被告は、2020年ビジョンが被災者にとって新規の業務であったことは認めているが、それが緊急の業務でありかつ上司の指示に基づき作成するという裁量性が乏しい業務であったとの原告の主張は否認し、そのうえで、2020年ビジョンは、せいぜい一般的な付随業務に過ぎず、精神障害を発症するような過重なものとは認められないと主張している。
 被災者が担当した時期は未曾有の経済危機の中で、会社がかつてない危機に直面した時期であり、急きょ社長が創業家に交代するなど幹部の変動があり将来の明確な方針が定まっていない時期であった。さらに、自動車産業のあり方そのものが、ガソリンからハイブリッド、電気へと変わろうとしている時期であり、加えて、会社は、危機への緊急の対処である収益改善を行っている時期でもあった。このような時期に、将来を見据えて、しかも、10年先の姿を描き出すということは、不可能である。また、最初から、被災者に全体の具体的な課題が与えられたのならともかく、指示が抽象的であったり、会議を行うたびに指示が変わったり、追加されたりしており、被災者は、一貫しない指示に翻弄されるなど、被災者にとって達成困難な課題であった。』として、被災者一人で行った業務であり、業務量と労働密度、質的過重性を明らかにしたものです。

(2)準備書面3は中国業務内容について解明

被災者は、2009年10月ころから、中国のTFAPに関する業務を担当した。この業務は、会社内の関係部署やTFAPの関係部署と連携を取りながら、TFAPの既存設備の生産準備や技術支援などを行うものであった。具体的には、被災者は、CVJ(ドライブシャフト)を構成する部品の一部変更のための「小変更プロジェクト」を担当していて、TFAPの既存ラインの設備について、改造が必要な部位の検討や調査を設備メーカーや関係部署と連携を取りながら進めていた。
被災者が担当していた中国業務の重要性について、中国市場の重要性と被災者の業務の重要性・責任の重さ、被災者にとって未経験の業務であったこと、単独担当になり支援もないこと、上司の支援の欠如などの問題点を解明しています。
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トヨタ町1丁目に激震

2016年09月29日 13時17分58秒 | トヨタ自動車


トヨタ自動車で二つの事件が、今朝29日の朝刊で報じられています。

一つは、22歳で二人のトヨタ社員が、偽造カードを使ってATMから530万円引き出したというのです。社員と記載されているので正社員であろうと思われます。なぜこんな行為に至ったのだろうか、マツダ社員の殺傷事件もお金が絡んだ事件でした。トヨタ社員が指定暴力団と何らかのつながりがあるとすると他にも関係した従業員が?、22歳というと高卒でしたら入社して4年目です。何らかのトラブルに巻き込まれて抜け出せない泥沼に入ってしまったのだろうか。トヨタ自動車では、ATUの組合が結成した2006年から「7万人総コミニュケーション活動」が展開されてきました。従業員一人一人が相監視状態に置かれ、とても息苦しい職場環境になっています。

もう一つは、定年を迎えた社員が、定年後の適正な継続雇用を求めていたのに、事務職勤務から清掃作業を命じられてことで、「改正高年齢者雇用安定法」に反するとして、損害賠償を求めて提訴しています。地裁で認められなかったのですが、本人は控訴をして名古屋高裁で闘っていました。判決では一審判決を一部変更して、トヨタに127万円の損害賠償を支払うよう命じました。しかし、65まで雇用可能となったわけですから、もし5年働けば約2000万はなるであろう賃金が損失するわけですから、今回の支払いは妥当とは言えません。金銭はともかくATUの組合員でも再雇用者がいて、42年余働いてきた社員に対して、短日勤務の2年契約しかしない企業があり、今後課題として問題にしていくうえで、トヨタ社員の裁判を参考にして闘いを進めたいと思います。
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自動車が組み立てられない事態に

2016年04月25日 14時27分07秒 | トヨタ自動車
部分的に生産再開 
 4月17日に起きた熊本を震源とする地震によって、大分まで広がり九州地方がマヒしている。一日でも早く復旧することを願っています。自動車産業もトヨタをはじめとして、部品供給が出来ず、本体では組み立てられず25日になっても稼働できずにいる工場がある。需要の多い車から生産するということで豊田市堤工場・高岡工場などが一部25日から稼働を始めています。
相次ぐ災害で生産ストップ
 今年に入って、愛知県にある子会社である愛知製鋼が設備の爆発事故によって、自動車等の素材を製造できなくなり、生産ストップとなり約8万台がマイナスとなった。マイナス分を挽回するために、4月から9月にかけて、出勤日数の増加、勤務時間等を見直し残業時間を最大限に広げて生産を挽回する体制に入った途端に今回の災害に見舞われてしまいました。これでさらに8万台が滞ることになり年内回復は絶望的となりました。
 地震大国日本で、生産に支障をきたすことがないように、一極(愛知)集中を見直し、東海・九州・東北と分散化させることで難を逃れる、新たな生産網を構築してきましたが、組み立て車種は地域的(工場)に限定したが、コスト・効率を求めるあまり部品工場が分散されて、地域完結型でないために同じことを繰り返す結果となりました。
国挙げて復興に取り組もう
 戦後生まれの私たちにとって、東日本の地震と原発事故、そして今回と大きさ、広範囲、まだ余震が続く地震は本当に怖いものです。備えあれば憂いなしとは言うものの、建物の倒壊により、住居を失い、交通手段の乗り物も失い、インフラがズタズタとなってしまっては、なすすべがなく時間との勝負です。東日本でさえ道半ばなのに、相次ぐ災害に私たちの生き方が問われているような気がする。国挙げて知恵を出して復興に取り組みたいものです。
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