墨遊 俳句
Kの俳句二句書く
古稀過ぐや今年も片蔭拾ふ頃
梅雨の最中なのに真夏日が続いている。若い頃は肌を焦がすために
日照を求めたものだが、随分前から建物の蔭を選んで歩いている
ことがしばしば。加齢には勝てない自分を見出す思いだ。
心停止なきは死でなし蟻地獄
臓器移植が今や日常的に行なわれているが、脳死を以って死とすることが
移植の前提になっている。死の概念や定義は人により異なって然るべきで、
個人的には心肺停止が自然と考える。
検診で病院に行きました。
最寄駅から病院まではバスがピストン運転をしています。
病院の入口を出て少し坂を下ったところにバス停があります。
バスは停留所から乗車した客を乗せ、病院の入口の前を通過して最寄り駅に
向います。
発車しかかっていたバスに向って入口から駆けてくる人がいました。
以前、私も同じように発車寸前のバスに手を振って駆けたのに乗車できず、バスは
目の前を通過して行きました。運転手からは駆けてくるのが見通せた筈です。
私は「どうか乗せてあげて」と心から願いました。
運転手さんは閉まっていたドアを開け、その人を快く乗せてあげました。
車内の雰囲気がいっぺんに温かくなった気がしました。
病院の乗降客は患者さんや家族か、見舞客ですから、ちょっとした気遣いでがあって
いいのではと思いました。こんな優しい運転手さんがいて下さると有難いです。
私は嬉しくなり、思わず運転手さんに「有難う」と言って降りました。