創造のよろこび♪♪

書、表装、水墨画、つまみ絵、写真、洋裁など自分の創作活動を娯しんでいます。。。

表装展

2017-02-05 13:25:36 | 表装

京都文化博物館で開催されている日本の表装展の鑑賞に行きました。

私は表装を始めて四十五年になりますが、掛軸に代表される表装の歴史を知りたくて出かけました。

会場には沢山の方が熱心に観られていましたが意外にも若い人も多くて頼もしく思いました。

紙や絹などの脆い素材に描かれた大切な書画を長く保存するにはどうしたらよいか、持ち運びに

都合良くするにはどうしたものかなど先人の智恵と工夫の試行錯誤から生まれたのが掛軸であるがその発想に

今更ながら感心しました。

本紙(書画などの作品)を裏打ちして裂地で表装仕立てにしたものを軸棒をつけて巻けば作品を大切に長く

保管できて持ち運びにも便利で場所も取らず今も有難く長く続いています。

会場には修復がなされた古い軸装や今にも崩れそうな軸がありましたが日本の貴重な文化を伝える大切な

一幅一幅でした。

纈染(けちぞめ) 繍佛(しゅうぶつ)という言葉も今回の展覧会ではじめて知った言葉でした。

美意識豊かな斬新な表装もあり凝った裂地もあり当時の創作の様子が伺えて刺激になった一日でした。  

                        

                               日本の表装(冊子

描表装(かきびょうそう)という手法は古い時代からあって面白い手法だと感心しました。

今度創作表具をするときに見習ってやってみたいと思いました。

竹屋町織掛軸架鷹図はあえて裏打ちをせずに透かして夏に涼しく掛ける軸装にいいなあと思いました。

                             

                              竹屋町織掛軸 (冊子より転写)                  


表装展 (ひょうほえ展)

2015-10-05 18:03:11 | 表装

表 装 展 

           京都「みやこめっせ」で日本表装研究会主催のひょうほえ展が開催されました。

              「鍾馗さん」と「般若絵心経」と他一点合計三点を出品いたしました。

            昨年北京の瑠璃廠の店で購入した一枚の絵「鍾馗さん」を軸装にしました。

          風帯は本紙の紐の房にちなんで自分で編みましたがとても難しく時間がかかりました。

          短刀の房のイメージを表現するため両端に房のある紐を軸棒に溝を掘って埋め込み

                 それぞれの房を垂らし、軸先は中廻しの裂地でつくりました。

 

                         

                   図らずも「般若絵心経」がひょうほえ賞をいただきました。

       壺坂寺で購入した大きな日本手ぬぐいで般若心経が絵文字で書いてあり とても面白い手ぬぐいです。

     風帯は般若心経の一節をめんぱうという特殊な液で書き 裏から墨を塗って白抜きにし趣向を凝らしました。

                 会場には沢山の友人が観に来ていただき嬉しくて感無量でした。

 

 


表装展(ひょうほえ展)前日の催し

2015-09-28 19:17:54 | 表装

カメラ散歩   月心寺

       京都で開催のひょうほえ展(表装展)の前日の催しで念願の月心寺に行くことが叶いました。

              これやこの行くも帰るも別れては 

                          しるもしらぬも あうさかの関   蝉丸

      大津大谷町にありお庭も素晴らしく自然いっぱい心地よい秋風にしばし我を忘れて縁先に座っておりました。 

      日本画家の橋本関雪の別邸でお墓もここにありました。

      月心寺は先代の庵主でNHK朝ドラ「ほんまもん」の主人公のモデルの村瀬明道尼の精進料理が有名ですが、

      昭和54年発行のミセス保存版にその精進料理が掲載された時から機会があれば訪ねて見たいと思っていた

      だけに感無量でした。特に手間暇をかけた胡麻豆腐の伝統は引き継がれており美味しくいただきました。

      

          

       ご一緒した方の中には芭蕉の歌碑を拓本に採っておられましたが私は足場が悪かったので翌日に

       ひょうほえ展を控えていることもあって遠慮しました。

       走井の餅で有名な土地ですが、庭先には走井の井戸が健在で名水がこんこんと湧き出ていました。

                         

                        走井の筧の水の涼しさに

                                   越えもやられず逢坂の関   藤原清輔

美味しいお料理に美味しいお水に感激 至福の時を過ごしました。

 


表装作品 ホタルブクロ(水墨画)

2015-03-18 21:48:05 | 表装

 

軸装 

 自画    水墨画

             挿絵画のような幻想的な絵(ホタルブクロ)を描きました。 

                      この絵を軸装にしました。

                      

                      久しぶりに楽しい作業でした。

                  天地は臙脂の「古代しけ」を使いました。 

                 しけ独特の凸凹の織りが趣を添えています。

 

 


表装作品  四君子  秋菊

2014-06-14 21:48:51 | 表装

軸装  水墨画 四君子 秋菊 

 自画を軸装にしました。(半切)

