創造のよろこび♪♪

書、表装、水墨画、つまみ絵、写真、洋裁など自分の創作活動を娯しんでいます。。。

表装作品集  万葉歌碑拓本

2011-05-27 22:06:37 | Weblog
軸装 
 
  万葉歌碑を拓本に採り、軸装にしました。(赤金の筋七子で沈みを三本入れました)
  歌碑は山の辺の道の途上、玄賓庵の近くの小さな滝の細い流れの暗がりにありました。

  楷書 筆者 日本画家 安田靫彦

                 

  山吹の立ちしげみたる山清水汲みに行かめど道の知らなく  

 (黄色い山吹の花が周りに立ち茂っている山の清水を汲みに行こうと思うが道がわからない)  
 
  作者は高市皇子

    天武天皇の長男で壬申の乱の際、19歳で指揮官として天武軍を勝利に導き
    天武政権樹立の功労者でありながら、生母が身分の低い出だったため草壁、
    大津皇子に次ぐ位に甘んじた不遇の皇子
     
  
  行書 筆者 同上

                


 この歌は高市皇子が急逝した十市皇女(額田王の娘)に三首の歌を作った中の一首です。

 この歌が好きだと言われる俳優の刈谷俊介氏の文を引用しますと

 「高市皇子は、おそらく十市皇女に想いを寄せていたに違いない。
 十市皇女は一重の山吹の花のように可憐な女性だったのだろうか。高市は山吹の花に
 十市皇女の姿を想い重ね、山吹の黄色と山清水に「黄泉国(よみのくに=死者の国)」
 を匂わせ、今は亡き十市皇女に会いたいのだが黄泉の国に行く道が解らないと、嘆き
 哀しんでいるのだ。この歌は高市皇子の人柄と人間性が滲み出ている」

写真  なんじゃもんじゃ

2011-05-20 17:04:48 | Weblog
カメラ散歩

  「なんじゃもんじゃ」


昨年は遅すぎ、今年は早すぎ、なかなか満開の時期に写真を撮るのは難しく先日、今年二度目の
訪問でやっと写真が撮れました。興福寺近くのお寺の境内にそれはありました。

「なんじゃもんじゃ」と言う名前は聞いてはいましたが,どんな花なのか全く知りませんでした。
満開の時は雪が降ったようだと聞いていましたが、、、。


       

 興福寺十三鐘伝説石子詰

 興福寺の小僧さんたちがお堂で習字のお稽古をしていました。一匹の鹿が庭に入り習字中の
小僧さん達の紙をくわえた時、三作という小僧さんが投げた文鎮が急所に当たって、鹿はその場で死んでしまいました。

春日大社の鹿は神鹿とされ、掟で殺したものは石子詰めの刑にされるとあり、三作も許されることなく死んだ鹿を抱いて生き埋めにされました。

この境内に三作を供養するように「なんじゃもんじゃ」の花が咲いています。なんとも悲しい心痛むお話です。四十九日にお墓の上に観音様がお立ちになりその観音様は現在大御堂内に稚児観世音として安置されているそうです。

奈良の人は死んだ鹿が自分の家の前に置かれては大変なので早起きだったそうです。

墨遊 俳画

2011-05-13 17:33:36 | Weblog
墨遊 俳画

 近所の畑の片隅に今では珍しい麦が青々と稔っていました。

 夢中でシャッターを切っていましたら、農家のおばあさんが「持って行きなさい」と10本ほどくださいました。先日道すがら立ち話をした方でこじんまりと麦を植えているとのこと。
絵を描くつもりだというと花瓶にでも生けておくといいよと親切にいってくださいました。
 とても嬉しく、持ち帰ってさっそく「青麦の俳画」を描きました。
 
Kの俳句を添えて

   初蝶の 舞に草花 色めけり 



子供の頃の田舎では麦畑は農村では普通の風景でしたが、いつの頃からか見られなくなりました。
今日は失った宝石を思いがけず見つけた心境です。にこやかな可愛げののあるおばあさんに感謝。

新鮮な青麦の芒はぴんぴんと鋭い針のようでとても痛く気をつけながら花瓶に生けました。

おばあさんの話では、麦が黄色く熟して収穫のあと田植えが始まるそうです。

墨遊 俳句

2011-05-06 21:29:03 | Weblog
墨遊 俳句

 Kの俳句二句書く

 滝のごと流るる藤や朱の社殿

  奈良春日大社の藤は今が見ごろ。砂摺りの藤は殊に有名である。
  朱色の回廊を背景に映える藤の紫はこれぞ、優雅な王朝美といった感あり。
  紫色は自然素材からの発色の難しさのため珍重され、古代中国では高貴な色と
  されていたものが日本へ伝承されて特権階級にしか許されなかった時代があった。
  菖蒲、杜若、朝顔などの紫色には一種近寄りがたいものを感じる。

 遥かなる大和三山五月晴
  
  葛城山に躑躅を見に出かけた。ロープウエーで上った山頂からは畝傍、耳成、香具山
  の所謂大和三山が霞んではいたが見えたのには感動した。三山が囲む中心点に藤原宮
  が栄えていた往時を偲びタイムスリップした感じだった。コセコセした日常を離れて
  時には山などの高見での俯瞰は視野を広め活性化になるかも。


例年では4月末日ころが藤の花の見ごろなのですが今年は少し遅れたようです。
今年こそはとなんじゃもんじゃの花を見に行ったのですがこれも少し早かったようです。
ここ数日が見ごろになるのでは?と期待しています。

日曜日は母の日。子供たちから贈り物が次々届いています。
カーネーションの盛り花が見事に咲き誇っています。
家族がみんな元気で暮らせること平安な生活が送れること、、すべてが感謝です。