墨遊 俳句
Kの俳句二句書く
大凶のみくじを枝に初詣
春日大社で今年の運勢をおみくじで占ってみた。大凶だった。余興のつもりでもあまりいい気持ちではない。
国内外ともに何かと騒がしく難題続出の新年を予感する。 時の為政者の独善に左右される特定秘密保護法の強行採決に
次ぐ総理の靖国神社参拝は中韓を過度に刺激したにとどまらず、とかくご機嫌を窺ってきた米国の不興をも買い火中の栗を
拾った感がある。兵士の英霊を尊崇する心情の大切なことは子供でも分かること。問題は日本の国土と人心を壊滅させた戦争
指導者が合祀されている場所を元首が参拝した無責任さである。戦争の惨禍を体験したことのないものの無知無謀な愛国心
ほど怖いものは ない。憲法の恣意的ご都合主義的解釈による実質的骨抜きが画策されている。集団的自衛権の容認、緊急
事態を大義名分とした 武器三原則の変質化など一強多弱の暗部が露呈した現実から目を背けてはならない。
原発問題もまた然り。シリア情勢も心配。 大凶の籤を枝に結びながら自問自答の初詣だった。 (K)
さみどりの明日葉はじく冬日かな
昨年、八丈島から取り寄せた明日葉の苗を三株プランターに植えていた。 新芽を摘んでもまた明日には新しい芽が出るくらい
の生命力旺盛な植物で八丈島特産らしい。天ぷら、おひたしなどで食膳を賑わわせてくれたが寒さには弱いとのことで軒下で
霜よけし、夜の寒気をビニールの覆いで 和らげている。
寒波の毎日であるが昼間は可憐な葉っぱを精一杯をひろげて雲間から射す日差しを全身に浴びている姿は何ともいじらしくも
可愛い。 (K)
先日 映画 「命をつなぐバイオリン」 を鑑賞する機会に恵まれました。
これは実話。1941年、当時ソ連の支配下にあったウクライナでバイオリンとピアノの才能に優れ神童
と言われた二人のユダヤ人の子供が、ソ連に侵攻してきたナチス・ドイツのユダヤ人絶滅計画の恐怖下
ヒトラー総統の側近・ヒムラーの誕生祝賀会で完璧な演奏をすれば強制収容所送りを免除してやるとの
言葉を信じて懸命に演奏した。 ドイツ人の前で必死に演奏するバイオリンの音色に心が張り裂ける
ようでした。結果、助かり生き延びることができましたが、中学生の頃に読んだ「アンネの日記」と重なり
涙が止まりませんでした。どんなことがあってもあのような悲惨な戦争だけは避けなければなりません。
平和で安心して食事ができる日々の有難さを感謝。