 四君子とは竹 梅 菊 蘭を言いますがこの絵は岩陰から咲く秋菊と芒を描きました。

 裂地はオーソドックスな竹の模様でシンプルに仕上げました。

 一幅を仕上げるには何か月もかかりますので次々と制作するのは大変です。

 今は表装仕事には一番やりやすいシーズンですので頑張っています。


表装作品 水墨画 紫陽花

2014-06-02 10:50:49 | 表装

軸装 紫陽花

 自画 水墨画のあじさいの条幅を本格的な表装で軸装に仕上げました。

 

掛軸の一幅が仕上がりました。これからの季節は乾燥が早く、暑くて表装の仕事は苦労が多いです。

ところで本格表装の先行きには以前から不安を感じていますが、これにはいろいろな要因が考えられます。

先ず、良い材料の入手が難しくなってきたことです。これは手間のかかる和紙を漉く職人や軸先、上巻絹などを作り手の

高齢化と後継者不足が深刻なこと。また、座敷と床の間のある和風建築から使い勝手のよいマンションへの居住環境の変化で

掛軸や屏風の需要が少なくなったこと。更に表具制作店でも技術の継承がないまま安直な機械表装に頼らざるを得ない現実

があるようです。

一見ピーンと本紙がきれいに貼られて素敵に見える書道展や水墨画展で見かける軸装は機械での圧縮、

熱接着で短時間に仕上げた即席表具。掛軸の裏の上巻絹を省略したり、紙で代用したり、八双の棒が条幅の幅より少し出ておらず

きっちり揃えていたり(八双の棒の両端は軸を巻き取る際に軸を傷めないよう軸幅より少し出すという先人の智恵)、軸の耳折も

無いような軸も出てきて驚きです。

素人の人で軸の知識がない人が総裏の喰い先の繋ぎがあると紙を節約したように思われ一枚裏を望まれる。

上巻絹が表から見ると繋ぎ目の段差ができるからないのが良いと希望されたり、軸の本来の智恵がだんだんとなくなっていくようです。

総裏を何枚も継ぐのは軸のそりがないように、宇田紙の白土を入れて漉いてあるのは気温の変化を土が吸ったり吐いたりの原理を

分かっていないから、、と色々な面で思いがけないことが起こりびっくりします。

格安で直ぐに出来るということですが、目の肥えた方には一目瞭然その違いが分かります。

でも時代の趨勢で致し方ないのかも知れません。寺社仏閣の掛軸の修復にも影響が出なければいいのですが。

私は一つ一つ手間をかけて作る昔からの本格表装を少しでも残したいと思い30年以上頑張っています。

 


表装 92歳の生徒

2014-04-02 10:25:25 | 表装

表装 

 10年余前に「私と生徒の表装展」をご覧になった92歳の方(男性)が表装を習いたいと来られました。

 そのYさんが先日104歳で大往生なさいました。

 これは思い出にいただいた自作の色紙と団扇です。 団扇は扇面にかまきりと羽虫が描かれた和紙を裏打ちして貼られたもので

 毎夏常用しています。

 表装を始められから3年間でご自分の絵をつぎつぎと意欲的に軸装に仕立てられましたが、他の生徒の刺激になったと

 思います。

 

 

 92歳のときに息子さん夫妻の近くに引っ越してこられて以来、自分のことは自分でを信条に独り暮らしをなさっていました。

 いつも背広をキチット着るなど身だしなみには気をつかっておられました。

 また、生活姿勢は大変前向きで、死ぬかもしれないとか 先がないとかおっしゃったことがなく、お庭にはパンジーを種から育て

 られるなど綺麗に手入れなさっていました。

 100歳のお祝いに市長さんが来られた時には自作の掛軸をいっぱい部屋に並べて見ていただいたと嬉しそうになさっていました。

 毎月定期診断には必ず行かれて日課の散歩も欠かさず食事もしっかり摂られ、亡くなる寸前までお元気で僅か1日半の

 病院生活だったとお嫁さんから聞きました。息子さんご夫妻とも仲良くサポートされ理想の親子像でした。

 Yさんが初めての土地で私の所に来ていただき一番先の友人となったとのことで、ご親戚の皆さんからお礼の言葉を聞き嬉しく

 思いました。私はYさんから人生の先輩として沢山のことを学ばせていただいたことを感謝しています。

 ご冥福を祈りつつ。 

 


表装 裏打ち

2014-02-21 22:19:16 | 表装

水墨画の裏打ち

 水墨画教室の方々に裏打ちの一日講習をいたしました。

 片岡糊や白梅糊の溶き方や刷毛(打刷毛、糊刷毛、撫刷毛、水刷毛)の使い方、裏打ち紙の

 種類などなどの説明後それぞれの絵を各自裏打ちをしていただきました。

 みなさんとても興味をもたれ、はじめてとは思えない様子で裏打ちをされました。

 本紙の裏内は軸装や額装にする前の基本で一番大切な作業です。

 画仙紙に描かれた絵や扇面に描かれた絵などの本紙が裏打後貼り板からはずされて

 しっかりときれいに出来上がるのがとても楽しみです。

 


水墨画

2014-02-11 08:48:44 | 表装

水墨画 

  自画 「百合」 「菖蒲」

 百合の花と菖蒲を描いて差し上げましたところ 素敵な額を購入してこんなのができましたと

 持ってきて見せてくださいました。

 額と絵が素敵にマッチしていてわれながら嬉しくなりました。